
時節柄、不謹慎のそしりは免れないんでしょうが、多摩川周辺に20年近く住んでいながら、この作品のモデルになった洪水が狛江市で起きたことだと最近になって知り、俄然興味がわいてDVD全巻を観てしまいました。いや~、これは今見ても面白い作品です。というわけで、簡単に感想っ。
多摩川周辺にある平凡な家庭の一軒家に、ある日、ラジコンの飛行機が飛び込んでくるという冒頭場面から、家族に降りかかる不幸の連続。
個人的には、前半の性的に踏み込んだ表現が今見ても新鮮で、中田喜子をいたぶる悪魔のような帰国子女・上智大女子大生がよかったですね。谷崎潤一郎の『卍』に出てくる徳永光子というキャラを思い出してしまった。また、やはりというか、当然というか、八千草薫のお母さんがよくて、それゆえに息子の国広富之のマザコンな感じがいじましい。ただ、ドラマ後半の国広富之の活躍は、スートリー的には凡庸で、あくまで狂言回しというか、視聴者の一般論を代弁している感じがしなくもない。
あと、印象に残るのが、病床にある人妻の経験談が、八千草薫の役を不倫に導くくだりとか、年増OLの孤独とストーカーじみた行動と、その後の気の変わり様がちょっと今にも通じるところがあるかなと。
で、印象として思うのは、父親役の杉浦直樹って、全然父権的でない父親なのに、手厳しくやられていってしまうのが、ちょっと気の毒だということ。というのも、この父親の苦しみは、別にジェンダー的なものばかりではなく、会社勤めの人間一般が背負うようなタイプのもので、綺麗ごとではローンは返せないんだよと、わたしですら、駄々をこねる息子に言ってやりたくなるほど。
というわけで、洪水のメタファーとしてばかりでなく、ドラマとして再見再論されるべき作品だなあ~と改めて思いました。観たことのない方にこそ、おすすめ。また、この頃のドラマは演出も撮影もなかなかよいです!
PS:ジャニス・イアンの主題歌はよいですね。椎名林檎の好きなミュージシャンとしても有名です。
多摩川周辺にある平凡な家庭の一軒家に、ある日、ラジコンの飛行機が飛び込んでくるという冒頭場面から、家族に降りかかる不幸の連続。
個人的には、前半の性的に踏み込んだ表現が今見ても新鮮で、中田喜子をいたぶる悪魔のような帰国子女・上智大女子大生がよかったですね。谷崎潤一郎の『卍』に出てくる徳永光子というキャラを思い出してしまった。また、やはりというか、当然というか、八千草薫のお母さんがよくて、それゆえに息子の国広富之のマザコンな感じがいじましい。ただ、ドラマ後半の国広富之の活躍は、スートリー的には凡庸で、あくまで狂言回しというか、視聴者の一般論を代弁している感じがしなくもない。
あと、印象に残るのが、病床にある人妻の経験談が、八千草薫の役を不倫に導くくだりとか、年増OLの孤独とストーカーじみた行動と、その後の気の変わり様がちょっと今にも通じるところがあるかなと。
で、印象として思うのは、父親役の杉浦直樹って、全然父権的でない父親なのに、手厳しくやられていってしまうのが、ちょっと気の毒だということ。というのも、この父親の苦しみは、別にジェンダー的なものばかりではなく、会社勤めの人間一般が背負うようなタイプのもので、綺麗ごとではローンは返せないんだよと、わたしですら、駄々をこねる息子に言ってやりたくなるほど。
というわけで、洪水のメタファーとしてばかりでなく、ドラマとして再見再論されるべき作品だなあ~と改めて思いました。観たことのない方にこそ、おすすめ。また、この頃のドラマは演出も撮影もなかなかよいです!
PS:ジャニス・イアンの主題歌はよいですね。椎名林檎の好きなミュージシャンとしても有名です。
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