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緊急事態宣言下の東京ですが、一ヶ月前に買った安からぬチケット、フイにする訳ないでしょう。というわけで、簡単に感想です。
今月から歌舞伎座は四部制から三部制に移行。客席も、一席ごと空席(つまり半分の集客)から、並びの席が幾つか登場(でも、集客は半分の割合)。ま、今月はチケットを売ってしまっているからこのままとしても、来月からは感染対策で、また一席ごとに変わるんでしょうか。演劇界も受難ですよ。旅行業界と違って、エンタメ界には二階みたいな人はいないんでしょうから!?
さて、芝居の方ですが、第一部。
最初は、寿浅草柱建(ことほぎて はながたつどう はしらだて)。
本来なら浅草歌舞伎の舞台に立つ若手が勢揃いする30分ほどの舞台でしたが、このメンバーだと歌昇の台詞の立派さが際立ちます。松也は良くも悪くも気合十分。隼人の十郎が綺麗だったなあ〜。
次が、猿之助の悪太郎。
猿之助には悪いけど、個人的には、松羽目物も猿弥は堂々として上手いな〜と思ったことに加えて、鷹之資ですね、目を惹いたのは。踊りもセリフも芝居も切れ味があって、新春に相応しい舞台でした。この子は初お目見得のときから観てるし(なんか書いてて年寄りくさいですね!)、歌舞伎座でやった親子の自主公演の勧進帳の義経も覚えているので、いよいよ、お父さんの名跡を継ぐ日も近いかな〜と思いました。天王寺屋贔屓としては涙が出るねえ〜。
第二部は、最初が夕霧名残の正月。
去年亡くなった坂田藤十郎を偲ぶ舞台だけど、襲名の時は、夕霧が先代雀右衛門でしたね。今回は、藤十郎の息子二人の舞台ですが、坂田藤十郎の襲名の時は、かなり高齢化が進んでいた当時の先代雀右衛門に配慮してか、動きも時間も少ない演目だったのが、今回は働き盛りの兄弟二人ですから、多彩な所作の面からいっても実のある舞台になっていました。(たとえば、扇雀がスッポンで下がっていくところまでの華麗さ。)
また、藤十郎のキャッチフレーズ「一生青春」は「元気溌剌」という意味の青春でしたが、今の鴈治郎は別の意味で青春的だな~と再確認しました。今の鴈治郎の場合は、憂愁を帯びた青春の人で、台詞のセンチメンタルな響きが、実によく効いていました。いい追悼の舞台だったんじゃないのかなあ~。
次は、吉右衛門の忠臣蔵七段目。
今回の吉右衛門の由良之助の特質は、とにかくフェミニンなイメージの由良之助だということ。とかく、マッチョに演じられるこの役が、その貫禄や余裕を損なわない形でどこか緩やかで、雀右衛門の可愛らしい柔らかさとも相まって、独特の味になった。変な表現だけど、煮崩れしてくたくたになった肉じゃがの味わいみたいな舞台でした。
後になって考えると、このことは平右衛門が梅玉さんだったからかもしれません。若手の平右衛門相手なら、もっと、大人の強い由良之助の調子で行った気もするんですよね。
で、梅玉さんの平右衛門ですが、融通無碍というか、役の性根本位というか、型と元気さでアピールしがちな若手の平右衛門とは違う、随分自由で鷹揚な舞台で、大傑作でした。この人の平右衛門ってこんなによかったかな~と思うぐらい、せかせかしない伸びやかな舞台でしたよ。
というわけで、短縮版の七段目だったんですが、緊急事態宣言下でも、こういう傑出した舞台を観ることができるという贅沢。満喫させてもらいました。もちろん、歌舞伎座~地下鉄~自宅まで直行直帰です。
PS:歌舞伎座3階の亡くなった名優たちのパネルのコーナーで、三津五郎の次に坂田藤十郎の写真が貼ってあるのを確認しました。しかし、雀右衛門の写真の次が、勘三郎、團十郎、三津五郎で、藤十郎なんですよね。なんか、この順番どうなんだって、考えてしまいますね~。
今月から歌舞伎座は四部制から三部制に移行。客席も、一席ごと空席(つまり半分の集客)から、並びの席が幾つか登場(でも、集客は半分の割合)。ま、今月はチケットを売ってしまっているからこのままとしても、来月からは感染対策で、また一席ごとに変わるんでしょうか。演劇界も受難ですよ。旅行業界と違って、エンタメ界には二階みたいな人はいないんでしょうから!?
さて、芝居の方ですが、第一部。
最初は、寿浅草柱建(ことほぎて はながたつどう はしらだて)。
本来なら浅草歌舞伎の舞台に立つ若手が勢揃いする30分ほどの舞台でしたが、このメンバーだと歌昇の台詞の立派さが際立ちます。松也は良くも悪くも気合十分。隼人の十郎が綺麗だったなあ〜。
次が、猿之助の悪太郎。
猿之助には悪いけど、個人的には、松羽目物も猿弥は堂々として上手いな〜と思ったことに加えて、鷹之資ですね、目を惹いたのは。踊りもセリフも芝居も切れ味があって、新春に相応しい舞台でした。この子は初お目見得のときから観てるし(なんか書いてて年寄りくさいですね!)、歌舞伎座でやった親子の自主公演の勧進帳の義経も覚えているので、いよいよ、お父さんの名跡を継ぐ日も近いかな〜と思いました。天王寺屋贔屓としては涙が出るねえ〜。
第二部は、最初が夕霧名残の正月。
去年亡くなった坂田藤十郎を偲ぶ舞台だけど、襲名の時は、夕霧が先代雀右衛門でしたね。今回は、藤十郎の息子二人の舞台ですが、坂田藤十郎の襲名の時は、かなり高齢化が進んでいた当時の先代雀右衛門に配慮してか、動きも時間も少ない演目だったのが、今回は働き盛りの兄弟二人ですから、多彩な所作の面からいっても実のある舞台になっていました。(たとえば、扇雀がスッポンで下がっていくところまでの華麗さ。)
また、藤十郎のキャッチフレーズ「一生青春」は「元気溌剌」という意味の青春でしたが、今の鴈治郎は別の意味で青春的だな~と再確認しました。今の鴈治郎の場合は、憂愁を帯びた青春の人で、台詞のセンチメンタルな響きが、実によく効いていました。いい追悼の舞台だったんじゃないのかなあ~。
次は、吉右衛門の忠臣蔵七段目。
今回の吉右衛門の由良之助の特質は、とにかくフェミニンなイメージの由良之助だということ。とかく、マッチョに演じられるこの役が、その貫禄や余裕を損なわない形でどこか緩やかで、雀右衛門の可愛らしい柔らかさとも相まって、独特の味になった。変な表現だけど、煮崩れしてくたくたになった肉じゃがの味わいみたいな舞台でした。
後になって考えると、このことは平右衛門が梅玉さんだったからかもしれません。若手の平右衛門相手なら、もっと、大人の強い由良之助の調子で行った気もするんですよね。
で、梅玉さんの平右衛門ですが、融通無碍というか、役の性根本位というか、型と元気さでアピールしがちな若手の平右衛門とは違う、随分自由で鷹揚な舞台で、大傑作でした。この人の平右衛門ってこんなによかったかな~と思うぐらい、せかせかしない伸びやかな舞台でしたよ。
というわけで、短縮版の七段目だったんですが、緊急事態宣言下でも、こういう傑出した舞台を観ることができるという贅沢。満喫させてもらいました。もちろん、歌舞伎座~地下鉄~自宅まで直行直帰です。
PS:歌舞伎座3階の亡くなった名優たちのパネルのコーナーで、三津五郎の次に坂田藤十郎の写真が貼ってあるのを確認しました。しかし、雀右衛門の写真の次が、勘三郎、團十郎、三津五郎で、藤十郎なんですよね。なんか、この順番どうなんだって、考えてしまいますね~。
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