切られお富!

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『盲獣VS一寸法師』 石井輝男 監督

2010-07-28 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
石井輝男監督の遺作。見逃していたというより、敬遠してたんだけど、『恐怖奇形人間』を観た流れで、観てしまいました。しかし、これは壮絶な・・・失敗作。でも、非難はできないナア・・・。

石井輝男ほどの巨匠が、ほとんど素人同様の若者たちと一緒に作った作品。

照明が大ベテラン野口素胖氏だったとはいえ、カメラも監督が担当したのは無理があったというか、画面にもプロっぽいところと素人っぽいところが混在。(監督、ビデオ撮影には慣れていなかったのかもしれない。)

ということで、かなりローファイ・ローテクな一本といわざるを得ないですね。

ちなみにアマゾンのレビューに美術を非難している人がいたけど、この規模の作品としては、美術はかなりがんばってると思いました。

むしろ、音響面での不安定さがわたしは気になったなあ~。

とはいえ、彼ほどの巨匠が悪条件でも嬉々として映画を撮って、随所に彼らしい演出が垣間見られるのは嬉しい・・・。でも、やっぱり悲しいナア・・・。

リリー・フランキーや塚本晋也の出演も過度に友情的だしネエ・・・。

ただ、橋本麗香がいい顔してるなあ~というのは印象に残りましたね。どこで見つけてきたのかな、石井監督!

というわけで、これはファン向けの一本だなあ~。よくがんばって撮ったという点では賞賛に値するんだけど・・・。

なお、一時期この映画に民主党の某女性政治家が出演したとかしないとか、話題になりましたね~。どのひとがそうなのか、わたしはよく判らなかったんだけど。でも、コンテンツ立国を目指すニホンなんでしょ!だったら、石井輝男の映画でもろ肌脱ぐくらいのことは立派な行いであって、非難するには当たらないと思いますけどね~。

というか、非難する人は文化レベル低いんじゃないのかな?むしろ、警察官僚に息子の犯罪をもみ消してもらってる政治家のほうがよっぽど叩き続けられなければいけないんじゃないですか!

というわけで、とりとめがないので、この辺で。

PS:純粋に乱歩の「盲獣」の映画を観たければ、増村保造監督、船越英二、緑摩子の映画『盲獣』をオススメします。これは大映末期の傑作!

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