重低音のBlue Canary

♪ 思いつくままを、つたない文と photo で …

散り始め/岩倉市五条川「千本桜」

2009-04-08 | photo


自宅近くの桜の名所といえば、
隣市・岩倉市の五条川堤防の約7kmに植えられた「千本桜」でしょうか。


近いので、行こうと思えばいつでも行けるという思いと、
ただし、見頃の時期は車の規制が厳しく、駐車場所を探すのに苦労するという思いが両方あって、
今年はパスしてもいいかな、なんて実は思っていました。

ところが、です。




拙ブログにたびたび遊びに来ていただいている「S」さんから、
「五条川に夜桜見物と洒落込みました」とコメントをいただいたうえ、
「桜もそろそろフィナーレを迎えます。川面一面に桜の花びらが舞い落ちて、まるで絨毯を敷き詰めたよう…」と教えていただいたからには、
もう黙って座っているわけには参りません。

会社を少し早く出た今日の帰り、
寄ってきました。

そして、
なるほど――。



まだ満開の桜を見上げても楽しめますが、
目を落とせば五条川の川面には、
それこそ何十万――いいえ何百万、何千万もの小さな花びらが次々に流れています。


堤防に座り込み、
流れてゆく花びらを見つめているのは、
家族や、友達や、カップルらしき人々。

にもかかわらず彼らは
その場所ではなぜか話すことをやめ、
花びらが流れすぎてゆく様子を、一人一人がただ黙って見ているのでした。


人々は、
散り行き、流れ行く可憐な桜の花びらに、
いったいどんな、それぞれの思いを重ねながら見ていたのでしょうか。


いえ、

人間だけでなく、



鳥までも……。



時代がどんなに変わろうと、
散り際の潔さを大切にする独得の美学を、
私たち日本人は忘れてはなるまいと、私は思っています。




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