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駒尺喜美「魔女の論理」

こましゃく・きみ〔1925-2007.〕大阪市生まれ
元法政大教授。静岡県伊豆市姫の湯の「友だち村」で死去。 

去る5月22日に、82歳で亡くなった駒尺喜美さん。30年以上にわたり、私にとって親しい友、尊敬する先達、頼もしい同志だった。(手紙を出すことも、面会することもなく、単なる一読者として、こちらで勝手に思い込んでいた丈だが。)日本文学と女性学の研究者。実践的女性解放活動家・小西綾さんと、50余年にわたり生活を共にし、最後の住まいも、自ら創出した血縁でない、友愛による共同住宅で、高齢社会の生き方のモデルを示してくれた。

★「魔女の論理」
   エポナ出版 1979年刊 ¥920

 雑誌などに掲載されたエッセイをまとめたもの。
 女性の目から見ると、マルクス、吉屋信子、永井荷風、夏目漱石、深沢七郎、森鴎外、五木寛之、石原慎太郎、高村光太郎、徳田秋声、伊藤整らが、全く違った様相を帯びてくる。深くうなづき、「その通り!」と言わざるを得ない。このたび再読して、自説と信じていたことが、この本にあったことを発見、驚いたくらい、私の血肉となっている。

★「魔女の審判」
   不二出版 1984年1刷 1989年2刷 小西綾と共著

小西綾さん(1904-2003)も大阪出身、16歳で働き始め、戦後は婦人民主クラブに関わった。結婚歴あり、子供もおり、生涯、女性の地位と社会への関心を示したという。生き生きとした会話体の文章で彼女の肉声を聞くようだ。

★「女を装う」
   勁草書房 1989年刊(田嶋陽子ほか3人と共著)¥1860 

化粧、ハイヒール、スカートなど、女性につきまとう付属品を「美のくさり」と表現、その由来と意味を明快に解き明かしてくれる。これも、私が生活の中で実践していることであり、知己を得たという、喜びを感じさせる。

★「紫式部のメッセージ」
    朝日新聞社 1991年刊 朝日選書422
 紫式部はレズビアンであり、源氏物語は、結婚制度の否定を説くと主張。

★芥川龍之介等を論じた著書もある。また、駒尺さんは知識階級ではなく庶民の出であり、若いころ宝塚の「追っかけ」だったことをよく語っていた
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (imagine-peace)
2007-05-31 18:45:15
本日は私のブログへのご訪問ありがとうございました。Biancaさんが来られた後に、記事を更新し、「真昼の決闘」の良く出来た4分ほどのパロディ予告編を見ることが出来るようにしました。ご連絡まで。今後もよろしくお願い致します。
 
 
 
imagine-peaceさま (Bianca)
2007-05-31 23:26:03
初めてのご訪問、有難うございます。
アップしたばかりなのに「魔女の論理」に早くも訪問客があったので、少しビックリしたのですが、別のご用件でしたね。貴方のヘップバーンの似顔絵を拝見、ステキだなと思いました。また寄らせていただきます、こちらへもどうぞ。
 
 
 
・・・・・・・繰り返しみよ (pon-pie)
2007-06-04 18:08:37
始めまして!
"駒尺喜美"をキーワードにこちらのブログへ辿りつきました。
僕は映画、詩そして文学など全く素養はありませんが「心に感づる事あって」時々訪問させて頂きたいと思います。本意にそぐわない場合はご放念ください。
 
 
 
ponーpieさま (Bianca)
2007-06-05 01:26:28
はじめまして、駒尺さん関係で見つけていただいて、光栄です。おたくを拝見しましたが、私とはかなり色合いが違いますね。血液型も正反対ですし。ともあれ、どうぞ、いつでもお出でくださいませ。こちらからも、折に触れて訪問させていただきます。
 
 
 
魔女の論理 (haikai_an@ybb.ne.jp)
2013-02-19 10:33:03
当方は80歳、女友達から示唆を受けて、魔女の論理を読んだのが78歳の暮れ、駒尺女史はなくなったあとです。でも実に面白い。あなたがうまくまとめてくださった文章で、さらによくわかりました。
女性の住民運動活動家、故人を中心に「女の語録」という文章を雑誌に連載するきっかけは、魔女の論理に触発されたものです。不当に無視されてきた女の闘争の歴史、個人を拾い上げささやかながら記録にのこしたいと思って楽しんでいます。徘徊老人
 
 
 
Unknown (Bianca)
2013-02-23 18:24:59
徘徊老人さま
コメント有難うございます!!さいきん感ずるところあり何週間もブログをサボっておりましたが、こういう嬉しいコメントもありますからね。返事が遅れ、すみません。駒尺さんに反応される方にわりあい男性が多いことは不思議な現象です。連載なさったのはなんという雑誌なのか、良ければお知らせくださいませ。読んでみたいと思います。こちらは山陰地方の徘徊老人、その特徴は傘持参です。
 
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