映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
映画「あなたへ」
2012 日本 111分 DVDにて鑑賞 監督 降旗康男 出演 高倉健 田中裕子
「あなたへ。私の遺骨は故郷の海へ撒いて下さい」
と言う妻の遺書にしたがい、夫の高倉健はキャンピングカーで富山から長崎へ出発する。
独身人生の後半で出会った妻(田中裕子)は純粋で可愛らしい面影の持ち主だが、
彼は「一体妻にとって自分は何者だったのだろうか」と思いまどう。
ミステリー。妻は何年連れ添ってもそう感じられる女性だったのかも。
途中で出会う人々との交流が彼の朴訥な人柄を浮き上がらせる。
ビートたけし、佐藤浩市、草薙剛、など多士済済。
それぞれが表面からはうかがい知れぬ一面を露呈する。
「人は見た目で判らないものだ」と言うのがこの映画のテーマだろうか。
海で散骨しようとして困難に遭う。船をチャーターして沖に出ようとしたのだが
彼は「無器用なので」何事にも真正面からぶつかるから、こうなるのでは、と歯がゆい。
黙ってそっと海に流せばいいではないか、大滝秀治の頑固老漁師の承諾など取らずに。
綾瀬はるかが食堂でしゃきしゃき働いていたが、紅白の司会で立往生していた彼女を思い出すと
そういう適性があるか疑わしく感じた。
一番の収穫は「星めぐりの歌」を唄う田中裕子。
浜辺で流木を拾う様子なども童女のようで、何の秘密も宿しているようには見えない。
尤もすべては夫の目に映った彼女なのだが
最後にその秘密が明らかになる。
この映画と直接関係ないが、実際の高倉健は映画のイメージとはかなり違うらしい。
お喋りで気さく、細かい心遣いをする人だったと聞くし、
共演の長塚京三に薔薇の花束を贈ったと知って、この映画を見たくなった。
若い日の江利チエミとの結婚以外は独身で通したという
彼自身こそ、映画で演じた人物よりずっと魅力的に思える。
高倉健 1931-2-16誕生 2014-11-10死去 ご冥福を祈ります
(結婚期間は1959-1971)
→「健さん」19-11-11
→「少年H」(降旗康男)13-9-19
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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「昭和残侠伝」を借り、きのう見たばかりです。
当時の健さん素敵でした。誕生は1931年2月だとか、彼と同学年なんですね。