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映画「実録三億円事件 時効成立」


1975 日本 89分 DVDにて鑑賞 原作 清水一行「時効成立」
監督 石井輝男 出演 岡田裕介 小川真由美 金子信雄

数多い三億円事件関連書のうち、清水一行氏の原作を「網走番外地」の石井輝男監督が映画化。

ところで「三億円事件」とは
1968年12月10日、強窃盗犯罪史上最高額の事件が起った。警察官を装い、白バイに乗った若い男が、府中刑務所裏でボーナスを積んだ現金輸送車を止め、まんまと三億円を強奪したのだ。投入した捜査員延べ7万人。調べた容疑者1万2300人。多くの遺留品を残しながら、ついに犯人が挙がらないまま1975年12月10日時効が成立した……。(よみうり堂より)

金に困った競馬狂(岡田裕介)とその妻(小川真由美)がしでかした犯行と言う仮説のもと、方法を解明してゆく。岡田裕介は1949年生、「初恋」の犯人もその世代だが、比べると、こちらにはいかにも日本的な貧乏くささがつきまとう。(借金がかさみ家財道具が一切ない家の片隅で汁かけ飯を立食するなど)

1人のベテラン刑事(金子信雄)が現場が競馬場付近だから犯人は競馬狂だろうと、カンをもとに追い詰めて行くが本人を逮捕して問い詰めるものの、ついに自供ならず。彼の取り調べ方法は、眠らせないとか、髪をつかむなど、時代もあろうが、野蛮でいただけない。岡田裕介はもうろうとなりつつ、妻の励ましで時効まで持ちこたえる。

「実録」と称しているが、あくまで作家の仮説に基づいた創作。平塚八兵衛と武藤三男の元刑事の話で内部の意見の相違、捜査状況を数字を挙げて示し、モンタージュ写真の信ぴょう性に疑問を呈していることくらいが「実録」と言えるか。

動機と方法の辻褄は一応は合っているが、本当に彼らの犯罪かと、見ているうちにどんどん疑わしくなった、岡田裕介はあまりにも甘ったれで気が小さく、これほどの犯罪を立案実行するほどの度胸があるとは思えない。小川真由美はこれまた不必要に美貌で色っぽく、周囲から浮いている。ただ、昼の料理番組でよく見た金子信雄を久しぶりに見られて楽しかった。

この映画は無言のうちに警察の捜査の見当違いや税金の無駄遣いを批判しているようだ

本「真犯人-三億円事件31年目の真実」12-2-20
映画「初恋」12-2-15
本「初恋」21-9-21
金子信雄
→「赤い蕾と白い花」14-8-3
小川真由美
→「復讐するは我にあり」12-10-29
→「鬼畜」9-8-25
石井輝男
→「黒い画集 ある遭難」14-4-16
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