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愛という名の孤独

1994 新潮社 原題:Replique(速答)翻訳者:朝吹由紀子

フランソワーズ・サガン(1935-2004)が
40-50代に新聞雑誌でした対談からなりたっている。

お金、賭け事、スピード、好きな作家・嫌いな作家、趣味、TVと映画、孤独,死、時間と老いetcについて語っている。

中でも目を引いたのはスピードと作家の話題。

8歳のとき父親の膝の上で運転を始めた時から車への情熱を覚えたという。
スピード好きは死と戯れる趣向がある。賭博、恋の情熱にも通じる。
「生を愛する人は、その反対である死にも魅かれます。」

好きな作家はプルースト。スタンダール、モーパッサン、コクトー、デュラス、デュマ、カーソン・マッカラーズ、サリンジャー、マンスフィールド
嫌いな作家はフローベール、ジョイス
「サルトルは別格で、作家としても人間としても尊敬します。」(彼女とサルトルは30歳違いだが、誕生日が6月21日で同じである)

ただ、彼女は「自分のことをしゃべるより、会話のほうが好き。自分にそれほど興味を持っているわけでもないし。」という。この本は、
「ところであなたはどうして記事を書くようになったのですか・・・…あなたはごく幼いころから物を書いていましたか。」という彼女の質問で終っている。

いかにも洒脱な印象だが、はたして自分に興味を持たない作家っているだろうか??機知をひけらかす社交界のおしゃべりとも受取られかねない。このはぐらかしにあった、生真面目なボーヴォワールが、「サガンを相手だと、会話が成り立たなくなる」と言ったのは無理もないと思った。

→「サガン 疾走する生」11-12-5

→「さよならをもう一度」12-10-25

→「サガン 悲しみよこんにちは」10-3-9

コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
お久しぶり (桃すけ)
2012-05-09 19:16:53
お久しぶりのご挨拶はやはりこのサガンの本からですね。めんどうな仕事?からやっと解放されて、久しぶりに訪れました。48歳の抵抗、忠臣蔵など興味深いものがありましたが、これを選びました。久しぶりに取り出して読み、こんな人だったのかと再認識しました。そこで、古びた「ブラームスはお好き」を選び(字が小さくて読みにくかったわ)再読、いや再々読かな?して、胸きゅん でした。ポールの気持ちがよくわかる年になったのです。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2012-05-09 23:08:00
桃すけさん
久しぶりにいらして下さって嬉しいです。月日は流れ、年上の側の気持が分るようになってしまうんですね。そうそう、文庫本は読みづらいですね。「ブラームスはお好き」の映画化「さよならをもう一度」(バーグマンとパーキンスとイヴ・モンタン)10月末に松江にやって来るのです。果たしてこの3人のうち、誰に感情移入することになるか、自分でも分りません。レビュー書きます乞御期待。
 
 
 
Unknown (桃すけ)
2012-05-10 11:06:44
10月末とは随分先ですね。でもうらやましい。
私、若いころパーキンスのファンだったんですよ。今はまったく好みではないけれど。イヴ・モンタンはぴったりかなあ。レビュー楽しみです。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2012-05-10 19:52:47
「午前十時の映画祭」の予定表によればそうなんです。パーキンスお好きでしたか。同じころに作られた「死んでもいい」と「さよならをもう一度」での彼は長沢セツに言わせると最高に美しく撮れているそうですが、今見るとどうかなあ。5ヶ月以上先ですので、ひる寝でもして待っていて下さい。
 
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