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映画「夏の終止符」

2010 ロシア 124分 レンタルDVD
監督 アレクセイ・ポポグレブスキー 
出演 グレゴリー・ドブリギン セルゲイ・プスケパリス

チェルノブイリ原発事故が起ったまさにその日、北辺の小島の観測所で美貌の青年と朴訥な中年男、2人きりの観測員の行動と心理を描く。
画面は美しい、人間心理は微妙で奥深い、いつまでもどうなるのか終わりまでわからず、サスペンスの要素を持つ芸術的な映画だ。

事故の後、新生児に表れる障害に焦点を当てて撮った米国のドキュメンタリー「チェルノブイリ・ハート」は、はっきりとして誰が見ても分りやすい。

1960年作「送られなかった手紙」というソ連の映画を20歳前後で見たことがある。お話は、辺地の学術調査隊の内部の人間模様、女性一人が混じるため複雑だ。過酷な自然条件のため登場人物は次々と死んでゆき、ただ一人が生き残って探査の成果を伝える。当時「赤旗」が批判していた。推察するに、芸術的・象徴的で悲観的だし、大衆に分り難いという論旨の批判だったのじゃないか。

なぜ象徴的な表現をするのか。多分、当局の検閲とか報復を恐れているから。実際にそれがなくてもその心理的な姿勢がしみついているからでは?なぜ芸術的なのかは、もって生まれた民族の芸術家気質ゆえにでは、と思える。
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