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情報誌「ぴあ」終刊


        ↑ぴあ8/4・18合併号最終号 1972年「月間ぴあ」創刊号↓



東京の映画好きな学生が自分用に作った名画座上映表のパンフ「ぴあ」。何年かすると隔週、さらに毎週の発行となり、首都圏だけでなく大阪や名古屋などの地方版も現われた。松江に来て、東京と大阪版が本屋や図書館においてあるのを見てびっくりした。が、時代の変化で部数は次第に減り、その歴史を閉じることになった。

「ぴあ」といえば、まず及川正通氏の表紙の美しさと面白さ、そして情報(特に東京版)が偏執的にまで正確で詳細なことが、印象に残る。映画のほかにも、演劇、美術展やTV番組・学園祭、花見や花火大会などの情報まであった。新らしい鞄を買うときは「ぴあ」が入る大きさというのが第一条件になった。映画館の窓口に持参すると入場料が割引という時代があったが、分厚いので一冊入れると重すぎる、一計を案じ中身をはずして、表紙を見せたこともある。シニア割引のない時代の話だが。週刊になると、財布に負担がくるし、いささかもてあました。その頃、三鷹の井の頭1丁目だったが、偶然、郵便ポストの中に通販の週刊ぴあが入っているのを見てああ、この人は相当な映画好きなんだろうなあとあったこともない人が懐かしく思われた。

「ぴあ」が発行された39年間は、私の20代から60代までの映画人生と重なる。今となると、元気で若かった東京時代の象徴とも思える。これからはインターネット上の「ぴあ」を頼りにすることにしよう。この最終号は永久保存版だ。折に触れてこの美しい細密な絵と編集を楽しもうと思う。
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