映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
【映画】魔笛
2006年 英 2h19
監督 ケネス・ブラナー
出演 ルネ・パーペ リューボフ・ペトロヴァ ジョゼフ・カイザー
原題 The Magic Flute 鑑賞@OS劇場
次々と馴染みの曲がでてきます。長い年月の間に、いつのまにか耳に入り、憶えていた曲です。(ネタバレを含みます。)
モーツアルトは35歳で亡くなっていますが、このオペラはまさにその最晩年の1791年に作られています。憎しみ、争いを捨てて、愛と平和に生きようという観客へのメッセージが真直ぐに伝わります。当時の歴史をひもとくと、フランス革命の真っただ中、彼の祖国も戦さが打ち続き、これが背景にあるので、彼の主張が熱を持っていることも納得いきます。
戦場に一本の笛が高く差し上げられて、短いメロディが響くや、敵も見方も武器を置いて、蛸壺から出てきて、互いに抱き合います。ベートーヴェンの第九の合唱に通じる光景です。「笛の音で魔法は消え、朝が来る」という「笛吹き童子」もこの影響を受けていると思います。
鳥刺しパパゲーノは、人間の持つ平凡な欲望の愛らしさ、夜の女王は人間の憎悪と悪の面、ザラストラは聡明さや知恵を、3人の童子は希望を表現していると思えます。ケネス・ブラナーがこれほど主張の明確な作品を作るとは意外でした。「Good Night, Good Luck」を思い出しました。
もちろん、メッセージの崇高さとは別に、音楽それ自体の持つ喜びも存分に味わえます。何といってもモーツアルトですから。
監督 ケネス・ブラナー
出演 ルネ・パーペ リューボフ・ペトロヴァ ジョゼフ・カイザー
原題 The Magic Flute 鑑賞@OS劇場
次々と馴染みの曲がでてきます。長い年月の間に、いつのまにか耳に入り、憶えていた曲です。(ネタバレを含みます。)
モーツアルトは35歳で亡くなっていますが、このオペラはまさにその最晩年の1791年に作られています。憎しみ、争いを捨てて、愛と平和に生きようという観客へのメッセージが真直ぐに伝わります。当時の歴史をひもとくと、フランス革命の真っただ中、彼の祖国も戦さが打ち続き、これが背景にあるので、彼の主張が熱を持っていることも納得いきます。
戦場に一本の笛が高く差し上げられて、短いメロディが響くや、敵も見方も武器を置いて、蛸壺から出てきて、互いに抱き合います。ベートーヴェンの第九の合唱に通じる光景です。「笛の音で魔法は消え、朝が来る」という「笛吹き童子」もこの影響を受けていると思います。
鳥刺しパパゲーノは、人間の持つ平凡な欲望の愛らしさ、夜の女王は人間の憎悪と悪の面、ザラストラは聡明さや知恵を、3人の童子は希望を表現していると思えます。ケネス・ブラナーがこれほど主張の明確な作品を作るとは意外でした。「Good Night, Good Luck」を思い出しました。
もちろん、メッセージの崇高さとは別に、音楽それ自体の持つ喜びも存分に味わえます。何といってもモーツアルトですから。
コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )
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宮廷音楽家のサリエリが嫉妬したと言われるモーツァルトの才能は、独特のユーモアと喜びに満ちていたからこそ万人に愛されたのだなと、改めて気づかせてくれたように思います。
上手く映像化されていてとても楽しめましたね。
トラコメ有難うございました。
私だってたまには褒めますのよ!
とくにモーツアルトの曲は、安眠法の一つともなっていますしね。以前「安心」とか言う健康雑誌に、付録でついていましたよ。この映画は幸い、起きていましたが。ケネス・ブラナーがまた、好ましい俳優&監督で・・・。
1791年に作られたということは、考えてみたら216年も前の作品が、モーツアルトの時代には思いも寄らなかった、映画という媒体で再現されているのですからたいしたものですよね。まさしくマジック・フルートの力?いやモーツアルトの力でしょうねー
モーツアルトの交響曲も何度聞いてもあきが来ないですから。
TBが先行しましたが、そうです、見たんです。
何故でしょうね、少しも文句をつける気にならなかったのです。魔法のフルートのせいでしょうか。
愛は伝染する・・・モーツアルトからケネスへ、そして観客へと。そうですね、この先100年たって、また、全く別の媒体が生まれても、それは可能ではないでしょうか。(少し宗教がかったかしらネ)
コメント&TB有難うございます
どうもオペラは苦手
2時間19分の間は結構苦痛でしたね。
途中、案の定
ダメですね
TB&コメント有難うございます。
苦手と思いつつも、評判がいいと、つい、見に行く気が起きて、でも結局自分には合わないなあと思うことはありますよね。そういう時って、なぜ気に食わないかについて説明したくなるもの。私も、感動が深いとブログ上では寡黙になり、逆だとおしゃべりになってしまいます。ハハハ・・・でもmezzotintさん、結構、音楽映画を観ていらっしゃいますねぇ?
そうか、鑑賞中は全然意識していなかったけれど、モーツァルトの生きた時代はフランス革命とも重なるのですね。戦争を憎み平和を求める主張は、いつの時代にも多くの人にメッセージ性として感じられるものかも知れません。
モーツアルトって「アマデウス」での描写以外にも、フリーメーソンの熱心な信奉者だった一面もあるんですね。
シリアにいた頃、所用で訪れた農業省の役人が我家を去り際に「それは。。。あー、モーツアルト!」と、ラヂオ音楽を言い当てたことがあります。電気も水道も無い荒涼たる片田舎で、さほど物を知ってもいなさそうだったオッサンの口から出た彼の名前!今も忘れられません。