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映画「酔いがさめたら、うちに帰ろう」

2010 日本 118分 監督 東陽一 出演 浅野忠信 永作博美
原作 鴨志田穣 @島根県民会館

毎日新聞にマンガ「毎日かあさん」を連載中の西原理恵子の亡夫・鴨志田穣(~2007)の同名自伝を元に映画化。いやあ、怖い映画だった。アル中(いまはアルコール依存症というのだが)を初めは通院、とうとう入院して治すのだけれど、治療が終った時、余命は僅かになっていた。
アル中にとって日本という社会がいかに恐ろしい所かがまざまざと分る。一見優しげに見える所が怖い。コンビニにずらりと並ぶ酒類。「マアいいじゃないの、一杯」と退院したばかりの夫にすすめる妻(これはちと普通ではない)。奈良漬でもてき面にぶり返すのに。「なかなか死なないねぇ」とつぶやく妻のことばは気を許した相手だからか。知人にもアルコール依存症治療の経験者がいる。はたから見るとスムースに治したようだけど、家族でないとその困難は分らないかも知れない。

東陽一監督(1934~)は、70年代末から80年代初めにかけて、桃井かおり「もう頬杖はつかない」とか烏丸せつ子「四季・奈津子」とか森下愛子「サード」などを見ていらい、御無沙汰している。あの頃はそれなりに熱中して見たけれど・・・。

一つは虐待の連鎖、アダルトチルドレンの問題。夫婦とも、子供の頃、父親がアル中で暴力を振るった。そういう子が大きくなると、何とまた同じような相手を選んでしまう。そして、↑の可愛い子供たちも、いずれ大きくなって、似たような道をたどるのではないかと、思えば、ゾーっとする。そうならないためには、良く考えて、意識的に行動するほかないと思う。無意識に同じことを繰り返さずに。

西原理恵子のマンガは絵も内容も好きじゃないし、鴨志田穣の写真は見たこと無いし、浅野忠信と永作博美もさして好きではない。共感できたのは、2人の子供や高田聖子のお医者さんと入院患者たちで「パンドラの匣(はこ)」(2010-11-03)を思い出した。妻や母は犠牲者のように見えるが、加害者でもある。特にあの母親(香山美子)は夫だけでなく子供もアル中にしているから2倍罪が深い。
星2つ(5つが満点)
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