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新聞に載りそこねた話

某月某日

菅首相の「脱原発」発言が一面トップ記事になっていた日のこと。
県庁の休憩室でお茶を飲みながらその辺の新聞を読んでいたら、「3分ほどご意見を」と若い女性新聞記者が名刺を差出した。Y紙というのに少し引っ掛かったけれど、退屈していたから、ぺらぺらと思っていたことを全部喋った。最後に、個人情報を聞かれ、この新聞を姑がとっていることに気づき、年齢職業住所のみ答え、名前は控えた。翌日の紙上には「地元松江市内では、首相の『脱原発』表明に賛同する声が目立った」として55歳女性団体職員や71歳無職男性が名前・住所つきで喋っており、それは私の言ったことにも重なるが、「うそをついていた」と行政のごまかしを批判した私の意見は影も形もない。それもそのはず。この新聞の社主は原発の父と言われたS氏だ。はじめからそのコラムの姿勢は決まっていたようなもの。それを補強するために、もっともらしく、実名住所入りの市民の意見をはめ込んだだけであろう。徹底して文句を言わなければ、危うく、私も、手を貸す役をしていたところだった。まあ話を聞いているうちにこの女性は、少し精神状態が危ないと感じたのかも知れないが。

この件、どうも後味が良くない。ちょうど、むかしナンパされた時の気分に似ている。そもそも、どうして彼女は私に眼をつけたのか?あの時、偶然、産経新聞を前にしていたから、これなら大丈夫と踏んだのだろうか。産経新聞をなぜ読んでいたかというと似たような論調が多い各紙の中で、特徴がある同紙は眠気覚ましにいいから。赤旗も読むが、たまたま県庁には置いてなかった。(県立図書館にはある)新聞のせいでなければ、その日着ていたピンクのブラウスのせいか、まさかそうでもあるまい。後で分かったことだが、彼女と私は出身地が近かったから、雰囲気に親しみを覚えたのかも知れない。

何かする前には、十分用心し、前置きや言い訳などを散々してからはじめる。そういう心得があれば、こんな嫌な思いはしなくてすむだろう。まあ、また新聞に取材されることは当分ないと思うが。


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コメント
 
 
 
Unknown (桃すけ)
2011-07-31 17:19:50
5年ほど前、私も新聞に掲載されたことがあったんですよ。取材ではなくコラムに意見を寄せたところ、私の名前は掲載されていませんが、意見が載りました。
「均等法20年、わたし達の体と心」に30年勤務した61歳の女性の意見(私のことです)として、「働く女性が悩むのは、仕事面での男性との差別感。生活面では、女性にばかり負担がかかりすぎる。仕事もバリバリできて、家事もきっちりこなすなんて不可能。結婚しても、正社員のまま時短ができれば女性も働きやすいと思う。政治家、経営者、夫たち、男性の意識改革が必要です」という内容でした。当時、技術を持った女性社員が結婚と仕事の両立ができなくて退職することが多く、残念に思っていました。男たちは、仕事もできて、やさしくて、家事もバッチリこなす女性を望むようですが、そんなものいるもんですか。と思っていたのです。社長ともこのことでよく喧嘩したものです。
 
 
 
Unknown (Bianca)
2011-07-31 21:24:36
桃すけさん、名前は出なくても、文はちゃんと載ったんですね。たしか毎日新聞ですよね?私の場合は、喋りだすと暴走し、あまりにハチャメチャで、記者が取材はしたが、コラムにはめ込むわけにいかず、すっかり省かれたようなんです。やはり、職業が主婦ですし、その右よりの新聞の傾向に真っ向から反対の意見でしたし。私は外見と中身が違うようなので、ナンパの場合もそうですが、期待されて失望されることが多いのです。何とか、それを一致させたいものです。
 
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