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〔映画〕信子

1940年 松竹大船 95分(映画館で鑑賞) 
監督:清水宏 原作:獅子文六

九州出身の新米教師(高峰三枝子)が東京の女学校で
奮闘するの記。原作は「坊ちゃん」「三四郎」の女性版パロディ。
因習的、封建的な女学校とうたっている割には、全体が明るく
伸びやかで、大戦前夜に作られたとは思えないほどだ。
秋川渓谷へのハイキングシーンなどもあり、芸者の卵との
交流もある。松竹大船の自由な空気と、
獅子文六のエスプリと父性的視点、清水宏の才腕、
高峰三枝子の少女歌劇を思わす魅力、この四つが
もたらした成功か?白黒の画面が美しく、所所に
「制服の処女」や「格子なき牢獄」を思わすシーン
(と言っても、恋や愛は皆無。3年後に「海軍」の脚本
を書く獅子文六なので期待する方が無理)もあり、
私としては思わぬ掘り出し物だった。戦後、芦川いずみ
主演でTVドラマ化された。
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コメント
 
 
 
獅子文六と私 (Bianca)
2006-10-29 12:50:27
この作家が大好きです。「娘と私」「悦ちゃん」「父の乳」「てんやわんや」「自由学校」「大番」ほかかぞえきれないほどありますが、なかでも面白いのは「青春怪談」。戦後の性的観念の混乱ぶりを、クールにかつ愛をこめて描いています。2回映画化されていますが、私は北原三枝の主演した方が気に入ってます。
 
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