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【映画】マチュカ~僕らと革命~

2004 チリ、スペイン 120分 DVD 監督 アンドレ・ウッド 出演 マティアス・ケール アリエル・マテルーサ

1973年、チリでは選挙で成立したアジェンデ社会主義政権のもと、貧富の差の解消など改革が行われていた。富裕層の子供ゴンサロが通う私立学校にも、貧困層の子供たちが編入され、その一人、ペドロ・マチュカと仲良くなる。やがて米国CIAの梃入れによるクーデターで成立したピノチェト軍事政権のもと、この友情は引き裂かれる。

映画は美しくもないし、見ていて楽しくない。大部分はつらいが、チリで何が起きたかの知識を得ることは出来る。ゴンサロの家族とくに母親の退廃的な生活態度とか、ペドロの貧しさとか、日本では想像もつかない格差社会だ。金髪のゴンサロと浅黒いペドロ、人種の違いも加わる。

チリの革命とクーデターに関しては、今思えば結構あれこれ見ているが、それが自分の中で一つの像を結んでいなかった。
映画「ミッシング」=83米「サンチアゴに雨が降る」=75仏「イル・ポスティーノ」=95伊「死と処女」=95米「ぜんぶ、フィデルのせい」=06仏「愛と精霊の家」=93独、本では「戒厳令下チリ潜入記」「戒厳令の夜」(五木寛之)そして処刑されたシンガーソングライター、ビクトル・ハラの名前も思い出す。
個人的には、そのころ学校時代の女友達から「チリのクーデターはショックでした」という手紙を貰いその事を知らなかった私には、彼女の言葉こそショックだった。爾来、地球上の全人類に関心を持つ人として畏敬の念を覚えるようになった。そういえば、後に2人で「ミッシング」を見たことがあるが、あれも彼女の発案だったろう。

ちなみに、チリ人の56%はO型だそうだ。血液型が万能と言うわけではないが自分と同じO型に敏感な私、チリの革命から反革命への急転直下もそうだし、この映画自体キッパリとして情緒と陰影に乏しいのはO型だからじゃないかという気がしている。もっと素敵に撮れるのに、惜しいなあと感じるシーンもあった。私に出来るかというと、全然だめだけど。

信念の人、校長の神父にこの映画は捧げられている。かれはクーデターの時、犠牲になったらしい。ルイ・マルの「さよなら、子供たち」を思い出させる父親のような存在だ。何を見てもどこを見ても安らぎの無い映画の中で、この人にだけは感情移入ができる。

その後のチリの民主革命
  →「NO(ノー) 15-7-23
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