映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
〔映画〕岸壁の母
1976年 東宝映画 1h23(10月25日高槻松竹で見る)
監督:大森健次郎 原作:端野いせ
出演:中村玉緒 江藤潤 林寛子 二葉百合子
この映画が作られたのは、当時二葉百合子の歌が大ヒットしたためだ。そのころ、「母」と聞くと反射的に「母は来ました~」と歌い出す、男の子がいたのを思い出す。この歌は、ある世代のある人々には冗談の種でしかなかったのだ。
あまり期待せず見たのが良かったのか、いい映画だった。
これは端野いせさんの原作 「未帰還兵の母」(1974年 新人物往来社) に基づいている。
母1人子1人で育て上げた息子への、深い愛着があの姿になったのである。
家族制度に刃むかって幼な子と共に家を出た若い日の彼女は、老いてから、子を奪った国家(を代弁する厚生省)に怒りの矛先を向ける。
丁寧に作ってあって、時代考証がしっかりしている。ここでこんなセリフはとか、この時代にこんなものはとかいう、神経に引っかかる所が殆んど無い。
監督の経歴をしらべて見て、納得が行った。
黒澤明の助監督として「天国と地獄」「どですかでん」「赤ひげ」を、
監督になってからは「二十歳の原点」!を撮っている。
それにしても浪曲は、若い者たちはバカにしがちだが、日本人の中にふかく根付いている感覚を表現している、すご~いモノだと思い知った。
監督:大森健次郎 原作:端野いせ
出演:中村玉緒 江藤潤 林寛子 二葉百合子
この映画が作られたのは、当時二葉百合子の歌が大ヒットしたためだ。そのころ、「母」と聞くと反射的に「母は来ました~」と歌い出す、男の子がいたのを思い出す。この歌は、ある世代のある人々には冗談の種でしかなかったのだ。
あまり期待せず見たのが良かったのか、いい映画だった。
これは端野いせさんの原作 「未帰還兵の母」(1974年 新人物往来社) に基づいている。
母1人子1人で育て上げた息子への、深い愛着があの姿になったのである。
家族制度に刃むかって幼な子と共に家を出た若い日の彼女は、老いてから、子を奪った国家(を代弁する厚生省)に怒りの矛先を向ける。
丁寧に作ってあって、時代考証がしっかりしている。ここでこんなセリフはとか、この時代にこんなものはとかいう、神経に引っかかる所が殆んど無い。
監督の経歴をしらべて見て、納得が行った。
黒澤明の助監督として「天国と地獄」「どですかでん」「赤ひげ」を、
監督になってからは「二十歳の原点」!を撮っている。
それにしても浪曲は、若い者たちはバカにしがちだが、日本人の中にふかく根付いている感覚を表現している、すご~いモノだと思い知った。
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
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実は、息子は、赤紙で引っ張られたのではなく、進んで満州に渡り、軍隊には志願したのだとか、戦後は中国で家庭を持ったとか・・・
一筋に息子を求める母親と、その強力な磁力から離れて行きたい息子と。悲劇は、国の強い権力からだけでなく、母親の権力?からも生じていたのでした。そして今も・・・・・