映画の感想など・・・基本的にネタばれです。
しづのをだまき
映画「本日休診」


1952 松竹大船 96分 10月27日10:00より さんびるシアターにて
原作 井伏鱒二「本日休診」「遥拝隊長」
監督 渋谷実 出演 柳永二郎 鶴田浩二 佐田啓二 淡島千景 岸恵子 三國連太郎
戦争の傷跡が残る日本、貧しく犯罪が多発する中でも、清く時には小ずるく、真面目に時には自暴自棄になりつつ、愛と幸福を求めて生きている人々を、東京郊外に小病院を構える初老の医者の、結局は休みにならなかったある休診日を背景に描く。
人によっては群像・風俗喜劇と受取るかもしれないが、主人公の医者に父親の姿を重ねてみたせいだろうか、私には特に感情移入のできた映画であった。
最後の雁が飛んでゆくシーンは美しいし、戦争で気がふれた元陸軍中尉・三國廉太郎に接する人々の包容力と温かさ。後味がとても良い。あの時代は、日本にもまだまだ希望があった。少なくともこういう映画が作れたということは、人々がそう感じていたということだろう。
今年の映画祭では4本の日本の喜劇を上映したが、中ではこれがピカ一。
→「ふんどし医者」 12-05-28
→「歩いても、歩いても」08-12-14
→「終り良ければすべてよし」07-09-25
→「座る」14-10-15
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