乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『カンフーハッスル』  チャウ・シンチー監督

2008年04月27日 | 映画

 

(写真は上海の魯迅公園の中で、一人でダンスに熱中する男性。上機嫌でノリノリの男性に、拍手。)

 

    『カンフー・ハッスル』

 

 満足度 ★★★★★ ★★★☆☆

 映像センス ★★★★★ ★★★☆☆

 馬鹿さ加減 ★★★★★ ★★★★☆

 

 監督 チャウ・シンチー(『少林サッカー』)

 

 

 あまりのお馬鹿さ加減に、始終大笑い。

 腹筋を使うくらいに笑い転げていた私って、なんなんだろう・・・。

 コメディの中にも本格的でこなれたカンフーアクションの技法が盛りたくさんに組み込まれ、茶番劇に終わらずといった所が良い。

 こういった古き良き時代のカンフー映画を織り交ぜたこの映画を、私はのめり込んでみてしまった。

 楽しめる、洒落ているという点で ★八つ。

 

 場面は どこ彼処で見かけたようなパロディ的な要素も含む。

 例として、まず初めは西部劇。

 画面は主人公などをクローズアップ。

 カメラは後方に退き、煙の中で効果音のみ・・・砂煙がひき、悪人はやられている。

 その後もいろいろ古い映画を画面、音楽ともに引っ張り出し、品よく付けあわせたパッチワーク手法は見事。

 

 時代は文革直前の中国な訳で、そういった生活や文化、暮らしの設定。その映画の中で、現代美術的表現を試みた作品。

 中国映画の重厚さあり、シュール的なすっきり感覚ありで、画面はめまぐるしく動き 見ている側を飽きさせない。

 

 驚いたのは音楽や声の使い方。

 琴の音や女声の騒音をも武器にしてしまう。

 そういうと映画中の女性は、いつぞや日本で話題を呼んだ騒音の主にも似ている感じもするから、楽しい。もっとも付け加えるなら 直接の関係のない周囲の人間にとっては、つらいものがあるので、何とも言えないが・・・。この二人を比較しつつ考えるならば、角度を変え手考えるならば、人間に悪人はいないと思えてくる。

 

 基本仏教国らしく、死の釣り鐘を用い、拡声器に利用。女性は大音量パワーで相手に挑む所などは見事であった。

 その後の画面映像は 画家であるダリの作品の数々を思い浮かべる。

 ダリがこのような絵を描いていてもおかしくはないといったイメージの世界を作り上げていると部分において、私は非常に感心した。

 

 監督は『少林サッカー』のチャウ・シンチー。

 以前劇場で『少林サッカー』を観た事があるが、断然『カンフーハッスル』の方が洒落ていると感じる。

 超お馬鹿な 本格カンフーコメディー映画でありながら、シュール的方向の芸術的センスを織り交ぜた映画は、他に類を見ない。(或いは、私が知らないだけかも知れないが・・・。)

 まぁ、そんなこんなで、家に居ながらにして、楽しく時を過ごさせていただきました。

 

 

 


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7 コメント

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音や声の武器? (やまとなでしこあん)
2008-04-27 01:55:41
発想が面白いですね。外国のものは発想が意外なところにあったりして面白いですよね。その奥の文化の歴史を背景としていて奥深く感じられるのです。文化って、多くの人の生活の積み重ねですもんね。

さて、乱鳥さん。おいしいもの食べたり、面白い映画を観られたり、うらやましいです。私は今夜はヨンさまのドラマを観ましたよ。今日のお話では高句麗の城下町の様子がたくさん見れて面白かったです。ヨンさまはまだ王子様の役ですよ。
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Unknown (やまとなでしこあん様)
2008-04-27 17:16:11
確かに・・・中国の評弾や京劇の音楽、韓国のパンソリなどを考えても、映画のテーマになっれいる場合も多いですね。こういった作品が作られた背景を考えると、文化の歴史の重みを感じますね。今回の映画は超お馬鹿な内容でしたが、作りは丁寧でしたよ。テレビでこのようなものが楽しめるのは幸せです。

ヨンジュンさんって本当に美男子ですね。イ・ビョンホンさんも綺麗ですね。
ヨンジュンさんって中国系の韓国人って、本当ですか?中国系の方で驚くばかりの美しい方って、多いですね。ヨンジュンさんは、反日感情を話されてない俳優さんの一人だと、知人に聞いたことがあります。
でも残念なことに、まだ一つもドラマや映画を見てないのです。韓流の波に乗りそびれた、どんくさ~~い乱鳥。人生の楽しみの一つを逃したような気がいたします。

私は歌舞伎チャンネルとシアターテレビジョンをよく見ています。つい最近も見たいオペラ(大阪・パリ・日本初)のチケ販売があったのですが、お値段で断念。行けませんよ!高すぎますよ、主婦の私には・・・・・・。というわけで、もっぱらテレビに頼っています。来月が寺山修司特集(演劇・8作品)があるので、楽しみにしているんですよ。花組芝居も見逃さない予定です。
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テレビはありがたいですね。 (やまとなでしこあん)
2008-04-28 10:09:30
やはり、生はいいのですが、時間や費用が・・・・。

で、テレビやDVDなどは本当にありがたいですよね。

この間のヨンさまは笛を吹かれるシーンがありましたよ。昨日の「ファン・ジニ」は朝鮮の様々な楽器が登場し、音色が楽しめました。風景やファッションもとてもステキです。お時間がおありのときに、「ファン・ジニ」のDVDなどをまとめて観られるのもいいのでは?舞いもあるのですよ。でも、あれもこれもでは本当に家事の時間もなくなりますよね。そこが問題。
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ファン・ジニ (やまとなでしこあん)
2008-04-28 13:51:12
予告の映像がありました。きれいでしょ。

http://www.youtube.com/watch?v=AqPIx6Vy4Zw
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Unknown (みき)
2008-04-28 15:48:05
この映画 聞いたことは あるのですが
見たことは ありません。
面白そうですね。
私 中国映画は キョンシーや 
少林寺などは 好きで 沢山見ましたよ。
シリアスなのも いいですが たまには
笑い転げる 楽しい映画も いいですね。 
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ありがとうございます。 (やまとなでしこあん様)
2008-04-29 00:29:08
とても楽しく拝見させていただきました。面白そうですね。調べてみたら、テーマの文庫本も出ているようですね。日本語の歌まで覚えていた人もいるということは、外交(?)もあったのでしょうか?どこの国でも、似たような事があったのですね。韓国の伝芸に加えて歴史的背景なども考えると、余計に興味がわきますね。

テレビやDVDもいいですね。
花組芝居の『歌舞伎座の怪人』は『安達ヶ原』『道成寺』『舟弁慶』『籠釣瓶』他歌舞伎のパロディが盛り込まれており笑い転げて見ました。
今月見た中ではバレエの『眠れる森の美女』が私にとっては最高。『眠れる森の美女』を観ながら、裏側から見た『シンデレラ』を思いついちゃいました。私は何という変な見方をしてるのだろう・・・??。
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ありがとうございます。 (みき様)
2008-04-29 00:38:23
みきさんも キョンシーや少林寺など見ておられるのですか。面白いですよね。大好きですよ!笑って笑って、ちょっとほろりとか、いいですよね。
笑い転げる 楽しい映画や作品も、こよなく愛していますよ(ちょっと、たいそうか・・・。)他の方にも申していたのですが、先日はお芝居(テレビ)を見て大笑い。ナイロン100℃なんかも、爆笑ものでした。私って、映画や芝居に、笑いか涙か感動を求めているのかな?。
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