『李白 武部利男注』(新修 中国詩人選集)より「關山月」李白を写す。
(一部、自分の変更あり)
關山月
明月出天山
蒼茫雲海間
長風幾萬里
吹度玉門關
漢下白登道
胡窺青海灣
由來征戰地
不見有人還
戍客望邊色
思歸多苦顏
高樓當此夜
歎息未應閑
關山月 關山の月
明月出天山 明月 天山より出づ
蒼茫雲海間 蒼茫(そうぼう)たる 雲海の間
長風幾萬里 長風 幾萬里(いくばんり)
吹度玉門關 吹き度(わた)る 玉門關(ぎょくもん感)
漢下白登道 漢は下だる 白登(はくとう)の道
胡窺青海灣 胡(えびす)は窺(うかご)う 青海の灣(わん)
由來征戰地 由來 征戰(せいせん)の地
不見有人還 有人の還り有るを 見ず
戍客望邊色 戍客(じゅきゃく) 邊色(へんしょく)を望み
思歸多苦顏 歸るを思うて 苦顏多し
高樓當此夜 高樓(こうろう) 此の夜に當り
歎息未應閑 歎息(たんそく)すること 未だ閑ならざるべし
韻: 山、間、關、灣、還、顏、閑
胡(こ)
古代中国の北方・西方民族に対する蔑称。
「胡瓜」、「胡弓」、「胡姫」のように、これらの異民族由来のものである事を示す用法がある。
もともとの意味は、「あごひげ」が長い人である。
邊色(へんしょく)
境、境辺、辺境
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故郷の高桜の上では、妻が、今夜息を絶えてまもないことであろう…
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