山東京傳作 ゑとむまれ『艶氣樺焼 下』二ウ 三オ(浮気の蒲焼 下)稀書複製会 20
二ウ
うきなハ
たとへ嘘
しんぢう二
でも
くわいぶん
わるいと
とんだふしやうちなりしが
此あんじをしゆびよくつとめたあと
でハすいたおとこと沿わせてやろうと
ゆらのすけがいふやうなせりふにて
よふ/\とくしんさせ此あききやうげんにハ
ゑん二郎がむ利足(ママ)にて金もとをするやくそくにて
ざもとをたのミさくら田にいゝつけて此ことを
じやうるりにつくらせたちかたハ門の介と
ろかうにてぶたいでさせるつもりはたき
そうなしばゐなり、もとよリすなをに
身うけしてハいろおとこでないと
かけ
おち
の
ぶん
にて
れん
じ
を
ていし
て
三オ
はし
ごを
かけ
二かい
から
身うけ
する
内しやう
でハ
どふで
身うけ
なされた
女郎ゆへ
おこゝろ
まかせて
なさるが
いゝが
れんじの
つくろ
い代ハ
二百両で
まけて
あけませふ
とよくしんをぞ申ける
わかいもの共ハ
御しうぎを
ちやくぶくして
にげたあとで
ハう/″\
いゝふらせ
とのとの
いゝつけ也
二ウ
二かいからめぐす
りと
ハ
きいたが
身うけ
とハこれが
はじめてじや
三オ
おあぶ
なふご
さり
ます
御しづかに
おにげ
なさいませ
おいらん
ごきげん
よふ
おかけおち
なさ
れまし
門の介 =市川門之助
(初代) 1691-1729 江戸時代中期の歌舞伎役者。 (日本人名大辞典)
元禄(げんろく)4年生まれ。
2代市川団十郎の門人。
市川長之助,市川弁次郎をへて門之助を名のる。
江戸森田座,中村座に出演,若衆方として名を知られた。
享保(きょうほう)14年1月25日死去。39歳。俳名は新車。)
(二代目)1743-1794 江戸時代中期-後期の歌舞伎役者。 (日本人名大辞典)
寛保(かんぽう)3年生まれ。都八重太夫の子。
大坂で修業。
宝暦12年江戸で初代門之助家の養子となり,4代市川団十郎に入門。
明和7年2代門之助を襲名。
若衆方から立役(たちやく)に転じ,安永のころ若手四天王のひとりといわれた。
寛政6年10月19日死去。52歳。江戸出身。
初名は滝中鶴蔵。前名は市川弁蔵。俳名は新車。屋号は滝野屋。
ろかう =路考(ろこう)
歌舞伎俳優瀬川菊之丞の代々の俳名。
瀬川菊之丞=歌舞伎俳優。屋号、浜村屋。俳名、路考。 (大辞泉引用)
(初世)[1693~1749]初め京坂、のち江戸でも活躍した女方の名人。初世芳沢あやめとともに女方芸の基礎を築いた。浜村屋路考。
(2世)[1741~1773]初世の養子。宝暦・明和(1751~1772)ごろ、江戸で若女方として人気を博した。王子路考。
(3世)[1751~1810]2世の養子。天明・寛政(1781~1801)ごろ、江戸で活躍した名女方。仙女路考。
(5世)[1802~1832]3世の孫。文化・文政(1804~1830)ごろ、江戸で女方として活躍。多門路考。
(6世)[1907~1976]瀬川久次郎の養子となり瀬川家を再興。前進座に属し、女方・二枚目から実悪・老け役まで広い芸域をこなした。
瀬川菊之丞=歌舞伎俳優。屋号は浜村屋。俳名は路考。 (世界大百科事典 )
(1)初世(1693?‐1749∥元禄6?‐寛延2) 幼名浜村屋吉次,前名瀬川吉次。1712年(正徳2)瀬川菊之丞を名のり初舞台。
28年(享保13)2月京の市山座《けいせい満蔵鑑(まくらかがみ)》の《無間(むけん)の鐘》で大当りをとり,30年初めて江戸へ下った。
44年(延享1)に極上上吉に位付され三都随一の女方と立てられた。
当り役は《石橋(しやつきよう)》《道成寺》《女鳴神》など。)
れんじ =櫺子(れんじ) (『黄表紙 洒落本』日本古典文学大系 頭注引用)
二階にある細い木の格子
御しうぎをちやくぶくして =ご祝儀を着服して
ハう/″\ =方々(ほうぼう)
(読み間違いはお許しください。)
山東京傳作 ゑとむまれ『艶氣樺焼 上』(浮気の蒲焼 上)稀書複製会 1
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山東京傳作 ゑとむまれ『艶氣樺焼 上』二ウ(浮気の蒲焼 上)稀書複製会 5
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山東京傳作 ゑとむまれ『艶氣樺焼 上』三ウ(+4オ)(浮気の蒲焼 上)稀書複製会 7
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