乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

27:『大江山千丈ケ獄 酒呑童子由来』村上政市監修/鬼ヶ茶屋 版木/福井朝日堂 挿絵

2013年05月09日 | 絵巻物、縁起絵巻、巻物、絵解き掛け軸


 

 


 27:『大江山千丈ケ獄 酒呑童子由来』


 村上政市監修/鬼ヶ茶屋 版木/福井朝日堂 挿絵(アットワークス)
 村上政市(日本の鬼の交流博物館名誉館長)
 2011年10月
 1400円+税


『大江山千丈ケ獄 酒呑童子由来』を読む。
 しばらくこういった文字から離れていた。
 しかし、先日春日大社の宝物館で『春日縁起絵巻』の一部分を楽しみ、気持ちが高まる。
 酒呑童子は以前にも読んだが今回は 鬼ヶ茶屋 版木、福井朝日堂 挿絵
 ことのほか男前が描かれ、女性のわたくしとしては嬉しいかぎり…と、ミーハーな気分に浸る。

『大江山千丈ケ獄 酒呑童子由来』は大江山名所などの写真も掲載され、イメージをつかむ上で非常に有難い。
 日本の鬼の交流博物館に行ってみたい。

 時間の関係で今回は題名など簡単な記録にて失礼いたします。
 この本はお勧めです。

    


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26:『越後ごぜうた文藝談義』2003年 新潟大学大学院現代社会文化研究科

2013年05月09日 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登


 26:『越後ごぜうた文藝談義』

 鈴木孝庸
 新潟大学大学院現代社会文化研究科ブックレット新潟大学編集委員会
 新潟日報事業社
 2003年12月
 70p 1000円+税



 以前にも読んだ『越後ごぜうた文藝談義』を時間をかけて読む。
 ここ十日で読んだ本は三冊
 未だ、ながーーーい読書スランプが抜けぬ(笑)

 なじみの演目や読んだものが多く載っていて興味深かった。
 時間の都合、詳細は省略。


[目次]
第1章 「ごぜ」とは、「ごぜうた」とは(盲目女性のプロ芸人
「瞽」という字 ほか)
第2章 ごぜうた『葛の葉子別れ』(話の背景・話型
『葛の葉子別れ』の内容 ほか)
第3章 盲目の女性と芸能(ごぜの起源伝承
盲目女性芸能人の記録 ほか)
第4章 物語の口演技法(物語構成の最小単位
決まり文句 ほか)
第5章 日本文芸の伝統とごぜうた(段物の口演技法の特徴
段物に道行なし ほか)

 


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『あぜ道のダンディ』 追記   石井裕也監督・脚本

2013年05月09日 | 民俗考・伝承・講演


 石井裕也監督・脚本の映画『あぜ道のダンディ』は現代のお話なのに、日本の民話に基づいた基本的構成で、民俗学に本の僅かばかり興味のあるわたくしは、場面ごとに興味を覚えた。
 帽子については前回「再生」に関わりあるのではないかと書いた。
 この話は他にも「死と再生」に関係した表現が多くみられる。
 そのいくつかをメモ書きしておきたい。

 夢の中で
     家族全員、家に向って「うさぎのダンス」を歌い踊る。
     家を神倉(上座)を見立てた儀式と承った。

 自転車 再生
     この映画の随所随所に自転車を乗る場面があるが…
     テレビで競馬中継を見ていて「お金は賭けないのかい?」「ああ賭けない」
     ゴルフの素振りの場面で 「ゴルフはやらないのかい?」「僕はお金がないから」
     そしてラスト、あぜ道を晴れ晴れしく自転車に乗る。
     まさに自転車は競馬(けうま)であるのではないかと思わせる。


 こどもを東京に見送る  再生
     まずは、猫で、アクシデントを起こす
     日本でいう伊勢参り
     イスラムでいうメッカのような意味合いを感じる。


 娘のマンション セキュリティ万全
 息子の下宿   安アパート
         それぞれに親を思いやる
         報われる   再生

 息子の下宿の近くで風呂に入る
         湯は死と再生に深く関わりがあると諸学者が記されている。
         また 「是害房絵詞ぜがいぼうえことば」(「天狗草紙)」では傷ついた天狗が煮えたぎった湯釡には入り再生する。

   111:『続日本絵巻大成19 土蜘蛛草紙・天狗草紙・大江山絵詞 』影印「土蜘蛛草紙」現在東京博物館蔵』
   113:『続日本絵巻大成19 土蜘蛛草紙・天狗草紙・大江山絵詞 』影印「大江山絵詞」「解説」(4枚)』
   135:『重要文化財 9 絵画3 大和絵 絵巻 他』文化庁監修 昭和49年 朝日新聞社 貫之
   182: 『日本の異界をのぞく 妖怪絵巻』別冊太陽 2010年 小松和彦監修 平凡社(資料5枚)


 『あぜ道のダンディ』の組み立ては、昔からの日本にあるパターンを組み合わせた安心できる筋書きでもあり、また、説経節に類似しているように感じる。
   14; 『説経節』「信徳丸」東洋文庫(『弱法師』『摂州合邦辻』『文楽瑠璃集 』の「摂州合邦辻」比較)
   21; 『説経節』から 「付 信太妻」 東洋文庫 平凡社
   17: 『古浄瑠璃 説経集』から「さんせい太夫」 岩波 新版古典大系
   18:『さんせい太夫考』から「説経序説」「さんせい太夫の構造」岩崎武夫著 平凡社選書
   19: 東洋文庫『説経節』から「山椒太夫」「注」「解説:山椒太夫」昭和44年3月
   『説経節』厨子王丸& 『幸若舞』信太(平将門孫)& 『説経節』小栗判官 = 重瞳、双瞳

 
『あぜ道のダンディ』をもう一度見いと思い衛星劇場の冊子を手にとったが、今月は一回きりで再放送は無かった。残念!



 最後に
 たいそう思い込みの激しい記録になっておりますので、鵜呑みになさらないようにお願い申し上げます。
 再度映画を見た場合、わたくし自身の感想が変化する場合もございますので、その折はお許し下さいませ。

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映画『あぜ道のダンディ』光石研 田口トモロヲ  2011年

2013年05月09日 | 映画
(写真は「不動利益縁起」)


 『あぜ道のダンディ』

監督・脚本:石井裕也
出演:光石研 田口トモロヲ 森岡龍 吉永淳 山本ひかる 染谷将太 綾野剛 岩松了 西田尚美
2011年 
111分
カラー
見栄を張って何が悪い!石井裕也が描く、男のダンディズムの世界! 北関東、地方都市。宮田淳一と友人真田、ともに13歳。自転車であぜ道を走り、時にイジメられ、「カッコいい男になりたい」と涙をこぼす・・・イケテない中学生時代。そして、ふたりは50歳になった。配送業を営む宮田は、妻に先立たれ、ふたりの子どもと暮らす。何とかコミュニケ-ションを取ろうとするが、いつもうまくいかない。仕事を終えると、居酒屋で真田と酒を酌み交わしすのが、楽しみのひとつだ。宮田の息子と娘がそれぞれ東京の大学に合格する。ふたりの子どもたちが東京へ旅立つ日が近づいて・・・。宮田は子どもたちと最期の思い出を作れるのだろうか・・・


河田貞 編 至文堂 1974年

 この映画も夫とふたりで見る。
『あぜ道のダンディ』は淡々とした日常を現し最後は涙…みたいな。
 光石研さんと田口トモロヲさんが重厚で、良質の現代劇夘ぃ見たような後味の良さ。

 この映画ではダンディな帽子に注目したい。
 かぶり物(蓑や傘や花笠)には神が宿るという。
 この映画では父親の勝負帽子として親友から譲り受けることになり、帽子は再生(即ち 父親としてのダンディズム)する運び。監督はそれを踏まえてこの作品をつくっておられると感じる。

 静かな時の流れの中で、誰ひとりとして悪人のいない映画の中で、一個の人間同士の葛藤が絡み合っている。
 そして互いの歩みよりを見せる時、人は人として成長するのかもしれない。

 親友二人の中学生の頃の姿と現在の二人をオーバーラップさせながら丁寧に映画作品として織り込んで行く監督 石井裕也さんに拍手。

 生きるって、まんざら捨てたもんじゃない!
 劇中夢中の小ミュージカル「そそらそたそら うさぎのダンス」の家族愛が今も心に呼びかける。

 たいへん面白うございました。
 
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『伊勢音頭恋寝刃~油屋・奥庭』2001年 歌舞伎座 團十郎 時蔵 三津五郎 菊之助 田之助 菊五郎

2013年05月09日 | TVで 歌舞伎・能楽


『伊勢音頭恋寝刃~油屋・奥庭』

出演:市川團十郎 中村時蔵 坂東三津五郎 尾上菊之助 澤村田之助 尾上菊五郎
2001年
86分
カラー
伊勢古市の遊郭にある油屋で実際に起きた事件を題材にした作品。※2月3日に亡くなった市川團十郎を悼み出演作品をお届けする。 團十郎の貢に、菊五郎の万野、時蔵のお紺、田之助のお鹿、三津五郎の喜助、菊之助のお岸で。 伊勢の御師(神官)福岡貢が、かつての主筋にあたる今田万次郎のために名刀青江下坂を捜すうち、なじみの遊女お紺をめぐる争いから多くの人を殺傷してしまう…。殺しの場面では、妖刀・青江下坂があまりにも切れるので、思わず殺人を重ねてゆく貢の白絣が、帰り血をあびて朱に染まっていくシーンは、凄惨美を充分に味わうことができ、この芝居の最大の見せ場となっています。(2001年/平成13年5月・歌舞伎座) 【歌舞伎トリビア】世話物とは? 町人の暮らしや、事件を写実的に描く作品のことで、現代劇のようにリアルに見せる。



 今日は家族のお仕事がお休みだったので、『伊勢音頭恋寝刃~油屋・奥庭』を見る。
 今回のこの舞台で見た限りは、
 中村時蔵さん 坂東三津五郎さん 澤村田之助さん、團三さん、亀鶴さんグッドグッド グッド
 中村時蔵さん 坂東三津五郎さん 澤村田之助さんは流石の実力で魅せて下さいます。

 『身替御前』や『夏祭り浪花鏡』の父殺しの場のパロディー的筋書き有り
 劇中、女衆による『伊勢音頭』あり。
 文中の言葉におかしみ有り「しもさかづくし」
 女中「まんの」は
「そんなに呼びやしたら、まんの、くちゃくちゃになります~」…は額面通り受け止めるべからず(品なき文面御免候へ)m__m
 刀名は「あおいしもさか」
「あおいしもさか」は「葵下坂」では無く、「青江下坂」であることを付け加えておく。

 今回の小のお舞台は油屋・奥庭のみ
 今までに劇場で仁左衛門丈や愛之助さんやその他の役者さんで見た『伊勢音頭恋寝刃』が「大詰」が内のはちと…もにょもにょ
 愛之助さんなどの大詰めは最高に迫力があって、いまも鮮明に覚えている。
 もちろん仁左衛門丈はすんばらしいし…
 テレビで見た橋之助さんの大詰めも度迫力で良かった☆

 
 
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