おとんさまの実家には、ヌシがいる。
もともとは、その近所の家の飼い猫であったのだが、その家の人が亡くなった。
結果、餌をもらえる人がいなくなり、必死で新しい家にあがりこみ。
うりうりといついてしまったという、じつに賢いやつである。
最初は苦り切っていた叔父叔母も、いまではヌシがいなくば朝もこないというありさま。
大猫のヌシは人たらしの天才でもあるようだ。
そのヌシがいついた直後のお盆のことである。
おとんさまの実家にも、家族全員でお盆にはおじゃまし、仏壇に手を合わせるのが我が家の不文律である。
基本無信心のワタクシメも、ご先祖さまには素直に頭が下がる。
のだが。
てす。…てす。てす。
かすかな気配に目を開けると、ヌシがいた。
ワタクシメの前に座っていたおかんさまの隣まで行くと、きっちりと前肢を揃えて座り。
おかんさまの顔を見上げて。
「ぬぅぁ~」(低い声)
それまで気づいていなかったおかんさま。
「のわっHYぁ☆っっお!」(超甲高い声)
横斜めに逆くの字になったおかんさまが。
驚きの余り空中浮揚しかけたさまはなかなかに忘れがたいもんがあった。
思うに、ヌシはワタクシメ一家を観察し。
おかんさまが一家の主であると看破したんではなかろーか。
そこで、敬意を表するため、挨拶に出向いた、というのが真相のようだ。
惜しむらくは。
ヌシは、二度とおかんさまに挨拶することがなくなったということである。
おかんさまの、あまりに派手な驚きっぷりに。
ヌシは、「思ったよりも小物」と、評価を下方修正したんではなかろーか。
いついた経緯が経緯だけに、ヌシはいくつかわからない。
十才を軽く越えているだろうという推測しかつかないが、これからも長生きして、叔父さん叔母さんを楽しませてやってほしいと願う。
もともとは、その近所の家の飼い猫であったのだが、その家の人が亡くなった。
結果、餌をもらえる人がいなくなり、必死で新しい家にあがりこみ。
うりうりといついてしまったという、じつに賢いやつである。
最初は苦り切っていた叔父叔母も、いまではヌシがいなくば朝もこないというありさま。
大猫のヌシは人たらしの天才でもあるようだ。
そのヌシがいついた直後のお盆のことである。
おとんさまの実家にも、家族全員でお盆にはおじゃまし、仏壇に手を合わせるのが我が家の不文律である。
基本無信心のワタクシメも、ご先祖さまには素直に頭が下がる。
のだが。
てす。…てす。てす。
かすかな気配に目を開けると、ヌシがいた。
ワタクシメの前に座っていたおかんさまの隣まで行くと、きっちりと前肢を揃えて座り。
おかんさまの顔を見上げて。
「ぬぅぁ~」(低い声)
それまで気づいていなかったおかんさま。
「のわっHYぁ☆っっお!」(超甲高い声)
横斜めに逆くの字になったおかんさまが。
驚きの余り空中浮揚しかけたさまはなかなかに忘れがたいもんがあった。
思うに、ヌシはワタクシメ一家を観察し。
おかんさまが一家の主であると看破したんではなかろーか。
そこで、敬意を表するため、挨拶に出向いた、というのが真相のようだ。
惜しむらくは。
ヌシは、二度とおかんさまに挨拶することがなくなったということである。
おかんさまの、あまりに派手な驚きっぷりに。
ヌシは、「思ったよりも小物」と、評価を下方修正したんではなかろーか。
いついた経緯が経緯だけに、ヌシはいくつかわからない。
十才を軽く越えているだろうという推測しかつかないが、これからも長生きして、叔父さん叔母さんを楽しませてやってほしいと願う。
初めてのコメントありがとうございます。
正座のまんま空中浮揚ってぇのはなかなかに珍しいかと思われます(笑)
拙サイトでは毎日更新を心がけております。
またのおいでをお待ちしております。