ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

宴会。

2009-01-10 | Weblog
おかんさまとおとんさま、そしてBooじーちゃ。が、リビングでTVを見ていたところ。
突然リモコンを取り上げ、ぶつっとスイッチを切ってしまったBooじーちゃ。

おかんさま「なにすんの。みんな見てるのに」
Booじーちゃ。「酒の進みが悪いせいだそぃ」

…はぁ?

Booじーちゃ。「みんななかなか酒が進まんから、スイッチ切ったんだがね」(きっぱり)

昼間である。
酒どころか、お茶道具すら炬燵の上にはない。
目の前に湯飲みがある限り、際限なくお茶を、お茶がなくなれば白湯を喉に流し込み続けるBooじーちゃ。
その目の前に湯飲みすら置きっぱなしにはできるわけがない。

おかんさま「なんで酒飲んでたなんて言うんだがね?なぁーにもないよ?」
Booじーちゃ。「もういい!自分でおちょこ持ってくるあだね」

リビングを出て行くBooじーちゃ。
やがて戻ってきたその手にあったのは。

洗面所のカップ。

おかんさま「……で。お酒はどこに?」
Booじーちゃ。「とってくるわね!」
おかんさま「うちは誰も飲まないから、ええわね」


その場はそれでおさまったのだが。
問題は夕飯時に勃発した。


Booじーちゃ。「夕飯いらん。いーっぱい食べた!」
おかんさま「いつ。どこで」
Booじーちゃ。「宴会で!」(きっぱり)

誰が言おうと、何度呼ぼうと「いらん!」の一言。
最後には、「ヤダヤダヤダ!」とだだをこねだした。

薬を飲ませるのに、胃に少しは物を入れていないと身体によくない。
なんとかして、おかんさまがトーストの一枚でも食べさせようとしても。
Booじーちゃ。「ヤダヤダヤダ!!」

リビングのソファに座ったままかっくりかっくりやりだしたので。
自分のベッドで寝かせようとしても。
Booじーちゃ。「ヤダヤダヤダ!」


あぐねて、総員リビングから退去することにした。
人気がなくなり、暖房も切ってしまえば、きっと居心地の良い自分の部屋に行くだろうという作戦である。
……必殺仕事人見たかったな……。
……デスノも見たかったのになぁ……。

ところが、である。
実は今も、リビングに一人座ったまんまなのだ。
困ったことに。


脳内宴会をこしらえた、などと聞けば。
おかしみが感じられるぶん、よく話に聞くような。
「ご飯はまだか、食べとらん!」などと騒ぐような症状よりはマシのようにも思えるが。
家族にしてみれば、どっちもどっちというしかないものである。
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