ネタバレ一応注意。
ふーむ。この直木賞作家の作品を読むのは初めてでしたが、ノスタルジィの演出はなかなか上手だし、乱歩的な怪奇趣味もセンス良く取り入れられてます。小説手法も多種多様で、なかなかのスキルを持った作家であると思いました。「アイスマン」は乱歩の、「死者恋」は皆川博子あたりの再解釈のようにも感じられ、器用だなあ、などと。
「都市伝説」というモノにこだわりのある自分としては、その取り扱いが残 . . . 本文を読む
ネタバレ一応注意。
《意識が途切れる寸前、矢七は、「おぼん」と言った。その意味は誰にも分からない。》(234p)
ここ、爆笑(良い意味で)。
町田康の短編集。ビートフルでナンセンスな町田ワールドは相変わらずの炸裂。
引用した水戸黄門コント「逆水戸」も含め多彩ではあるが、長編に比べていまいちノリきれなかった印象があるのも事実。アドレナリンがようやく回り始めたぐらいで終わってしまうような。それを . . . 本文を読む