改正信託法が8日の参院本会議で、与党と民主党などの賛成多数で可決、成立した。財産を受託者(信託銀行など)に引き渡して管理・運用を任せる信託制度の基本ルールを定めた信託法は1922年の制定以来、初めて全面的に見直された。
改正法では、受益権(信託財産から利益を得る権利)を証券化して資金調達することを認めたほか、受益者(信託財産から利益を得る人)の多数決で信託の内容を変えられる仕組みを導入した。高齢の受益者らを保護するため弁護士などを「信託監督人」に選任する制度も創設した。
また、自分の財産を自分に信託する「信託宣言(自己信託)」と呼ばれる新しい類型の信託を導入。例えば、ある会社が事業部門を信託財産として自らが受託者になれば、自社のノウハウを社内にとどめたまま運用できる上、受益権を売却して資金調達できるメリットが期待される。
改正法は公布から1年6カ月以内に施行されるが、自己信託については「税金逃れや財産隠しに悪用される恐れがある」との懸念が出たため実施を1年間凍結し、その間に制度を周知するとともに、税制や会計上必要な措置を講じる。【森本英彦】
(出所:毎日新聞 2006年12月8日 10時47分)
信託した事業に課税
仁比議員質問 法改定で財務省答弁
日本共産党の仁比聡平議員は十一月三十日の参院法務委員会で、八十四年ぶりに改定される信託法制について質問しました。
財界の強い期待が示されている今回の改定には法人企業の事業の一部を信託した際に、今の税制では事業に課税できないことが大きな焦点になっています。
仁比氏は「減税効果や税制不足がどうなるのか、モデルケースやシミュレーションの資料を出すべきではないか」と質問しました。
財務省の古谷一之審議官は「初めてのことで予測ができない。現在、政府税調において二〇〇七年度税制改正で議論されているところ」と答弁しました。
仁比氏は「法案で仕組みが変わることに伴う、税制上、労働関係上、会計上の変化に対する対応策を整える責任は、どこにあるのか」とただしました。
長勢甚遠法務相は「税制については財務省で検討中であり、一年後の施行までに明らかにする」との答弁にとどまりました。
仁比氏は、法案の審議中に資料を提出するように重ねて要求。「課税次第でメリットがなくなり、『使えない』制度になるとの財界の声をどう考えるのか」と追及。古谷審議官は「従来の法人税制とのバランスをとりながら、税逃れにならないように課税していきたい」と答えました。
(出所:日本共産党ホームページ 2006年12月5日(火)「しんぶん赤旗」)
ブログ主の感想
大企業、金融高額所得者等の富裕層がますます金を溜め込んでいくことになるのか、ならないのかが焦点です。大企業の利益追求に資するか、人間一人一人の生活向上に資するか、を注目すべきです。次に、金融高額所得者への課税が重くなるか軽くなるか、です。ギャンブル経済から勤労者が報われるような法整備が必要です。拝金主義を規制する労働・勤労者の立場からの法整備が必要だということです。
改正法では、受益権(信託財産から利益を得る権利)を証券化して資金調達することを認めたほか、受益者(信託財産から利益を得る人)の多数決で信託の内容を変えられる仕組みを導入した。高齢の受益者らを保護するため弁護士などを「信託監督人」に選任する制度も創設した。
また、自分の財産を自分に信託する「信託宣言(自己信託)」と呼ばれる新しい類型の信託を導入。例えば、ある会社が事業部門を信託財産として自らが受託者になれば、自社のノウハウを社内にとどめたまま運用できる上、受益権を売却して資金調達できるメリットが期待される。
改正法は公布から1年6カ月以内に施行されるが、自己信託については「税金逃れや財産隠しに悪用される恐れがある」との懸念が出たため実施を1年間凍結し、その間に制度を周知するとともに、税制や会計上必要な措置を講じる。【森本英彦】
(出所:毎日新聞 2006年12月8日 10時47分)
信託した事業に課税
仁比議員質問 法改定で財務省答弁
日本共産党の仁比聡平議員は十一月三十日の参院法務委員会で、八十四年ぶりに改定される信託法制について質問しました。
財界の強い期待が示されている今回の改定には法人企業の事業の一部を信託した際に、今の税制では事業に課税できないことが大きな焦点になっています。
仁比氏は「減税効果や税制不足がどうなるのか、モデルケースやシミュレーションの資料を出すべきではないか」と質問しました。
財務省の古谷一之審議官は「初めてのことで予測ができない。現在、政府税調において二〇〇七年度税制改正で議論されているところ」と答弁しました。
仁比氏は「法案で仕組みが変わることに伴う、税制上、労働関係上、会計上の変化に対する対応策を整える責任は、どこにあるのか」とただしました。
長勢甚遠法務相は「税制については財務省で検討中であり、一年後の施行までに明らかにする」との答弁にとどまりました。
仁比氏は、法案の審議中に資料を提出するように重ねて要求。「課税次第でメリットがなくなり、『使えない』制度になるとの財界の声をどう考えるのか」と追及。古谷審議官は「従来の法人税制とのバランスをとりながら、税逃れにならないように課税していきたい」と答えました。
(出所:日本共産党ホームページ 2006年12月5日(火)「しんぶん赤旗」)
ブログ主の感想
大企業、金融高額所得者等の富裕層がますます金を溜め込んでいくことになるのか、ならないのかが焦点です。大企業の利益追求に資するか、人間一人一人の生活向上に資するか、を注目すべきです。次に、金融高額所得者への課税が重くなるか軽くなるか、です。ギャンブル経済から勤労者が報われるような法整備が必要です。拝金主義を規制する労働・勤労者の立場からの法整備が必要だということです。
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