うらくつれづれ

折に触れて考えたこと ごまめの歯軋りですが

学生のチャレンジ精神

2010-07-15 09:50:53 | 政治・行政
若者に元気がないそうだ。留学にも興味がないらしい。まじめに授業にで、先生のいうなり素直に記憶するという。なぜか。
今の学生の最大関心事は、就職だ。場合によると、大学一年生から就職クラブに入り準備を開始するという。いま、就職にあぶれる学生、また、あぶれなくても、不本意な就職先しか見つからない学生が溢れている。こういう状況下で、リスクをとる人生決断はしにくいであろう。
おとなしく、目立たず、人に嫌われず、課題を無難に過ごせば、一応そこそこの生活が送れるかのようだ。かくして、チャレンジせず、委縮した、素直無難人間が形成される。チャレンジに失敗すれば、厳しい就職戦線で、一生這いあがれないかもしれない。
この学生の態度は、ある意味当然のことだ。人間は保守的な生き物だ。目の前に安定したかのような生活が見えるのに、それをだいなしにするようなチャレンジに取り組む筈がない。(一部、熱情家を除く)
そうすると、学生のチャレンジ精神の衰えは、就職がままならない経済情勢にあるということになる。
皮肉なことに、経済発展(生産性向上)は、シュンペータのいうイノベーションによる。誰も立ち止まっていては、経済的繁栄を享受できないのだ。戦後の経済発展は、アメリカ流の経営手法を大胆に導入し、日本流の改善と洗練を付けくわえたことによって実現した。
残念ながら、素直な学生は、イノベーションにひけをとり、日本の経済をだめにするであろう。そして、それが、ますます委縮した学生を生み出す。どうやら、日本は、悪循環に入ってしまったようだ。
さらに問題なのは、日本の政治家が、学生の就職問題に関心がないことだ。欧米では、第一の選挙争点は、ジョブだ。1にジョブ、2にジョブ、3にジョブだ。強い経済などと抽象的な言い方はしない。
ジョブが容易に見つかる状態を実現すること、それが学生のチャレンジ精神につながる。

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