宇野ルーツだより

ご先祖のルーツを探す旅

中頓別町と村上春樹氏

2014-03-23 20:52:31 | 日記
 春分の日には、思わぬ大雪となった札幌です。その余波が続いていましたが、
 今週からは、少し春を感じられる陽気になる予報です。サクラが咲き始めたとのお話を
 いただきました。うらやましいなぁと思いつつ、5月の開花を楽しみにしています。

 昨年末に発表された村上春樹氏の短編小説が、ちょっとした「騒動」になりました。
 主人公の俳優が、中頓別町出身の若い女性を専属運転手として雇う設定なのですが
 この女性が火のついたタバコを車の窓から投げ捨てる場面があって、
    「たぶん中頓別町ではみんなが普通にやっていることなのだろう」
 と主人公に語らせていました。これに対して、中頓別町の一部から反発の声が
 上がったのです。「山火事防止や環境美化の意識が高く、タバコのポイ捨ては
 少ない」と。これに対して村上春樹氏は…「心苦しく残念。単行本では町名を
 変えたい」と返答。抗議した人たちも、素早い反応と内容を評価して納得し、
 一件落着となったようです。

 中頓別町は、私たちの宇野家のご先祖が大正から昭和初期にかけて暮らした
 ゆかりの地、母・宇野美代子が生まれた場所でもあるので無関心ではいられ
 ませんでしたが、大騒動にならずによかったなぁと思います。村上氏は次の
 ようにも述べています。

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      僕は北海道という土地が好きで何度も訪れています。(中略)
      中頓別町という名前の響きが昔から好きで、今回小説の中で
      使わせていただいたのですが、これ以上の御迷惑をかけない
      よう、単行本にするときには別の名前に変えたいと思っています。
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 「中頓別町の名前の響きが好き」の言葉には、縁ある者はうれしくなりますね。
 「小説の中での表現だから、いいのでは?」という声も耳にしましたが、フィクション
 ではあっても、実在の地名を使用する以上は、やはり配慮が必要だったと思います。
 
  中頓別のかつての駅舎です。国鉄天北線が通っていました。何度か訪れましたが
  日本最北の鍾乳洞もあって自然豊かな美しい町です。ゴミのポイ捨てもほとんど
  なかったように見えました。過疎化が心配ですが、また訪れたい場所です。