酒とシガーとシャングリラ

時間を呑み
時間を燻らす
エレガントな時間

Shangri-laストーリー 第0夜Bar Shangri-la開店

2010-09-09 | その他
50万人規模の地方都市、ターミナル駅を中心にデパートや大規模商業施設

けっして東京や大阪にひけをとらない喧騒ぶりである

大都市と地方都市…中心部ではさほど大差がないが、喧騒なる空間が広がる

スペースが絶望的に違う

ここS市もご他聞に漏れず、ターミナルから歩くこと10分で朝夕は鳥の鳴き声が聞こえる

ターミナルから歩くこと8分にある3階建ての雑居ビル

随分老朽化が進んでいるが、それでもなおこのビルには税理士事務所が1つに

アパレル関係の会社が2つそれに雑貨屋が1軒

そして地下にはBar Shangri-la(シャングリラ)が

Bar Shangri-laがこのビルに越してきて16年、すっかりビルにも溶け込んできた

初老のマスターk氏は今日もまたグラスを磨きながらドアを開けて入ってくる

お客様を待っています

「バーは待ちの商売とは良く言ったもんだ、今までいったいどれくらいの時を…」

いつものように一人ごちてると

ギギィーとドアが開き常連のIさんが入ってくるなり大声で

「マスター!まだ扉直してないの~」遠慮なくドアをギシギシやっています

「いらっしゃいませ。まずはお座り下さい。」

「本日はどうされますか」

「マスター、ドアの件は?」

「ハハハ、今日直すつもりだったんですが急な用事ができまして、明日までには直しますよ」

「明日例のマナミちゃん連れてくるんだから頼むよー」

常連のiさんは大手商社のS市の支店勤務の28才いつも元気な人ですね

「かしこまりましたドアの件は間違いなく…で、いかが致しますか」

「ねぇマスターだいたいさー1杯目って何飲むといいの?」

「もちろんお好きなものを飲んでいただくのが一番ですが、ジントニックの注文が多いですね」

「ジントニックかぁ」

最新の画像もっと見る

コメントを投稿