弁護士法人かごしま 上山法律事務所 TOPICS

業務の中から・・報道を見て・・話題を取り上げます。

誤認逮捕 その28

2007-07-19 | 誤認逮捕
富山冤罪再審、取調官の再申請を再度却下(朝日新聞) - goo ニュース

※引用
富山冤罪再審、取調官の再申請を再度却下

 02年に強姦(ごうかん)と強姦未遂の疑いで逮捕され、約2年1カ月の服役後に無実とわかった富山県内の男性(40)の第2回再審公判が18日、富山地裁高岡支部(藤田敏裁判長)であった。弁護側は、初公判で却下された県警の取調官の証人尋問を再申請したが、藤田裁判長は「再審は被告人の有罪無罪の判断を下す場所。心情は理解するが、必要性のないものと考えざるを得ない」と認めなかった。
 被告人質問で、男性は当時の捜査当局の取り調べの状況を「取調官が握った拳がブルブル震えていて、否認したらなぐるという感じだったので、怖くて容疑を認めてしまった」などと振り返った。警察官、検察官、裁判官への心情を聞かれると「恨みを持っています」と語気を強めた。

さらに日刊スポーツの記事から引用します。

※引用
 富山県警に女性暴行と同未遂事件の容疑者として2002年に逮捕され、約2年1カ月の服役後に無実と判明した男性(40)の再審第2回公判が18日、富山地裁高岡支部(藤田敏裁判長)で開かれた。男性は被告人質問で「5年間を返してほしい」と訴え、当時の取調官や検察官、弁護士、裁判官に対し「恨みを持っている」と述べた。
 男性は「訳も分からないまま、単なる無罪で(再審が)終わってほしくない」と強調。検察側は反対尋問をしなかった。
 弁護側は初公判に続き、当時の取調官の証人尋問を申請したが、藤田裁判長は「必要性はない」として再び却下した。8月22日の次回公判で検察側が無罪を論告し結審する予定。
 閉廷後、記者会見した男性は「(却下は)非常に残念だ」とし、国家賠償法に基づく損害賠償請求訴訟を起こし「証人尋問をしたい」と話した。
 弁護側は取り調べの状況などを詳細に質問。
 男性は虚偽の自供をした理由について「取調官から『母親の写真にやっていないと言えるのか』と何度も言われ、もうだめだと思った」と述べた。その後の調べで、取調官が握りこぶしを震わせていたため「否認すると殴られると思い、怖かった」と語り、取調官に言われるままに調書が作られていったという。
 弁護士は初公判までに1度だけ接見し「顔を合わせた瞬間、『被害者への弁償金を払えば執行猶予がつく』と言われ、やってないと言えなかった」と述べた。
 また任意捜査の段階で、アリバイなどを伝えて否認したのに犯人扱いされたため、帰宅後に除草剤を飲んで自殺を図ったことを明かした。


当番弁護士の対応も適正妥当とは言いがたく、この被害者については、あらゆる方向から傷を深められ恨みを募らせているような気がしてなりません。現行制度上の限界なのかもしれませんが、司法関係者の対応としてこれで良いのか疑問を感じます。

誤認逮捕 その28

2007-07-05 | 誤認逮捕
朝日新聞 社説の紹介です。

※引用
富山冤罪再審―無罪だけで幕を引くな

 「ただ無罪になっても意味がない。再審ではすべてを明らかにしてほしい」
 強姦(ごうかん)と強姦未遂の犯人として2年1カ月服役したのち、別の人物が自供して無実とわかった富山県の40歳の男性は、再審裁判を前に、こう訴えていた。
 やってもいない犯罪の汚名を着せられたのだから、なぜこんな目にあったのかを知りたいと思うのは当然だろう。
 だが、冤罪を生んだ過程を検証する意味は、個人の思いにとどまらない。捜査や裁判がいまだに抱える構造的な欠陥をあぶり出す好機だからだ。
 なぜ、警察や検察は無実の人間を逮捕し、起訴したのか。公判で男性が起訴事実を認めたとはいえ、裁判で真実を発見する方法はなかったのか。こうした疑問が再審で解明されなければならない。
 ところが、富山地裁高岡支部は、弁護側が申請した当時の警察官の証人尋問を「必要ない」として認めなかった。
 警察官の尋問を不要とした検察は閉廷後、「裁判は有罪か無罪かを決めるところだ。弁護士も検察も無罪を主張しており、尋問は意味がない」と述べた。
 無罪であることにだれも異を唱えていない。早く無罪を言い渡せばいい。それが裁判所や検察の言い分だろう。
 しかし、それを額面通りには受け取れない。警察官を法廷に呼べば、冤罪の責任の追及は警察にとどまらず、検察や裁判所にも向かいかねない。そうした事態を避けるために幕引きを急いでいるのではないか。そう思われても仕方ない。
 冤罪によって人生をほんろうさせられた男性は閉廷後、「裁判に絶望した」というコメントを出した。この言葉を裁判に携わる人たちはどう聞くのか。
 再審裁判で冤罪の原因や背景を追及できなかったなら、最高裁や最高検、警察庁がそれらをきちんと調べて国民に報告すべきだ。そうでなければ、捜査や裁判への不信感はぬぐえない。
 02年に起きたこの事件には謎が多い。
 犯人の似顔絵から男性が浮かび、被害者が男性を見て「そっくり」と言ったという。警察官の誘導はなかったのか。
 男性は否認したが、3日目に自白し、逮捕された。だが、基本的な裏付け捜査がなかった。例えば、事件当時、男性が現場から車で30分以上かかる自宅で電話をかけていたとみられる通話記録があったのに、警察は見落としたという。
 男性によると、検察官や勾留(こうりゅう)質問の裁判官、弁護士には否認した。再び容疑を認めたのは、警察官から「発言を覆さない」という念書を書かされたからだという。警察は念書の存在を否定するが、真相を知りたい。
 再び自白に転じたことに検察官や弁護士は疑問を持たなかったのか。
 再来年には裁判員制度が始まり、国民が審理に参加する。どんなときに冤罪が起きるのか。冤罪を引き起こさないためには、どこに目を向ければいいのか。国民はぜひとも知りたいことである。


再審裁判で冤罪の原因や背景を追及できなかったなら、最高裁や最高検、警察庁がそれらをきちんと調べて国民に報告すべきだ。全くそのとおりと思います。

誤認逮捕 その27

2007-07-02 | 誤認逮捕
毎日新聞の記事の紹介です。

※引用
富山・強姦冤罪事件:弁護士会調査委の聴取、公表巡り意見合わず /富山
 ◇被害男性「不信感ました」憤る
 富山県警に強姦(ごうかん)などの容疑で逮捕された男性(40)が服役後に無罪と分かった冤罪(えんざい)事件で、県弁護士会の調査委員会(斉藤寿雄委員長)は29日、男性から聴き取りを行う初の会合を開いた。だが、内容の公表を巡って男性と意見が合わず、本格的な調査はできなかった。
 会は富山市内で非公開で開かれた。出席者によると、男性が内容を外部に公開することを前提に録音を認めるよう希望したのに対し、調査委側が録音内容の公開を拒んだことで10分足らずで終了した。男性は「弁護士への不信感が増しただけ。こんな調査委なら解散してほしい」と憤っている。
 調査委は1月に設置され、年度内に報告書をまとめる考え。既に当時の国選弁護人からも聴取済み。斉藤委員長は「調査は非公開と決めている。改めて男性に聴き取りを要請する」としている。


非公開の趣旨は何なのか?そういう衝突が予想されるのであれば、事前に調整することはできなかったのか?不思議です。

誤認逮捕 その26

2007-06-28 | 誤認逮捕
富山冤罪、男性「十分な弁護なかった」県弁護士会が調査へ(読売新聞) - goo ニュース

※引用
富山冤罪、男性「十分な弁護なかった」県弁護士会が調査へ

 富山県氷見市の男性(40)が2002年、県警に婦女暴行・同未遂容疑で逮捕され服役した冤罪(えんざい)事件で、県弁護士会の「冤罪事件調査対策委員会」(斉藤寿雄委員長)が29日、男性から聞き取り調査をする。
 弁護士3人が約30分間、当時の取り調べ状況、国選弁護人とのやり取りなどを男性に聞く。男性は「逮捕直後に弁護士と接見した際、容疑を否認したにもかかわらず、十分に弁護してもらえなかった」としており、調査対策委に説明を求める。
 調査対策委は冤罪発覚直後の今年1月に設置され、男性からの聞き取りを要望していたが、男性は「弁護士に不信感がある」として消極的だった。しかし、調査対策委が「県弁護士会所属の弁護士が担当したことから、弁護士会にも責任の一端がある」と説明したため、受諾したという。


必要な調査だと思います。しかしなぜ、聴き取り時間(約30分)が事前に設定されているのでしょうか。被害者男性があまり話したくないということなのでしょうか。

誤認逮捕 その25

2007-06-20 | 誤認逮捕
冤罪男性の再審公判始まる 取調官の尋問は却下 富山(朝日新聞) - goo ニュース

※引用
冤罪男性の再審公判始まる 取調官の尋問は却下 富山

 02年に強姦(ごうかん)と強姦未遂の2事件で逮捕され、約2年1カ月間の服役後に冤罪とわかった富山県内の男性(40)の再審初公判が20日、富山地裁高岡支部(藤田敏裁判長)で開かれた。男性は2事件の起訴事実を「まったく身に覚えはありません。やっていません」と否認した。弁護側は冤罪を生んだ捜査の過程を明らかにするよう強く求め、男性を取り調べた警察官の証人尋問を申請したが、藤田裁判長は却下した。
 冒頭陳述で、検察側は「被告人は無罪です」と主張した。弁護側は「男性が犯人との見込みは、捜査機関の予断、偏見の産物に過ぎなかった」と訴えた。
 再審では、男性を有罪とした当時の公判に提出された証拠を改めて調べる。また、男性の逮捕につながった似顔絵や、事件発生時のアリバイを証明しうる男性宅の電話の通話記録などが、今回初めて、証拠として提出された。
 男性は閉廷後、取調官の証人尋問が認められなかったことなどについて、弁護士を通じて「裁判に対して絶望した」とコメントした。次回は7月18日。男性の被告人質問が行われる。


別の報道では、検察官が取り調べた警察官の証人尋問について「必要性ナシ」の意見を述べたそうですが、検察庁として一番必要な証拠調べなのではないでしょうか。
また、裁判官にしても、再審の制度趣旨だけにとらわれ過ぎているように思います。有罪判決を下したのも先輩の裁判官ではないですか。

誤認逮捕 その25

2007-06-18 | 誤認逮捕
アリバイ示す通話記録、再審に提出へ 富山・冤罪事件

 強姦(ごうかん)と強姦未遂の2事件で逮捕され服役後に無実と判明した富山県内の男性(40)が、強姦未遂事件発生の時間帯に現場から車で約30分はかかる自宅で電話をかけていた可能性が高いことが、NTTの通話記録から分かった。20日始まる再審に証拠として提出される。男性のアリバイを裏付けるものだが、捜査当局はこの記録を入手しながら男性を逮捕・起訴していた。
 強姦未遂事件は02年3月13日午後2時40分ごろに発生した。通話記録によると、男性宅の固定電話から、同2時半ごろから23分間、兄の自宅にかけられていた。関係者らによると、当時男性は一人暮らしで、たまに男性宅に出入りしていた姉も日中は、仕事に行っていた。このため、男性が電話をかけていた可能性が極めて高いという。
 事件現場と男性宅は、車で30分程度かかる距離があり、犯行時刻に男性が現場にいることは不可能になる。
 県警は当時、似顔絵による捜査などから男性を強姦未遂事件と、その約2カ月前に起きた強姦事件の容疑者とみていた。
 1月14日に発生した強姦事件では犯行前、被害者宅に酒屋を装った電話があったため、県警は同年4月、NTT富山支店に男性宅の通話記録を照会した。しかし、記録は4月からさかのぼって1月21日までしか残っていなかった。
 3月の通話記録も入手していたが、捜査当局は強姦未遂事件のアリバイが成立する可能性には気づかなかったという。
 男性の冤罪は、別の事件で逮捕された大津英一被告(52)=公判中=が昨年11月に2事件を自供したことから判明した。検察は「男性の無罪を証明するには、大津被告の有罪を証明する証拠で足りる」としているが、弁護側は、男性を取り調べた警察官の証人尋問などを求めている。
 男性の弁護人は「明らかに捜査が不十分。捜査には他にも疑問点がいくつもある。アリバイを立証しうる通話記録があったのに、なぜ冤罪が生み出されたのか。捜査の過程を明らかにしたい」としている。


裁判所は、再審裁判でどこまで事実関係を明らかにしようとするのでしょうか。
それから、当該通話記録はどういう形で明らかになったのでしょうか。

誤認逮捕 茨城

2007-06-14 | 誤認逮捕
茨城県警が誤認逮捕 酒気帯び運転容疑、知人が出頭(朝日新聞) - goo ニュース

※引用
茨城県警が誤認逮捕 酒気帯び運転容疑、知人が出頭

 茨城県警は14日、茨城県行方市に住む自営業の男性(45)を誤って道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕していたと発表した。逮捕直後に知人の男性(46)が「自分が運転した」と名乗り出て、再捜査したところ誤認逮捕と判明。水戸地検土浦支部は13日、「嫌疑なし」で不起訴処分にした。県警は「あってはならないこと。申し訳なかった」とし自営業の男性に謝罪する方針。
 県警交通指導課などによると、行方署員が5月10日、行方市内で、運転手がシートベルトをしていない軽自動車を発見し、停止を求めた。停止しなかったため追跡し、自営業の男性宅の敷地に軽自動車があるのを確認。車のそばにいた自営業の男性が車の所有者で、呼気から基準を超えるアルコールが検出されたため現行犯逮捕した。
 自営業の男性は「前日に飲んでいただけで、運転していない」と主張したが、翌日、同法違反容疑で送検された後、釈放された。実際は、車を借りた知人が自営業の男性宅に立ち寄ったのに、同署員は気づかなかったらしい。
 自営業の男性は14日、「やっていないと言ってもむなしかった。警察には、失ったものを回復して欲しい」と話した。


こういう誤認逮捕もあります。署員は気づかなかったとありますが、説明しても聞く耳を持たなかった可能性があります。知人に確認すれば、いいはずです。そもそも逮捕されるような事案なのでしょうか。

誤認逮捕 その24

2007-06-08 | 誤認逮捕
アリバイの証拠提出を求める 富山の冤罪で弁護団(共同通信) - goo ニュース

※引用
アリバイの証拠提出を求める 富山の冤罪で弁護団

アリバイ証拠の提出求める 冤罪の男性が会見

 富山県氷見市で起きた女性暴行などの事件で服役後に無実と分かった男性(39)が7日、弁護団と富山市で会見した。男性側は再審初公判に向けて富山地裁高岡支部で同日午前に行われた事前協議で、検察側に対し犯行時間帯の男性宅からの通話履歴など、アリバイ証明のための証拠提出を求めたことを明らかにした。男性は日本の司法制度について「まったく信じていない。検察官も証人申請したい」と話した。


裁判に提出された証拠等は確定記録で残っているんでしょうけど、有罪確定判決が下された捜査資料ってどこに何時ごろまで保管されているのでしょうか?

誤認逮捕 その23

2007-06-07 | 誤認逮捕
「取調官に手首つかまれ図描いた」 富山・冤罪男性(朝日新聞) - goo ニュース

※引用
「取調官に手首つかまれ図描いた」 富山・冤罪男性

 強姦(ごうかん)などで逮捕され実刑判決を受けて、服役後に無実と分かった富山県内の男性(39)の冤罪事件で、男性が入ったことのない事件現場となった被害者の部屋の見取り図が、男性が作製したものとして裁判で証拠採用されていたことが分かった。男性は「県警の取調官に右手首をつかまれて描かされた」と話している。
 裁判の証拠書類によると、男性は02年5月1日に強姦未遂事件、同20日に強姦事件の見取り図を描いた。男性によると、20日は取調官に「肩の力を抜け」と言われペンを持った右手首をつかまれ、「ベッドがこのへんにあっただろう」などと誘導されながら、描かされたという。

東京新聞には次のような報道もあります。

※引用
「自分殺し刑務所に」 シンポで冤罪男性証言

 取り調べの可視化(録画・録音)を訴える日弁連などが主催のシンポジウムが6日、東京・霞が関の弁護士会館であった。富山県警に強姦容疑などで逮捕され、約2年間の服役後に無実と判明した男性(39)が出席し「取り調べの刑事に『はい、うんしか言うな』と言われ、現場の見取り図は手を取られて描いた。(有罪判決を受け)自分を殺して刑務所に行った」と証言した。
 可視化については「警察に思うがままの取り調べをさせないために必要だ」と話した。
 男性によると、事件現場となった被害女性の家を訪ねたことはなかったが、刑事に「ここだろう」と家の前に連れて行かれ、指さすよう要求された。さらに玄関を見せられ、その後の取り調べで現場見取り図を描くように指示されたという。
 玄関から見えた以外はは分からず描けなかったが、「肩の力を抜け」と言って後ろに回った刑事が男性の右手を取って見取り図を描いたという。

TBSには次のような報道があります。

※引用
えん罪被害者が取り調べの実態を証言
 えん罪被害者が取り調べの実態を訴えました。婦女暴行事件の犯人として富山県警に逮捕され、服役後に無実と分かった男性が、「事件現場の見取り図を、刑事に手を取られて書かされた」と証言しました。
 「(被害者の家を)案内しろと言われても自分は知らないので、適当に言っていたら、捜査員から『ここじゃないだろ、ここだろ』と(家の前まで)連れて行かれ、『家の前に止まって指させ』と言われたので指をさしたら『その家だ』ということで、(家の中を)『見ろ』と」(えん罪事件の被害者の男性)
 逮捕当時行われた警察の取り調べについて、こう訴える男性。39歳のこの男性は5年前、少女を乱暴したとして富山県警に逮捕され、有罪判決を受けて、2年間服役しました。
 しかし、今年になって真犯人が逮捕され、男性は結局、無実であることが分かったのです。6日、男性は、日弁連などが主催するえん罪事件を考えるシンポジウムに出席。「捜査員に事件現場に連れて行かれ、被害者の自宅の玄関を見せられた後、現場の見取り図を書かされた」と証言しました。そして・・・
 「(刑事から)『玄関から見える範囲で見取り図を書け』と言われた。刑事は『肩の力を抜け』と。自分の右手の上に刑事は手を置き、刑事が手を動かして見取り図を書いた」(男性)
 男性は肩の力を抜くように言われ、刑事に手を取られ、見取り図を書かされたというのです。この証言をめぐって、これまで富山県警は個別の事実関係についてコメントを避けています。
 男性を無実とするための裁判のやり直しが始まるのは今月20日。裁判に臨む心境について、男性はこう語りました。
 「裁判を簡単に終わらせたくない。(取り調べ担当の)刑事には謝罪の言葉をもらってない」(男性)
 今後は、取り調べの状況をビデオなどで記録して欲しいという男性。一方、弁護団は、取り調べを担当した捜査員を証人として申請する考えで、男性がウソの自白に追い込まれた状況を明らかにしたいとしています。


こういう報道をみると、カテゴリーやタイトルの「誤認逮捕」という表現はふさわしくなく「犯人捏造、警察犯罪」という表現の方があてはまるような気がしてなりません。

誤認逮捕 その22

2007-06-05 | 誤認逮捕
富山冤罪、県警が現場見取り図など「自白」証拠捏造(読売新聞) - goo ニュース

※引用
富山冤罪、県警が現場見取り図など「自白」証拠捏造

 富山県氷見市の男性(39)が2002年、県警に誤認逮捕されて服役した婦女暴行・同未遂冤罪(えんざい)事件の公判で採用された一連の証拠書類が明らかになり、捜査当局による「自白」捏造(ねつぞう)の事実がわかった。
 男性が知らないはずの被害少女宅の克明な見取り図が作製されていたほか、男性宅から押収された凶器のナイフも、被害少女の証言とは異なっていた。男性は6日、日本弁護士連合会が都内で開くシンポジウムに参加、取り調べの実態を証言する。
 公判で証拠採用されたのは、婦女暴行事件(02年1月)の被害少女(当時18歳)の自宅と少女の部屋の見取り図、現場で足跡が採取された靴の絵、男性の供述調書など。


ネット記事はココまでですが、今朝のテレビでは、男性は手を掴まれて書かされたと話し、富山県警は誘導的な取調はなかったなどと言っている旨報道されていました。まあ、謝罪しないということなのでしょうが、酷すぎます。

誤認逮捕 その21 そりゃあ、恨んでいる。

2007-05-28 | 誤認逮捕
「取調官恨まぬ」と調書 富山地検、冤罪男性に(朝日新聞) - goo ニュース

※引用
「取調官恨まぬ」と調書 富山地検、冤罪男性に

 強姦(ごうかん)事件などで逮捕され、実刑判決を受けた富山県内の男性(39)が服役後に冤罪とわかった問題で、男性は28日、朝日新聞の取材に対し、「冤罪発覚後に富山地検の検察官の聴取を受け、『捜査を担当した県警の取調官と検察官を恨まない』とする調書をとられた」と話した。男性の弁護団は「検察の意図がわからない」と話す。地検は同日午前まで、コメントしていない。
 男性によると、冤罪発覚から数日たった1月下旬、地検に呼ばれ、検察官とほか1人から聴取を受けた。検察官から「当時の県警の取調官と検察官を恨んでいますか」と質問され、「恨んでいません」と答えた。さらに、「(再審)公判で無罪を証明するための調書」との説明を受けた調書に指印、署名をしたという。
 男性によると、「そりゃあ、恨んでいる」と思いながらも、2対1での聴取に威圧感を感じたためという。

 弁護団長の藤井輝明弁護士は「検察の意図がわからない。これが明らかになればかえって問題が複雑になるのでは」と話した。


「そりゃあ、恨んでいる。」そうですよねえ。
こういう調書を作成しようとした検察官、やっぱり感覚的におかしいといわざるを得ませんよね。調書を作ってしまえば、こっちのもの的な感覚はそう簡単には転換できそうもないですね。この事案で、任意の取調で、「恨んでません。」と供述すると考えるおかしさに誰も気づかないのでしょうか。

誤認逮捕 その20

2007-05-25 | 誤認逮捕
朝日新聞 からです。

※引用
富山の強姦事件被告 冤罪「私が原因」

 強姦(ごうかん)と強姦未遂事件で逮捕され実刑判決を受けた富山県内の男性(39)が服役後に冤罪とわかった問題で、二つの事件について自供し、起訴された松江市の無職大津英一被告(52)の公判が23日、富山地裁高岡支部(藤田敏裁判長)であった。大津被告は初めて冤罪問題にふれ、「男性が不幸を味わったのは、私が事件を起こしたことが原因」と男性に対する謝罪の気持ちを述べた。
 大津被告は、弁護人から冤罪事件について尋ねられると、「青天のへきれきでした」と答えた。男性が勾留(こうりゅう)されている間に、父親を亡くしたことについて「これくらい不幸なことはない。お父さんも息子の無実を知らずに死んでいかれた。僕は何もいいようがない」とも話した。


えん罪事件についての被告人質問はどういう立証趣旨だったのだろうか。「被告人の犯罪がなければえん罪は生じなかった(条件関係)。」は正しい。でも、「えん罪によって男性が不幸を味わったのは、被告人が原因。」は誤っているのではないでしょうか。原因は、捜査機関にあります。再審事件の証拠調べが興味を引きます。

誤認逮捕 その19

2007-05-23 | 誤認逮捕
富山の冤罪事件 再審初公判は6月20日に期日変更(朝日新聞) - goo ニュース

※引用
富山の冤罪事件 再審初公判は6月20日に期日変更

 強姦(ごうかん)事件などで逮捕され実刑判決を受けて服役後に無実とわかった富山県の男性(39)の冤罪事件で、富山地裁高岡支部は22日、再審の初公判を6月20日午前10時半に変更することを決めた。
 初公判は6月6日に予定されていたが、男性が弁護人を交代させたため、新たに弁護することになった弁護士らが「準備が必要」として延期を申請していた。


報道では、再審公判で取調官を証人申請する方針とも伝えられています。有罪判決を受けて再審手続を経なければ、えん罪事件捜査の実体が明らかにならないのはどう考えてもおかしいのではないでしょうか。

誤認逮捕 その18

2007-05-22 | 誤認逮捕
冤罪の男性が記者会見 警察を「追及していきたい」(朝日新聞) - goo ニュース

※引用
冤罪の男性が記者会見 警察を「追及していきたい」

 強姦(ごうかん)と強姦未遂事件で逮捕され、実刑判決を受けた富山県内の男性(39)が約2年1カ月の服役後に冤罪とわかった問題で、男性が21日正午から、弁護士とともに富山市内で記者会見した。男性は「淡々と『無罪』にしたくない。警察に対しては、なぜ僕のところに来たか、追及していきたい」などと近く開かれる再審への思いを語った。冤罪が明らかになって以降、男性が公の場に姿を現すのは初めて。
 会見したのは、男性と男性の兄、再審で男性の弁護人を務める藤井輝明、小林大介、村田慎一郎各弁護士の5人。
 男性は、取り調べのとき、警察から家族が「お前に違いない」といっていると容疑を認めるように迫られたとして「身内が認めているということを、僕自身が家族の口から聞かされるのが怖かった。兄たちと会って本当のことを知り、兄たちをうらむことはない」などと話した。
 藤井弁護士らは「当然無罪を主張する。有罪になった証拠を吟味したい。疑う余地がなかったのか、なぜそういう証拠が生み出されたのか、を確認したい」と話し、再審では取調官を証人申請するなどの弁護方針を説明した。
 再審の初公判は6月6日に開かれる予定になっている。だが男性が5月中旬に弁護人を変更。新しく弁護人になった藤井弁護士らは「準備が必要」として期日の延期を地裁高岡支部に要請している。
 男性は02年に同県内で起きた強姦と強姦未遂事件で任意で事情を聴かれ、当初否認したが、その後容疑を認め、富山県警に逮捕された。公判中も罪を認め、02年11月に懲役3年の判決を受け服役。05年1月に仮出所した。だが別の容疑者が昨年11月に2事件を自供したため、県警は今年1月、この容疑者を再逮捕した。県警や富山地検は「裏付け捜査が不十分だった」などとして男性は無実と判断した。


こういう展開になると、鹿児島事件もあわせて取調可視化の議論が進むかもしれません。弁護人を変更した理由についても報道してもらいたいですね。それから、テレビ報道で相変わらず、「婦女暴行」という罪名で報道するのが気にかかります。

誤認逮捕 三重 科捜研

2007-04-26 | 誤認逮捕
男性を誤認逮捕、三重県警 覚せい剤鑑定報告を誤る(共同通信) - goo ニュース

※引用
男性を誤認逮捕、三重県警 覚せい剤鑑定報告を誤る

 三重県警は26日、いなべ署が覚せい剤取締法違反の疑いで、同県いなべ市の無職男性(22)を誤認逮捕していたと発表した。科学捜査研究所がファクス用紙を取り違え、誤った鑑定結果を報告したのが原因という。男性は今月24日に逮捕され、翌25日に釈放された。三重県警では、昨年11月と今年1月にも窃盗事件などで別の男性を誤認逮捕していたことが発覚している。


科捜研がファックス用紙を取り違え、誤った鑑定結果を報告した・・・ファックス用紙の取り違えがどうして誤った鑑定結果と結びつくのでしょう??? ・・・まさか・・・。