ノアの方舟を洪水から人々を救った心温まる話などと勘違いしている人もいるが、とんでもない。洪水を引き起こして大量の生物を死滅させたのは神自身であって、神を信じる善良な一部の民だけを選んで生き延びさせるという、とんでもない「選民思想」の物語である。キリスト教の嫌らしい部分が如実に表われたエピソードのひとつだと感じる。別に今回はキリスト教批判のエントリーではないのでこれ以上深くは言及しないが。
日本社会で、今まさにノアの方舟が起きようとしている。後期高齢者医療制度などに見られる高齢者排除の動きだ。政府は躍起になって否定するが、いま日本列島の至る所から「お荷物の年寄りは早く死んでください」という声が聞こえる。
少子高齢化が進むのは厳然たる事実だ。どんなに楽観的な見通しを立てようと最低でも約20年間は今よりも更に進行する。どんどん社会が負担しなければならない高齢者保障は重くなる。それを防ぐには、もう年寄りになるべく早く死んでもらう以外に方法はない。
野党は「税金の無駄遣い」を無くせば増税しなくても平気と耳当たりが良い事を言う。確かに税金の無駄遣いが無いとは言わない。たくさんある。しかし、それを無くしても、元々あるパイの面積が広がる訳ではない。パイの大きさが変わらないのに食べる人間がどんどん増え続ければ、遅かれ早かれいずれは破綻する。
この問題を現在の年寄り、あるいは筆者のような「まもなく年寄り」となる人間に聞いても答えは決まっている。「若い頃は賢明に働かせておいて、働けなくなったらポイ捨ては余りにも酷すぎる」というに決まっている。
今こそ日本のあるべき姿は次代を担う30歳代・20歳代、そしてもっと負担増となる社会の中心となる10歳代の若者にこそ問うべきだろう。
すなわち「老後のために十分に準備ができなかった脱落者はリタイアしたら諦めて死ぬ世の中」が良いか、あるいは「就労世代の負担がどんどん重くなっても一生涯の生存の保障が守られる世の中」が良いか、どちらかを選ばなくてはならない。
「冗談じゃない!!」高度経済成長期を支えて今日の日本の繁栄を築いた「今後の年寄り」たちは憤慨しそうだ。「オレたちは捨て駒か!!」と。
確かにお気の毒である(←他人事のように聞こえるかもしれないが、筆者も「お気の毒」の集合に入る)。
しかし今日の事態に全く責任が無いとは言えないだろう。かつて「独身貴族」とか「DINKS(Double Income No Kids/共働き収入で子供なしの意)」などと言われた個人主義を謳歌した結果がこれである。目先が利く人間なら当然どうなるか見通せた筈だ。イソップ寓話の『アリとキリギリス』(原題はアリとセミ)でキリギリスな生き方を選択してしまったのだから仕方ない(最後に見殺しにするのは残酷だからとアリがキリギリスに食べ物を分け与えるのは後の修正。原作では飢え死ぬ)。
もう奇麗ごとではどうにもならない。今こそキリスト教なみの残酷な選択をしなければならない分岐点にある。
日本社会で、今まさにノアの方舟が起きようとしている。後期高齢者医療制度などに見られる高齢者排除の動きだ。政府は躍起になって否定するが、いま日本列島の至る所から「お荷物の年寄りは早く死んでください」という声が聞こえる。
少子高齢化が進むのは厳然たる事実だ。どんなに楽観的な見通しを立てようと最低でも約20年間は今よりも更に進行する。どんどん社会が負担しなければならない高齢者保障は重くなる。それを防ぐには、もう年寄りになるべく早く死んでもらう以外に方法はない。
野党は「税金の無駄遣い」を無くせば増税しなくても平気と耳当たりが良い事を言う。確かに税金の無駄遣いが無いとは言わない。たくさんある。しかし、それを無くしても、元々あるパイの面積が広がる訳ではない。パイの大きさが変わらないのに食べる人間がどんどん増え続ければ、遅かれ早かれいずれは破綻する。
この問題を現在の年寄り、あるいは筆者のような「まもなく年寄り」となる人間に聞いても答えは決まっている。「若い頃は賢明に働かせておいて、働けなくなったらポイ捨ては余りにも酷すぎる」というに決まっている。
今こそ日本のあるべき姿は次代を担う30歳代・20歳代、そしてもっと負担増となる社会の中心となる10歳代の若者にこそ問うべきだろう。
すなわち「老後のために十分に準備ができなかった脱落者はリタイアしたら諦めて死ぬ世の中」が良いか、あるいは「就労世代の負担がどんどん重くなっても一生涯の生存の保障が守られる世の中」が良いか、どちらかを選ばなくてはならない。
「冗談じゃない!!」高度経済成長期を支えて今日の日本の繁栄を築いた「今後の年寄り」たちは憤慨しそうだ。「オレたちは捨て駒か!!」と。
確かにお気の毒である(←他人事のように聞こえるかもしれないが、筆者も「お気の毒」の集合に入る)。
しかし今日の事態に全く責任が無いとは言えないだろう。かつて「独身貴族」とか「DINKS(Double Income No Kids/共働き収入で子供なしの意)」などと言われた個人主義を謳歌した結果がこれである。目先が利く人間なら当然どうなるか見通せた筈だ。イソップ寓話の『アリとキリギリス』(原題はアリとセミ)でキリギリスな生き方を選択してしまったのだから仕方ない(最後に見殺しにするのは残酷だからとアリがキリギリスに食べ物を分け与えるのは後の修正。原作では飢え死ぬ)。
もう奇麗ごとではどうにもならない。今こそキリスト教なみの残酷な選択をしなければならない分岐点にある。