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時代のウェブログ

イマを見つめて
提言します

虚業ってなんだ?

2006年03月03日 23時03分00秒 | 社会・経済
ある週刊誌のコラムで、
「本当は1億円しか持ってないのに、10億円借りてきて会社を買い取り、15億で売っていたのがライブドア商法。虚業以外の何物でもない」
なんて自慢げに書いてる輩がいた。
どうやら経済の仕組みをまったく解って無い人らしい。

トヨタ自動車の資本金は3,970億円。これに対して売上高は185,515億円。営業利益が16,721億円で、当期純利益11,712億円となる。(2005年3月期)
つまりは1億円しか持ってないのに10億円借りてきて15億円で売って4億円の利益を出すことこそが、会社経営の本質なのだ。それを「虚業」と言うならば、天下の大トヨタも「虚業」になってしまう。
もちろんトヨタとライブドアの商売は全然別個だけどね。ただ素人受けを狙っておかしな文章を堂々と発表するのは如何な物かと思って……。

そごうやダイエーが再建後は好調という記事を読んで「だったら、どうして倒産したのか?」と不思議に感じる人は結構いそうだ。簡単に言えば「不採算店舗を切り捨てたから」と言えるだろう。
では、どうして不採算店舗を作ったのか? 旧経営陣が無能だったのか?
残念ながら現在の日本は、不採算店舗を次々に建て続けなければならない仕組みになってるんです。
儲かる店を建てたら100億円の利益が出た。そこで新しくもう1軒造って200億円に利益を増やす――成長期の企業はこうやって伸びて行きます。ところが成長はやがて頭打ちになる。なぜならば儲かる店舗を出せる場所は、そこらじゅうにゴロゴロと転がっていないからです。「だったら、そこで拡大を止めれば?」と思うでしょうが、そうはいきません。なぜならば、利益が上がれば課税されるからです。毎年毎年、1千億の利益が出て、新規借り入れも行わないで単純に納税しつづけるのは、いわば「ただ取られ」です。しかし店舗を造り続ければ、その開店資金が利益から差し引かれるので納税額が減ります。そして店舗という資産が増えます。わざわざ利息を支払って借金をしてでも新規店舗を造り続けなければならないカラクリは、ここにあります。たとえ利益が0円であっても新規店舗を増やせば会社にはプラスになるのです。成長+拡大路線にブレーキが掛けられない仕組みになってるんです。やがて景気の悪化や流行の推移などにより、収支トントンで善しと見込んでいた店の業績が悪化して足を引っ張ると、倒産に繋がっていってしまいます。

『朝ナマ』などを見てると、共産党や社民党あたりの議員が「庶民からは税金を取りません。儲かっている大企業から取ります」なんて言ってるのを聞きます。まったく……。もしもそんな事を実際にやってみたら、どうなるか考えてるんですかね? 日本全国がそごうやダイエーのようになって、瞬く間に日本経済は破綻してしまうでしょうね。もっとも彼らが政権を取る事は有り得ないでしょうし、万が一まちがって政権を取れたとしたら計画経済を導入して企業の活動を国家がコントロールしようと計画してるんでしょうから全然問題ないのかもしれませんが(笑)。
また今日も話が逸れてしまった……。


コメント
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