日伊相互文化普及協会

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【アグリトゥリズモ・食事の提供】

2006-11-20 12:40:50 | Weblog
アグリで客に朝食以外の食事を出すには、アグリに調理の資格を持ったものがいた上で、国に届けを出さなければならない。当然食事代で得た料金からは税金を払うことになる。
ところがマンマの手料理が出てくるようなアグリの中には届けを出していないところもある。
たいていが小規模の家族経営で、食事を出す建前に、「親しい客に家族の食事を分けただけで、お金をもらっていない」。


私の親しいピエモンテの中堅のワイナリーのアグリは、ご主人が葡萄園の管理とワイン作りを、奥さんがアグリとワインの輸出を担っている。また奥さんのシルヴァーナはワインの勉強に来る人たちの相手をし、バイヤーたちにはワインの試飲会も行う。シルヴァーナは調理師の資格は持っているが、客には食事を提供しないし、届けも出していない。多忙で宿泊客の食事は作れないというのだ。
宿泊者の各部屋にはミニキッチンが付いており、共同の食堂のキッチンには、彼女のサービスでパスタ類やオーガニックの野菜や果物、お菓子、調味料などが用意されている。
宿泊客は足りないものをスーパーなどで購入して自分たちで作る。
彼女や彼女の家族は宿泊客の作った食事に招待されることがよくある。
隣棟になっている彼女の家庭では彼女が食事を作ることもあるが、たいていはおばあちゃん。


シルヴァーナのアグリと、もう長い付き合いになった私は彼女のところに行くと、食事は彼女の家族と一緒に摂る。そこではおばあちゃんの手作りの野菜のSotto acetoや Caponata、鶏が産んだばかりの卵の料理などがテーブルにのぼる。
もちろん、料金は取らない。宿泊料も取らなくなってしまった。
                              Emi

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