日伊相互文化普及協会

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味付けは音楽で

2007-04-06 13:04:06 | Weblog
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ローマ時代が築かれる、ずっと、ずっと昔。
今のトスカーナとウンブリア、そしてラツィオにまたがってエトルリア人が住んでいました。
彼らは地下都市を築いたのですが、なんで地下にもぐったのか、謎がたくさん残ってます。



エトルリア人はとっても高度な文化を持ってましたが、あとからノソリ、ノソリと現れて、いっきに勢ったローマ人に滅ぼされてしまいました。
あの頃のローマ人の突っ走りはフィレンツェのイノシシも及ばないでしょう。


濃い草色がエトルリアの領域。薄い草色は紀元前750~500年にかけての拡張


エトルリア人の文化はローマ人に受け継がれたものがたくさんあります。
そのあと生活習慣、建築、特に健康に関して、今は全国に普及したもので、特にエトルリア文化として意識されていないものも多いといいます。

エトルリア人達の墓は、色鮮やかな壁画で飾られていました。
上は鳥占い師の墓に描かれたレスラー。


建築や絵画といった美術、文化に加えて、彼らの日常生活や、宗教観について、最も多くの情報を現代に提供するのは、何千基にも及び並ぶ墓-死者の町とも呼ばれるネクロポリスです。




私はうちの協会で行っているイタリア研修で、何度も彼等が築いた古代地下都市を見ています。
起伏のある地下の道や住居、小川のあとや井戸、ワインの醸造所、オリーブオイルの精製所、家畜小屋、食料加工生産所などは、想像力を働かせて当時を偲ぶと、壮大な絵巻になってクラクラします。
このことはまた次回に書きますね。




音楽について。
美味しいものを食べながら音楽を聴くのが好きな人もいます。
食べることに神経を集中したい人で、食事中の音楽を嫌がる人がいます。
また、「会話」が大切な人にとって、頼まれない音楽は邪魔です。
でも食べながら、軽口を叩いてふざけあうには音楽は活気を煽ってくれます。例えば宴席のようなところではないでしょうか。
まあ、時と場合によってですよね。人の心はいつも違うから、と思うのですが。


宴の様子は墓石壁画に最も多く用いられました。



でもエトルリア人には音楽は食と一体で、音楽そのものが食のようでした。
音楽は塩や、出汁、香辛料と同じでキッチンには必要不可欠だったようです。
壁画や文献を見ると厨房には必ず楽器の演奏者がいるのです。
調理人を喜ばすためでは、はっきりいってないそうです。
厨房で音楽を奏でると食材の旨みはグングン増して、料理のティストもアップすると信じられていたそうです。
今日の麦は挽きが荒いから、この麦粉に笛を聴かして、まったりさせようとでもいうのでしょうか。太鼓の音は控えめにして、とかなんでしょうか。



そして、食卓。
そこでも音楽が奏でられます。大切な調味料のように。
とても繊細な音楽だったのではと偲ばれます。
岩塩や野の香辛料、出汁の間を縫って奏でる音楽。
邪魔をせず、でしゃばりもせず。そして料理の味をメロディやアクセント(起伏)で盛り上げる・・・。


こちらは男女の踊り子。酒神バッカスの踊りに没頭しています。



たくさんの人がエトルリア人の謎とロマンを探ろうとする気持ち、う~ん、分かるような、でもエトルリア人は分かるようで全然分からない。

音楽って大事だなあっておもいます、
音、音です、生活に入り込んでますよね。

皆さんは音楽と食事の関係についてどう考えていますか?

日伊相互文化普及協会        Emi

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7 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-04-07 09:40:46
単なる洞穴と違う見応えのある地下都市でした。
地下に住んだのは、気候にも関係するのでしょうか。

子供達の活動に音楽を使います。
集中する時の音楽、リラックスする時の音楽、食事中の音楽。
音声の入った音楽は左脳を刺激して集中する時には向かないとか。

音楽の効能は計り知れないですね。
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Unknown (モッチ)
2007-04-07 09:44:38
↑名前を入れず投稿しました。
 すみません。
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Unknown (emi)
2007-04-07 11:31:04
モッチさん
音楽の効果に詳しいようですね。
ぜひ、いろいろ知りたいです。
私はまったりとしている時が大好きなんですが、どんな音楽がいいのでしょう。
子供たちに聴かせる音楽の中で良さそうなものがあったら教えて下さい。
子供に効果のあるものは大人にもとてもいいのではと思います。
モーツアルトは免疫機能を上げるといいますね。
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食と音楽。。 (冬色シュン)
2007-04-08 01:15:33
emiさん

こんばんは。古代エトルリア人の話は、ちょっと知ってましたが、食と音楽に関することは、まったく知りませんでした。

わたしは、個人的な興味で「音」や「音楽」「音響」に関する書籍をいろいろと読んでいます、、が、、食と音楽が語られることは、ほとんど例がないような???

わたしは、音楽は多分好きな方だと思いますし、実際、家でも古典から現代音楽まで聞きますし、コンサートにも行きます。。

現代に通じる音楽のベースは、リズムや声として太古からあったのでしょうが、ヒルデガルドビルゲン辺りが、(14c)私の持っている最も古いものです。その語のグレゴリアンチャントなどは、宗教を背景にいろいろありますよね?!

体系的なものとしては、やはり、ヴェニスのヴィバルディあたりからなのかな???(彼の全集をみますと、声楽曲が多いです。(スターバトマーテルなど、、))

ちょっと興味を引かれる内容なので、調べてみたいですね!!

モーツアルトの曲は、確かに免疫力が上がる方もいらっしゃる様です。(風邪の時にBGMで聞いていると早くなおったり、お花が元気になったりするみたいですから、、。

一度クレモナ辺りの工房をたずねて、聞いてみたい気もいたします。。

何かわかったら、教えて下さい。。

シュン拝
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Unknown (emi)
2007-04-08 02:04:35
シュンさん
食卓でも味を良くするために音楽が奏でられていたと聞いた時は驚きました。
何か調べて分かったら教えて下さい。

私はわりと音楽が好きなので、食事とは切り離して両方とも別々に味わいたい方です。


クラッシックでは誰というより、この曲が好き!という感じです。
ポップスも聴いてます。

シュンさんは音楽にも詳しいようですので、いろいろお話を聞かせて欲しいと思います。

クレモナはぜひ訪れてみてください。

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Unknown (モッチ)
2007-04-09 18:15:06
モーツアルト療法のCDから選んでいます。
リラックスする時、集中する時、食事時の曲があります。
昼寝には、オルゴールのバッヘルベルのカノンをかけていますが、よく寝てくれます。
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Unknown (emi)
2007-04-10 00:33:27
バッハは私も好きです。
こんどこの家で流してみます。みんな眠っちゃうかも。
娘が帰国して、よくモーツァルトをかけてます。聴きながら娘は眠ってしまうので、息子がマルトノという楽器の音楽にかけなおしています。

春でしょうか、なんだかこの頃ボケている時が好きです。
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