東北大学公共政策大学院の中核的カリキュラムである
公共政策ワークショップⅠの中間報告会(2日目)がきょう行われました。
発表はワークショップC、ワークショップDの順に行われました。
C:東アジアにおける地域協力:日本の平和と繁栄を実現するための推進の方途
D:地方自治体の独自課税(最終報告:社会人チーム)
ふたつのグループのメンバーの方、お疲れさまでした。
コメントを活かしながら、ブラッシュアップされることを祈っています。
(正直、中間報告はあくまで途中経過…ここからの頑張り次第です)
とりあえず思ったことを何点か書いてみます。
(ここまではほとんどコピペしちゃいました…ごめんなさい)
【ワークショップCについて】
↑ワークショップC発表の様子
(1)絞った過程を明確に記すこと
ワークショップCの発表は東アジアEPA締結を目指すためには、
まず日本の農業問題とエネルギー問題を解決する必要があるという問題意識でした。
しかしこの間には、かなりの隔たりがあるような気がしています。
そのあたりまで絞っていくのはいいのですが、結局各論に入る前に、
なぜ他の選択肢はなぜとらないのか?の明確な論拠が薄い印象でした。
その選択肢を示した上で絞っていくとより説得的になるような気がします。
(2)いつまでやればEPAのゴーサインが出るのか?
結局、農業問題に代表されるように、日本農業の構造改善を進めるにしても、
それはいままでの農政がチャレンジしつづけてきた問題だと思います。
それでも日本農業の構造改善につながっていないという事象を
どう評価するのかがやはり問題かなぁと思いました。
それに、今までどのくらい資金が投入されてきたのか、
あとどのくらい目標を達成すれば、この農業問題とエネルギー問題が解決し、
日本がEPA交渉でイニシアティブを発揮できるのかが見えませんでした。
(3)問題解決の手法が大目標のEPA締結と結びついていない
結局、農業問題とエネルギー問題を解決したところで、
東アジアEPAが締結できるという保障はどこにもありません。
むしろFTAやEPAが推進されてきた背景には、WTOの枠組みでの
多国間交渉の行き詰まりという問題があるように感じています。
それをASEAN+6の16カ国の多国間EPAを結ぶというのに、
どのくらい労力を割くことができるのでしょうか?
それに、どのくらいの期間がかかるのでしょうか?
実業界から見れば、二国間交渉で決められるところを先に決めて欲しいと
考えるような気がしますが、その点に言及がなかったのは残念です。
(4)課題解決によって得られる効果の大きさは?
東アジアEPAを締結して日本に得られるのは経済成長5兆円だと言われているそうです。
日本の年間GDPは約500兆円ですから、ようは1%の経済成長です。
1%の経済成長を目指すために、どれだけの資金を内政で投入する必要があるのか
―つまり農業問題を解決した際の効果やエネルギー問題での効果も合わせて
示すことができなければ、「なんだそれだけのために…」という話になりかねません。
【ワークショップDについて】
↑ワークショップD発表の様子
(1)絞った過程と問題意識を示すこと
今回はじめてのワークショップ社会人チームです。
社会人であるがゆえに、か分かりませんが、やっぱり発表は分かりにくかったです。
というのも、彼らの問題意識があまり発表から見えなかったからです。
ほんとうにこの問題を解決したいという熱い思い(それがいるかは分かりませんが…)、
対象分野への「愛」が少なかったような気がしました(去年のMk原先生の名言)。
そういう意味ではなぜ独自課税なのか?なぜ宮城県なのか?なぜ産廃税なのか?
という点はあまりクリアではなく、とりあえず産廃税だろう的なトコがありました。
(2)問題解決の対象と政策提言の対象範囲の小ささの整合性は?
結局、大きな公益は産廃税の場合、産業廃棄物の減少だと思います。
その点に関して、どうして他の手段では問題があるのか、
他の手段と比べて産廃税がいかに有効なのかを示す必要があったかと思います。
政策提言の対象も、条例に一文を加えたり、3つの事業を目的税での措置から
普通税で手当てすることを目指すようなテクニカルな論に矮小化されています。
それでほんとうに産廃税の内在する問題自体が解決するのか、
そして公益である「産業廃棄物の減少」が見込まれるのかは、
もう少し大きな枠組みで話をしないと厳しいのではないかと思いました。
(3)政策提言が提言たりうる体をなしていない
特に、3つの事業を目的税での措置から普通税で手当することを提言したと言っていますが、
これは実際なかなかリアリティを持たない気がしています。
実際、目的税である以上、ある問題に特化した目的に使用しなければならず、
そのような目的を持つ事業がどの程度あるのかということです。
実際に有効な事業を提案して、目的税がどのように使われるかを明確にしてこそ、
政策提言の意義というものが認められるような気がします。
普通税で手当すべきという3つの事業自体の可否を問わず、
一般税で手当することなど、それこそ評価がなされていないという点で
非常なムダを内在しているといえそうです。
そんな感じの中間報告会でした。わたしも頑張らなければ!
公共政策ワークショップⅠの中間報告会(2日目)がきょう行われました。
発表はワークショップC、ワークショップDの順に行われました。
C:東アジアにおける地域協力:日本の平和と繁栄を実現するための推進の方途
D:地方自治体の独自課税(最終報告:社会人チーム)
ふたつのグループのメンバーの方、お疲れさまでした。
コメントを活かしながら、ブラッシュアップされることを祈っています。
(正直、中間報告はあくまで途中経過…ここからの頑張り次第です)
とりあえず思ったことを何点か書いてみます。
(ここまではほとんどコピペしちゃいました…ごめんなさい)
【ワークショップCについて】
↑ワークショップC発表の様子
(1)絞った過程を明確に記すこと
ワークショップCの発表は東アジアEPA締結を目指すためには、
まず日本の農業問題とエネルギー問題を解決する必要があるという問題意識でした。
しかしこの間には、かなりの隔たりがあるような気がしています。
そのあたりまで絞っていくのはいいのですが、結局各論に入る前に、
なぜ他の選択肢はなぜとらないのか?の明確な論拠が薄い印象でした。
その選択肢を示した上で絞っていくとより説得的になるような気がします。
(2)いつまでやればEPAのゴーサインが出るのか?
結局、農業問題に代表されるように、日本農業の構造改善を進めるにしても、
それはいままでの農政がチャレンジしつづけてきた問題だと思います。
それでも日本農業の構造改善につながっていないという事象を
どう評価するのかがやはり問題かなぁと思いました。
それに、今までどのくらい資金が投入されてきたのか、
あとどのくらい目標を達成すれば、この農業問題とエネルギー問題が解決し、
日本がEPA交渉でイニシアティブを発揮できるのかが見えませんでした。
(3)問題解決の手法が大目標のEPA締結と結びついていない
結局、農業問題とエネルギー問題を解決したところで、
東アジアEPAが締結できるという保障はどこにもありません。
むしろFTAやEPAが推進されてきた背景には、WTOの枠組みでの
多国間交渉の行き詰まりという問題があるように感じています。
それをASEAN+6の16カ国の多国間EPAを結ぶというのに、
どのくらい労力を割くことができるのでしょうか?
それに、どのくらいの期間がかかるのでしょうか?
実業界から見れば、二国間交渉で決められるところを先に決めて欲しいと
考えるような気がしますが、その点に言及がなかったのは残念です。
(4)課題解決によって得られる効果の大きさは?
東アジアEPAを締結して日本に得られるのは経済成長5兆円だと言われているそうです。
日本の年間GDPは約500兆円ですから、ようは1%の経済成長です。
1%の経済成長を目指すために、どれだけの資金を内政で投入する必要があるのか
―つまり農業問題を解決した際の効果やエネルギー問題での効果も合わせて
示すことができなければ、「なんだそれだけのために…」という話になりかねません。
【ワークショップDについて】
↑ワークショップD発表の様子
(1)絞った過程と問題意識を示すこと
今回はじめてのワークショップ社会人チームです。
社会人であるがゆえに、か分かりませんが、やっぱり発表は分かりにくかったです。
というのも、彼らの問題意識があまり発表から見えなかったからです。
ほんとうにこの問題を解決したいという熱い思い(それがいるかは分かりませんが…)、
対象分野への「愛」が少なかったような気がしました(去年のMk原先生の名言)。
そういう意味ではなぜ独自課税なのか?なぜ宮城県なのか?なぜ産廃税なのか?
という点はあまりクリアではなく、とりあえず産廃税だろう的なトコがありました。
(2)問題解決の対象と政策提言の対象範囲の小ささの整合性は?
結局、大きな公益は産廃税の場合、産業廃棄物の減少だと思います。
その点に関して、どうして他の手段では問題があるのか、
他の手段と比べて産廃税がいかに有効なのかを示す必要があったかと思います。
政策提言の対象も、条例に一文を加えたり、3つの事業を目的税での措置から
普通税で手当てすることを目指すようなテクニカルな論に矮小化されています。
それでほんとうに産廃税の内在する問題自体が解決するのか、
そして公益である「産業廃棄物の減少」が見込まれるのかは、
もう少し大きな枠組みで話をしないと厳しいのではないかと思いました。
(3)政策提言が提言たりうる体をなしていない
特に、3つの事業を目的税での措置から普通税で手当することを提言したと言っていますが、
これは実際なかなかリアリティを持たない気がしています。
実際、目的税である以上、ある問題に特化した目的に使用しなければならず、
そのような目的を持つ事業がどの程度あるのかということです。
実際に有効な事業を提案して、目的税がどのように使われるかを明確にしてこそ、
政策提言の意義というものが認められるような気がします。
普通税で手当すべきという3つの事業自体の可否を問わず、
一般税で手当することなど、それこそ評価がなされていないという点で
非常なムダを内在しているといえそうです。
そんな感じの中間報告会でした。わたしも頑張らなければ!