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誰がプランBをつくるのか

2006年03月18日 | 政治・行政
村尾信尚編『日本を変えるプランB』(関西学院大学出版会、2005年)を読みました。
「プランA」とは、経済成長ありきのこれまでの政策体系のことを指します。
「プランB」とは生産者から消費者へ、税金を使う側から納税者へ、官から民へ、
といった視点を変えた政策群のことを指しているみたいです。

で、こういった「プランB」を作るときに、
「誰がプランBをつくるのか」という根本的な課題があります。
「プランA」の政策をつくるのは、霞ヶ関の中央官庁であったり、
地方の役所であったりというのが想定されているのだと思います。

日本は政策形成の多元性が低いことが問題なのではないかと考えています。
「プランB」は「プランA」の代替案ということが言えると思いますが、
あまりに政策形成の資源が行政に偏りすぎているのではないでしょうか。
その問題意識の表れが「市民参加による政策形成」を卒論で取り上げた一因です。

「プランA」に「プランB」のスパイスを組み込むことが市民参加の大きな目的です。
そして「プランB」をつくるべきなのは、シンクタンクやコミュニティシンクタンク、
そしてNPOなどが想定されると思われます。
これらがさらに政策形成能力を高めていく必要があると考えています。
特にNPOには、その政策形成能力を高めるために政策提言型組織との協力が不可欠です。

「日本最大のシンクタンクは霞ヶ関の中央官庁である」とよく言われます。
わたしも現実はまさにそのとおりだと思うのですが、
それを少しでも変えるべきだという考えを持っています。

そのためには、公務員が「プランB」をつくる組織に出向し、
「プランB」をつくる人たちが「プランA」をつくっていた組織に行くのがよいのでは??
ある程度、このあたりでの雇用の流動化を進めることが重要だと感じます。
(この本にもそのあたりのことが少し触れられていました)