typeKIDS Report

活字書体を使う人のための勉強会

「活字書体設計師」という理由

2018年09月02日 | typeKIDS_Tidbit
数年前から中国で講演する機会が何回かありました。そのときに、冒頭の挨拶ぐらいは中国語でやればツカミとして受けるんじゃないかと考えたわけです。
  我是字体设计师。(我是字體設計師。)
職種についてはこのように言います。英語では(英語で挨拶する機会はありませんが)次のようになります。
  I am a typeface designer.
プロフィールに職種が掲載されることもありますが、英語ではtypeface designer、中国語では字体设计师(字體設計師)となります。そこで、日本語でプロフィールを記すときも、このふたつの呼び方を併用するようにしました。
ただ日本の場合、「字体」ということばは、例えば「学と學との違い」というような意味で使うことが多いので、混乱をさけるために「字体」を「活字書体」に変えています。「活字組版」を「活版」というように、「活字書体」を省略して「字体」となったとも捉えられるかなと(こじつけですが)思っています。
「活字書体」にするもうひとつの理由として、「書体」だけにすると、書写でいう「楷書体や隷書体の違い」と混同されることが考えられるからです。ここでいう「活字」とは、金属活字に限った狭義の意味の「活字」ではなく、書字・レタリングに対しての広義の意味の「活字」で、写真植字、デジタルタイプも含まれています。
また英語のtypefaceと対応させて、typeということを強調したいということもあります。英語ではtype designerということもあります。短くする場合には、「書体設計師」とするより「活字設計師」あるいは「活字体設計師」とするほうが望ましいと思っています。むしろ「活字体設計師」の方がいいかなあと思えてきました。中国語の「字体設計師」に活を入れる!だけなので……
実は、英語、中国語由来ではなく、日本オリジナル(和語)の呼び方にできないものかと考えたことがあります。例えば「まなかなのたくみ」とか……。どうもしっくりきませんね(笑)。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿