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typeKIDS Report

活字書体を使う人のための勉強会

typeKIDS Meeting Autumn 2019, Report 3

2019年10月08日 | typeKIDS_Meeting


[随想]私の手動写植機時代

就職したのが写真植字機のメーカーで、配属が書体デザインのセクションでしたから、手動写植機文字盤用の書体制作が仕事になり、ここで初めてタイプデザインをすることになりました。
最初の仕事が石井細明朝体、次の仕事が石井中ゴシック体でした。これらは古くからの書体で、画質修整をするという作業でした。新しい字種を制作すると言うことではなかったのですが、そのセクションの書体デザイナーでも仕事として石井細明朝体、石井中ゴシック体に携われることは意外に少ないので、書体の基礎を知る上でもラッキーだったと思っています。
入社一年目に「第5回・石井賞創作タイプフェイスコンテスト」があることを知り、応募しました。当時は「ゴナU」や「スーボ」といった超特太書体が人気だったので、そういう書体で応募したところ、幸いにも佳作になりました。その後、「第7回・石井賞創作タイプフェイスコンテスト」に応募し、商品化されることになったのが「ボカッシイ」という書体です。

「ボカッシイ」使用例






typeKIDS Meeting Autumn 2019, Report 2

2019年10月07日 | typeKIDS_Meeting
株式会社文字道写植工房見学会

東京都東村山市にある株式会社文字道写植工房にあった手動写植機用書体見本帳。この写真は第46版だ。





写真植字機の初期に制作された石井中明朝体、石井太ゴシック体は、東京築地活版製造所の活字書体を復刻することから始められている。



市販されているほぼすべての写植文字盤も保有されており、文字盤専用の「サガサーヌ」というロッカーに収められている。





株式会社文字道は、現在でも稼働する万能手動写植機PAVO–KY、小型手動写植機SPICA–AHをはじめ、数台の手動写植機を保有されている。





写研の手動写植機カタログ。





typeKIDSで、その写植工房を見学する機会を得た。当日は、株式会社文字道の伊藤義博さんに実演をまじえて、写植機の機能を中心に説明していただいた。


追記1 横組用日本語書体「いまりゅうD」





横組用日本語書体「いまりゅうD」のメインプレート。この書体は14/16em(28/32em)で設計されている。縦組み用の音引きや約物は収録していない。



「いまりゅうD」の漢字文字盤(汎用外字)。14/16em(28/32em)で使う。



「いまりゅうD」のTかな文字盤(プロポーショナル)。16ユニットシステムで設計されており、和字書体の場合は、8ユニット(8/16em)から16ユニット(16/16em)の範囲で自動送りができる。右端の赤くなっている数字がユニット数を表している。



「いまりゅうD」のE欧文文字盤(プロポーショナル)。欧字の場合は、4ユニット(4/16em)から16ユニット(16/16em)の範囲で自動送りができる。右端の赤くなっている数字がユニット数を表している。左側にある右肩にSがついた文字がカーンドレター。合字なども収録されている。



※書体によって、2ユニット(2/16em)から14ユニット(14/16em)の範囲で自動送りができる文字盤もある。

追記2 縦組用日本語書体「今宋M」

縦組用日本語書体「今宋M」のメインプレート。基本的には長体2で使用する設計になっている。



横組み用の音引きや約物は収録していない。欧字書体は記号用として、漢字、和字と同じく右上がりに設計されている。E欧文文字盤は制作していない。


このほかにも多くの特殊文字盤や貴重な資料を次から次へと見せていただき、充実した時間を過ごすことができた。


文・今田欣一



typeKIDS Meeting Autumn 2019

2019年10月06日 | typeKIDS_Meeting
2019年10月5日(土)13:30〜17:00、川越市産業観光館・小江戸蔵里つどい処展示蔵ギャラリーで「typeKIDS Meeting Autumn 2019」を開催しました。

展示 漢字書体二十四史より……過渡期明朝体「武英」

前回は和字書体を展示したので、今回は漢字書体を展示しました。壁一面を過渡期明朝体「武英」の出力物で埋め尽くし、大きさ、太さ、ディテールの調整方法、バランスの取りにくい漢字の捉え方などを確認していきました。






読書会

『欣喜堂活字入門帖』の会読をしました。まず、『欣喜堂活字入門帖』の押さえておきたいツボのようなところの説明から入りました。かた苦しいものではなく、ゆる〜い雰囲気で、脱線しながら、興味深い話になったと思います。




typeKIDS Workshop
株式会社文字道写植工房見学会

「typeKIDS Meeting Autumn 2019」に先立ち、株式会社文字道写植工房見学会を行いました。
本川越駅から西武新宿線で東村山駅へ。本が詰まった荷物はコインロッカーに預けました。



株式会社文字道写植工房は、東村山駅から徒歩15分ぐらいのところにあります。昭和の雰囲気を色濃く残している建物でした。



万能手動写植機PAVO–KY、小型手動写植機SPICA–AHをはじめ、数台の手動写植機が所狭しと置かれていました。





写植機の仕組みなどを中心に、「写植寅さん」こと伊藤義博さんに実演・説明していただきました。



「サガサーヌ」という文字盤専用のロッカーには、大量の文字盤が入っていました。写植関係の資料も山積みになっていました。



伊藤さん、ありがとうございました。