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typeKIDS Report

活字書体を使う人のための勉強会

第12回 セリフ・スラブセリフ・サンセリフ

2017年12月03日 | typeKIDS_Seminar
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セリフ・スラブセリフ・サンセリフ
日時:2017年12月3日(日)13:00−14:00
場所:喫茶室ルノアール川越店

東京芸術劇場(Tokyo Metropolitan Theatre)のミーティングルーム1(Meeting Room 1)で、2016年7月2日(日)に開催されたセミナーの内容を復習しました。(独習です)


1 スラブセリフ

『西洋活字の歴史:グーテンベルグからウィリアム・モリスへ』(スタン・ナイト著、高宮利行監修・翻訳、安形麻里翻訳、慶應義塾大学出版会、2014年)

スラブセリフ体では「19世紀の活字」でロバート・ベズリ(Robert Besley)の書体が取り上げられています。成立が新しいサンセリフ体については記載がありません。

■こちらも参考にしました!
『文字百景090 クラレンドン一族の系譜(一) カテゴリーとルーツ』(森澤茂著、朗文堂、2000年)
『文字百景091 クラレンドン一族の系譜(二) レジビリティとニュー・スタイル』(森澤茂著、朗文堂、2000年)

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2 サンセリフ

『The Helvetica Book ヘルベチカの本』(大谷秀映著、エムディエヌコーポレーション、2005年)



「ヘルベチカの本」というタイトルなので、「Chapter 01 Helvetica」では、ヘルベチカの歴史と生い立ち、特徴を解説していますが、「Chapter 02 Sans–Serif」ではサンセリフの歴史や分類、さらに「Chapter 03 Typeface」、「Chapter 04 Designers and Books」というように、ヘルベチカを中心にしながらも欧文書体の全体にまで展開しています。



この本の「Chapter 02 Sans–Serif」では、サンセリフを「グロテスク(Grotesque)」と「ネオグロテスク(Neo Grotesque)」、「ジオメトリック(Geometric)」、「ヒューマニスト(Humanist)」の4グループに分類しています。
「グロテスクは、19世紀のサンセリフが作られた当時の無骨なデザイン特徴を持つグループ」とされ、アクチデンツグロテスク(Akzidenz Grotesque)、フランクリンゴシック(Franklin Gothic)、ニュースゴシック(News Gothic)が取り上げられています。この本の主役であるヘルベチカ(Helvetica)は「ネオグロテスク」のグループで、ほかにユニバース(Univers)、フォリオ(Folio)が取り上げられています。
「ジオメトリックは、直線と真円に近い要素によって幾何学的に設計されたグループ」とされ、フツーラ(Futura)、カーベル(Kabel)、ノイツァットグロテスク(Neuzeit Grotesque)などが取り上げられています。
「ヒューマニストは、古典的な骨格やプロポーションを持った書体」で、ギル・サン(Gill Sans)、シンタクス(Syntax)、オプチマ(Optima)が取り上げられています。

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3 セリフ

スラブセリフ、サンセリフとの関連で、ローマン体のことを「セリフ」として分類されるようになったと言われています。
『西洋活字の歴史:グーテンベルグからウィリアム・モリスへ』では「20世紀の活字」については取り上げていませんが、「センチュリー(Century)」、「「ガウディ・オールドスタイル(Goudy Old Style)」、「タイムズ・ニュー・ローマン(Times New Roman)」、「サボン(Sabon)」などがあります。


終わりに……

『欧文書体2 定番書体と演出法』(小林章著、嘉瑞工房監修、美術出版社、2008年)



活字書体は使われなければ意味がありません。この『欧文書体2 定番書体と演出法』では、定番書体の効果的な使い方を、海外での使用事例などにより実践的に紹介しています。日本語書体の使い方を考える上でも参考になります。


第11回 ローマン体の変遷

2017年11月05日 | typeKIDS_Seminar
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ローマン体の変遷
日時:2017年11月5日(日)13:00−14:00
場所:喫茶室ルノアール川越店

東京芸術劇場(Tokyo Metropolitan Theatre)のミーティングルーム1(Meeting Room 1)で、2016年7月2日(日)に開催されたセミナーの内容を復習しています。(独習です)

自主勉強会の第3回も喫茶室ルノアール川越店で。



今回は、イベントの時にはステージになる少し高くなっている席に陣取ることにしました。



『西洋活字の歴史:グーテンベルグからウィリアム・モリスへ』(スタン・ナイト著、高宮利行監修・翻訳、安形麻里翻訳、慶應義塾大学出版会、2014年)



今回取り上げる活字書体は、「ネオクラシカル活字」、「合理主義的活字」、そして「19世紀の活字」に分類されています。一般的には、トランジショナル・ローマン体、モダン・ローマン体とされています。
まず「ネオクラシカル活字」としては、ピエール=シモン・フルニエ(Pierre-Simon Fournier)の活字書体、ジョン・バスカヴィル(John Baskerville)の活字書体などが取り上げられています。つぎに「合理主義的活字」としては、フィルマン・ディド(Firmin Didot)の活字書体、ジャンバティスタ・ボドニ(Giambattista Bodoni)の活字書体などが取り上げられています。「19世紀の活字」では、リチャード・オースティン(Richard Austin)の活字書体、アレクサンダー・フェミスター(Alexander Phemister)の活字書体などが取り上げられています。


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第10回 ローマン体の誕生と伝播

2017年10月05日 | typeKIDS_Seminar
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ローマン体の誕生と伝播
日時:2017年10月1日(日)13:00−14:00
場所:喫茶室ルノアール川越店

東京芸術劇場(Tokyo Metropolitan Theatre)のミーティングルーム1(Meeting Room 1)で、2016年7月2日(日)に開催されたセミナーの内容を復習しています。(独習です)

第2回はヴェネツィアから出発します。



『書物のなかの宝石』(京都造形芸術大学通信教育部情報デザインコース補助教材、京都造形芸術大学、2001年)掲載の図版「欧文活字書体の伝播」。ローマン体活字は、イタリアで産声をあげ、フランスを経て、オランダ、イギリスへと北上していきます。



『西洋活字の歴史:グーテンベルグからウィリアム・モリスへ』(スタン・ナイト著、高宮利行監修・翻訳、安形麻里翻訳、慶應義塾大学出版会、2014年)

この書物は、活版印刷の誕生から20世紀初頭までのすぐれた活字書体を、その活字が使われた書物の図版と解説で時代順に紹介しています。



今回取り上げる活字書体は、「イタリア・ルネサンスの活字」、「フランス・ルネサンスの活字」、「バロック活字」として分類されています。一般的には、ヴェネツィアン・ローマン体、オールド・ローマン体とされています。
まず「イタリア・ルネサンスの活字」としては、ニコラ・ジェンソン(Nicolas Jenson)の活字書体、アルドゥス・マヌティウス(Aldus Manutius)の活字書体などが取り上げられています。つぎに「フランス・ルネサンスの活字」です。クロード・ギャラモン(Claude Garamond)の活字書体、ロベール・グランジョン(Robert Granjon)の活字書体などが取り上げられています。「バロック活字」では、クリストフェル・ファン・ダイク(Christoffel van Dijck)の活字書体、ウィリアム・キャズロン1世(William CaslonⅠ)の活字書体などが取り上げられています。


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第9回 カリグラフィからタイポグラフィへ

2017年09月17日 | typeKIDS_Seminar
第9回 カリグラフィからタイポグラフィへ
記録:今田欣一
日時:2017年9月3日(日)13:00−14:00
場所:喫茶室ルノアール川越店

東京芸術劇場(Tokyo Metropolitan Theatre)のミーティングルーム1(Meeting Room 1)で、2016年7月2日(日)に開催されたセミナーの内容を復習しています。(独習です)

欧字の第1回は「カリグラフィからタイポグラフィへ」。和字においても、漢字においても、欧字においても、活字書体の基本は書字にあると思います。漢字の書道に相当するものとして、欧字ではカリグラフィと言われます。参考にした4冊の書物について記しておきたいと思います。

『西洋書体の歴史:古典時代からルネサンスへ』(スタン・ナイト著、高宮利行訳、慶應義塾大学出版会、2001年)



この書物はカリグラフィの歴史に関する翻訳本です。歴史の順番に基づいて写本の拡大・実寸の図版と解説で構成して紹介されています。ギリシャ・ローマの碑文、大文字(マジュスキュル)、小文字(ミニュスキュル)の出現、ゴシック体、ヒューマニスト体、イタリック体まで、細かく分類されています。


『もっと知りたいカリグラフィー―絵と写真で見る歴史と技法』(ディヴィッド・ハリス著、小田原真喜子監修、弓狩直子翻訳、雄鶏社、1997年)



この書物は、インペリアルキャピタル、ローマ時代および後期ローマ時代の書体、インシュラーおよびナショナル・スクリプト系の書体、カロリンおよび初期ゴシック系の書体、ゴシック系の書体、イタリアおよびヒューマニスト系の書体(イタリック体など)、ルネッサンス期以降の書体(カッパープレート体など)までの26種について、構成要素と基礎的ストロークを豊富な図版で解説しています。


『カリグラフィー講座テキスト1 イタリック体』、『カリグラフィー講座テキスト2 ブラックレター・ゴシック体』、『カリグラフィー講座テキスト3 カッパープレート体』、(日本カリグラフィー協会編、一寸社発行、発行年不明)



これは私が受講したカリグラフィー講座のテキストです。カリグラフィの基本3書体といわれるブラックレター・ゴシック体、イタリック体のほか、カッパープレート体を習うことになっています。


『西洋活字の歴史:グーテンベルグからウィリアム・モリスへ』(スタン・ナイト著、高宮利行監修・翻訳、安形麻里翻訳、慶應義塾大学出版会、2014年)

「カリグラフィからタイポグラフィへ」ということで、活字書体化についてはこの本によって学習することにしました。
ブラックレター・ゴシック体は「中世の活字」としてヨハン・グーテンベルク(Johann Gutenberg)らが取り上げられています。イタリック体は「イタリア・ルネサンスの活字」でルドヴィコ・デリ・アッリギ(Ludovico degli Arrighi)らが、「フランス・ルネサンスの活字」でロベール・グランジョン(Robert Granjon)らが取り上げられています。出現が新しいカッパープレート体には記載がありませんでした。

■これも参考にしました!
『文字百景034 イタリックにおける書字と印刷活字1 Arrighi Chronicle 1522–1527』(白井敬尚著、朗文堂、1996年)
『文字百景035 イタリックにおける書字と印刷活字2 Arrighi Chronicle 1925–1969』(白井敬尚著、朗文堂、1996年)


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第8回 石井書体からモダンスタイルを考える

2017年01月27日 | typeKIDS_Seminar
第8回 石井書体からモダンスタイルを考える
話者:今田欣一
日時:2016年11月13日(日)15:15−17:15
場所:新宿区・榎町地域センター 工芸美術室


モダンスタイルの和字書体

石井細明朝体縦組用かな・横組用かな(1970年)は、スタイルの名称がないので、「オールドスタイル」「ニュースタイル」に合わせて、これを「モダンスタイル縦組用かな」「モダンスタイル横組用かな」ということにしよう。
この書体が発表された当時は、和字書体の字面を大きくして漢字書体とあわせようとする方向でした。この後に開発された平成明朝体、小塚明朝なども同じようなコンセプトだろうと思われます。
 もともとは、橋本和夫(1935- )氏が『日本レタリング年鑑』(日本レタリングデザイナー協会=現在の日本タイポグラフィ協会、1969年)に応募して入選した書体だが、石井細明朝体の和字書体として組み込まれました。
オールドスタイル、ニュースタイル、モダンスタイル(仮称)というみっつの和字書体は、意図的に計画されたのではないが、結果として、それぞれの時代を代表する書体として位置づけられる書体である。
昭和三〇年代の金属活字のなかにも、そのスタイルの萌芽がみられるようにも感じられました。いずれも私の父の蔵書からたまたま見つけ出したものです。そこに現れた本文の書体は、まさに昭和30年代の、高度成長期をイメージさせるふくよかな和字書体でした。
『死を開く扉』(高木彬光著、浪速書房、1959年)は、亨有堂印刷で印刷している。この本文書体から「ひばり」を制作しました。『センサスの経済学』(児島俊弘・関英二著、農林統計協会、1964年)は、農業に関する統計調査の書物である。この本文書体から「めじろ」を制作しました。
この書体に近いのが新聞書体です。一般に新聞用書体というときには扁平の本文書体をさします。新聞は用紙の質が悪いためか電子複写が叶わなかったのですが、『新聞の歴史』(羽島知之著、日本図書センター、1997年)に『九州タイムズ』(九州タイムズ社、1946年4月14日付)が所載されていました。これを参考にして和字書体「うぐいす」を制作しました。


榎町地域センター 工芸美術室


追記1 和字スクールブック

これまで見てきたドーンスタイル、オールドスタイル、ニュースタイル、モダンスタイルは、いわば彫刻系統の書体だといえます。これとは別に書写系統の書体もあります。これを和字スクールブックということにします。和字スクールブックは、小学校教科の書方手本や、木版印刷の教科書、教科書用活字書体(教科書体)として展開されました。
書方手本の『啓蒙手習之文』(福沢諭吉著、慶応義塾、1871年)は、国立国会図書館の電子複写サービスを利用しました。内田嘉一(晋斎、1846—1899)の書で、ひらがなの48字が1ページに2文字ずつ大きく書かれ、つぎにカタカナの48字が一ページにまとめて書かれています。これをもとに「ふみて」を制作しました。
木版印刷の教科書は、古本市をめぐって安価に入手できました。尋常中学校国語科教科書である『国文中学読本』(吉川半七、1892年)は、木版印刷で四つ目綴じになっています。この教科書から和字書体「まなぶ」を制作しました。『尋常小学修身書巻三』(東京書籍、1919年)は「修身」の教科書なので、二宮金次郎、本居宣長、上杉鷹山、徳川光圀、貝原益軒らが登場しています。この教科書から和字書体「さくらぎ」を制作しました。
金属活字の教科書は、父の蔵書の中に残されていました。『小學國語讀本 巻八』(文部省、1939年、東京書籍)です。井上千圃(高太郎 1872?—1940)は、大正時代の後半から国定教科書の木版の版下を一手に引き受けており、従来との一貫性をたもつということから文部省(現在の文部科学省)活字の版下も井上が描いています。これがいわゆる文部省活字で、教科書専用として制作されたために、のちに「教科書楷書体」「教科書体」とよばれるようになりました。この教科書から和字書体「しおり」を制作しました。


追記2 辞書、書籍、漫画にみられるアンチック体とゴシック体について

今回は、辞書、書籍、漫画にみられる和字書体のアンチック体とゴシック体について話しますが、その前に欧字書体のアンチック(Antique)とゴシック(Gothic)についてのおさらいをしておきましょう。
わが国において欧字書体としてのアンチック(Antique)とゴシック(Gothic)は、『BOOK OF SPECIMENS』(平野活版製造所、1877年)に見ることができます。現在ではアンチックはスラブセリフと呼ばれ、ゴシックはサンセリフと呼ばれています。
続いて、漢字書体のアンチック体とゴシック体を押さえておきましょう。『座右之友』(東京築地活版製造所、1895年)に「五號ゴチック形」と「五號アンチック形」が掲載されています。これが最初だというわけではありませんが、名称としては欧字書体がヒントになったのではないかと思われます。私は漢字書体についてアンチック体を安竹体、ゴシック体を呉竹体と表記するようにしたいと思っています。
そして、欧字書体、漢字書体を経て、和字書体にもアンチック体とゴシック体が登場しました。名称をいろいろ考えたのですが浸透することはなく、そのまま和字アンチック体、和字ゴシック体としています。

和字アンチック体は、辞書の見出し語、書籍の小見出し、漫画の吹き出しなどに用いられました。同じような使い方で用いられた和字書体に和字ゴシック体があります。どちらも漢字書体はおもに「ゴシック体」と組み合わされます。漢字書体の安竹体は、『座右之友』以降ではあまり発展しなかったようです。

辞書のアンチック体とゴシック体
中学生の時に使っていた『明解国語辞典改訂新装版』(三省堂、1968年)の見出し語はゴシック体、高校時代に使っていた『岩波国語辞典第二版』(岩波書店、1971年)の見出し語はアンチック体でした。
欣喜堂では、歴史的な辞書の見出し語に用いられている書体を復刻しています。アンチック体としては、『言海』(大槻文彦著、六合館、1931年)の見出し語から復刻した「たまゆら」、『辞苑』(新村出編、博文館、1935年)の見出し語から復刻した「ことのは」があります。
ゴシック体としては、『明解国語辞典』(金田一京助監修、三省堂、1943年)の見出し語から復刻した「ふじやま」があります。

書籍のアンチック体とゴシック体
書籍の小見出しにも和字アンチック体と和字ゴシック体が登場しています。手元にある『動物の研究』(布施久通著、三省堂、1947年)では小見出しにアンチック体が使われていますし、『センサスの経済学』(児島俊弘・関英二著、農林統計協会、一九六四年)の小見出しにゴシック体が使われています。
欣喜堂では、『新撰讃美歌』(植村正久・奥野昌綱・松山高吉編輯、警醒社、一八八八年)の見出し文字のアンチック体をベースに「みなもと」を制作しています。その字様は江戸文字に近いのですが、アンチック体の最初期のものだと考えられます。
前述の『センサスの経済学』にはゴシック体で組まれたページがあり、本文の近代明朝体と対になるようなゴシック体であるので、この和字書体をベースにして「めぐろ」を制作しました。
変わったところでは、謄写版印刷において草間京平によって考案された「沿溝書体」による『沿溝書体スタイルブック』(日本孔版文化の会、1952年)をもとに翻刻した「くろふね」があります。

ゴシック体は書籍からひらがなとカタカナそれぞれの50音のキャラクターを揃えるのは難しく、書体見本帳に頼らざるを得ません。
『活版見本』(東京築地活版製造所、1903年)の「五号二分ノ一ゴチックひらがな」をもとに復刻した「くらもち」、『活字と機械』(野村宗十郎編輯、東京築地活版製造所、1914年)の五號ゴシック体の和字書体を復刻した「はるか」、『活版総覧』(森川龍文堂活版製造所、1933年)の12ポイント活字をもとにした「くれたけ」、『活字見本帳』(民友社活版製造所、一九三六年)の五號ゴシック体の和字書体を復刻した「ますらお」があります。

漫画のアンチック体とゴシック体
アンチック体は、現代では「漫画用の書体だ」と考えられるほど広く使われています。この場合も漢字書体の呉竹体と組み合わせる場合が圧倒的に多くなっています。


補足1 欧字書体のアンチック(Antique)とゴシック(Gothic)



欧字書体としてのアンチック(Antique)は、『BOOK OF SPECIMENS』(平野活版製造所、1877年)にあらわれています。現在ではスラブセリフと呼ばれるカテゴリーに属する書体です。



同書にはゴシック(Gothic)という書体も掲載されています。現在ではサンセリフと呼ばれるカテゴリーに属する書体です。


補足2 漢字書体のアンチック体とゴシック体



漢字書体のアンチック体は、『座右之友』(東京築地活版製造所、1895年)に掲載された「五號アンチック形」があります。また漢字書体のゴシック体も「五號ゴチック形」として掲載されています。


補足3 和字書体としてのアンチック体とゴシック体

辞書の見出し語、書籍の小見出し、漫画の吹き出しなどに用いられた和字書体に「アンチック体」があります。同じような使い方で用いられた和字書体に「ゴシック体」があります。どちらも漢字書体はおもに「ゴシック体」と組み合わされます。

①辞書のアンチック体とゴシック体



『岩波国語辞典第二版』(岩波書店、1971年)
 見出し語はアンチック体



『明解国語辞典改訂新装版』(三省堂、1968年)
 見出し語はゴシック体

②書籍のアンチック体とゴシック体



『動物の研究』(布施久通著、三省堂、1947年)
 小見出しにアンチック体が使われている。



『センサスの経済学』(児島俊弘・関英二著、農林統計協会、1964年)
 小見出しにゴシック体が使われている。

③漫画のアンチック体とゴシック体



アンチック体は、現代では漫画用の書体だと考えられるほど広く使われています。