ねこライフ

うちのねこsがゲストに「シマちゃん」を迎えての徒然。

未知との遭遇:その3

2010-08-24 20:51:16 | たみぃ

猫ライフ190日目。


家の前に捨てられた猫にフードを持っていく、その筋の専門用語で言うところの「エサやり」という行為に手を染めてから、1週間もたたないうちに猫たちの将来が見えない事に気付き悲愴な気分になっていたわたくしに、10月から2ヶ月半、東京を離れて仕事しませんか?というオファーが来ました。

正規雇用と縁のない身には良いお話だったので飛びついたのですが、さて猫どうしよう?

近隣で飼ってくれそうな友人知人縁者はおらず、行き先では派遣元借り上げワンルームに放り込まれるのでペット連れは無理。

この猫たちにとってはどういう生活が一番よいのか?
私に何できるのか?

悶々としていたところ、その前の年に子猫の里親になった友人が、里親募集サイトというのがあるということと、野良猫の手術にはほとんどの自治体が補助金を出しているはず、という情報をくれました。

そこで、手術して里親さんを探す……という考えがうっすら浮かんできたのですが、しかし、里親さん探しの間置いておく場所がない、こっそりうちに置いたとして、10月までに里親さんが見つからなかったら捨てていかなくてはならない、それはちょっと、それにわたし一人でぎゅうぎゅうのアパートに猫がおとなしく収まるとも思えない。

当時、犬猫の保護活動というのに全く無知だったせいか、ネット上で、こういう時どうするのかという情報を探そうとしても、うまく見つかりませんでした。大きな保護活動団体にメールで相談しましたが、当然のように返信はありませんでした。

さらに悶々としつつ、とりあえず不妊手術だけでもと思い、居住地区の役所のホームページをしばらくうろうろして、やっとその補助金を出してくれるという部署を見つけました。

説明を読むと、補助金を申請すると「猫の飼い方指導員」というボランティアの方を紹介してくれる、と書いてあります。

ああその人に相談すればいいんだわ、と、ここに至るまで1週間ほど眠れない日々だったので少しほっとしました。

しかし、メス2頭分の手術費だと、補助金を出してもらっても私には結構なお金がかかります。もうちょっとお金持ちだったらそんなに悩まなくて済んだかもしれませんが、そういう自分の側の事情と、猫にとっても、果たしてこれでよいのか?という思いが断続的に巡ってくるので、重ねて悶々。あの当時はずっと、精神的乗り物酔いか二日酔い、はたまたメンタルつわり?という感じで頭がぐるぐるしていました。

意を決してやっと、申請書をもらうため市役所に行ったのが、9月になって1週間以上経った頃。

そこで事情を説明すると、申請書と猫ボランティアさんの電話番号をくれたので、市役所からすぐ電話しました。

話を聞いたボランティアさんはてきぱき指示してくれ、わたしは、ああ頼もしい!と感動。

まず病院の手配。

市の補助金が使える病院は限られているのですが、ボランティアさんは、止めた方がいい病院(野良猫の扱いがひどいから)情報をくれたうえで、私の住所に近い所に電話して、いつなら連れて行ってもよいか、ここ1週間ぐらいのスケジュールを確認して、とおっしゃいました。

そして、いつなら猫を捕まえられそうか、私がいつどこで猫と接触しているのかという話に。

このように、野良猫の不妊手術に際して市がボランティアさんを紹介してくれるのは、アドバイザーとしてはもちろんですが、「野良猫認定」という作業を委託しているからです。誤ってどこかの飼い猫を手術してしまった、なんて事がないように、猫の状況を確認し、そのうえで、これは野良猫だから手術してよし、というゴーサインを出すのです。

さて、病院は翌日でも大丈夫という話だったので、早速その晩、ボランティアさんが来てくれることになりました。

(いつまで続くのか分からないままにツヅク)



on the table

普段はテーブルに乗ってきたりしない、お行儀良したみぃですが、先週、茹でオクラをかつ節であえていたら、匂いにひかれたようで、上ってました。振り向いたら、タッパーに顔を突っ込んでるたみぃがいて、ちょっとびっくり。


とにかくキャリーバッグの上がお気に入り。


マトリョーシカのような腹囲。

じゃあ、あんたは……(byたみぃ)
すいませんすいませんもう言いません。

たみぃがシャウトする時、夜空には満月が……という説があったので、ほぼ満月に見える今晩はどうかしら?と思ってみてます。一昨日あたりから、昼間も駆け回ったりして妙に活発な気はします。

今日の昼間は、キャリーバッグに鎮座したまま、にゃおにゃお、と下僕を呼びつけました。
ふだん、言いたい事があるとこちらの方へ寄って来るので、「呼びつける」は新たな技です。
その時、下僕は睡魔に勝てず布団の上で果てていたので、「ちょっと、生きてる?」っていう確認の意味だったのかも。

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未知との遭遇:その2

2010-08-15 23:58:12 | たみぃ
猫ライフ181日目。



上から見た図。


8月下旬、すっかり暗くなってからこそこそと目の前の遊歩道へフードと水を持っていくという事を続けていました。

白い方は一瞬で懐いて、甘えてくるようになりました。触り放題です。三毛(後のたみぃ)の方は、白にくらべるとずっと普通に警戒しており、近くへは来ませんでした。フードを食べるのも、白ががつがつなのに対して、ささっと少量を食べて後は遠ざかって毛づくろい、というクールさでした。

愛想のない三毛はともかく、白ちゃんは、鳴き声はキュートだしふわふわの被毛は素晴らしい手触りだしで、逢瀬が楽しみな相手でした。自分の部屋では猫飼えないけど、目の前の屋外にいて、ごはんタイムだけ、ちょっと可愛がったりできるというこの状況に、初めの2、3日は私もウキウキしておりました。

でも程なく、食後、私がフード容器を持って立ち去ろうとすると、後からついてきたりする猫たちに、ああどうしようと心が痛みはじめました。あっさり情が移ってしまい、夜のごはんタイム以外をどう過ごしているのか、安否が気になるようになったのです。

そして朝方、ベランダに出ると、白が所在なげに遊歩道をうろうろしているのが目に入ったりして、不憫な、という思いが募るのでした。

台風の影響で日中暴風雨になったことがありました。雨風がおさまった夕刻、気になって遊歩道に行ってみると、白が必死の形相で飛び出してきました。怖かったんだろうと思います。

遊歩道の植え込みの中を根城にしているらしい白と違って、三毛は日中見かけることはありませんでした。白と三毛はご飯どきだけ一緒にいるようです。この状況から、私ははじめ、三毛はどこかの飼い猫で、夜になると白に便乗しておやつを食べに来ているのでは?などと疑っていました。白と共に遺棄されていた複数の猫たちと、たみぃの間に何か関係があったのかどうかは、今に至るまで分からないままですが。

ある晩のごはんタイム、お散歩中の犬と女性が通りかかりました。白は犬にじゃれかかり、犬の方がやや迷惑気にしていましたが、この事から、初対面ではない様子がうかがわれました。犬の飼い主の女性も遺棄された猫たちのことを知っており、気にしていたようで、初めは7頭いたと言うひともいる、この白と三毛にも複数の人がフードを与えているようだ、などと教えてくれました。

そして、私が水を持ってきているのを見て、「まあ、優しいのね」などといい、ぽつりと、「避妊手術してあげるといいんだけど」とおっしゃるのでした。

その当時は、外にいる猫たちに何ができるかという知識がなかったので、そんなものかしら?と思っただけで、そう言ってきた女性に対しても、とても感じがよいという以上の印象をもたなかったのですが、今なら、彼女がシロートではなかったという事がよく分かります。

野良猫にフード→不妊・去勢手術、という発想は、外にいる猫たちのことをかなり気にしており保護活動に関心をもっている、あるいは自分でやったことのある人にしかできないものだからです。

それ以前、私も、都内の大きな公園で定期的に猫たちにごはんをあげに来ている人を見ていましたが、ああ偉いなあなどと思うだけで、どういう意図でどのように猫たちをケアしているのか、深く考えたことはありませんでした。

彼女のように、外猫に対しても人間の責任を全うしようと考えるのは、日本ではまだ数少ない、動物愛護・保護活動に足を踏み入れている人に限られています。

さて、そんなことに無知だった私ですが、言われてみると、この猫たち、私の目にはまだ子どもに見えたのですが、その内繁殖活動を始めるのは自然の摂理、そして子猫が産まれると、私がフードを持っていくだけではケアしきれないことぐらいは予想がつきました。

子どもを抱えた母猫は野良生活では不利だろうし、子猫たちも全部生き残るわけではないだろう。

それに遊歩道は市が管轄する公共スペースだから、その内どこからかクレームが来るかもしれない。実は、白がそこの木でばりばり爪とぎしてるのを見て、ああまずい、と思ったことがありました。

糞尿の痕跡は見たことがなかったのですが、延々続く細長い遊歩道のどこかを利用しているのでしょう。公共スペースを汚しているとか、樹木に害を与えているとか言われると、その内保健所に連れて行かれるかも。

今の気候だと外暮らしも快適かもしれないけど、冬になったらどうするんだろう。

このようにして、ペット不可アパートだけど外でネコかわいがり、という妄想は一瞬で潰え、ただただ猫たちの行く末が不安でならない状況になりました。

その不安をマックスに引き上げたのが、9月初めに打診された地方派遣の仕事でした。

(すっかり白物語になったまま、続く)



横倒しにしたキャリーバッグに乗る、というのが最近のブームらしいです。

押し入れに引きこもるかわりに、ここで丸まっていたりします。
昨夜は一晩ここで眠ったようです。
釣竿じゃらし遊びもこの上で、とおっしゃいます。
したがって、時折派手なアクション(後足蹴りなど)がこの上で展開します。
5キロまで推奨の大事なキャリーバッグ、壊れませんように。




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未知との遭遇:その1

2010-08-11 20:18:20 | たみぃ
猫ライフ177日目。


そろそろたみぃと遭遇して1年になるので、忘れないうちに経緯を記しておきましょう。

昨年の8月は、今とは別のアパートに住んでいました。

3階で、ベランダに出ると、細い車道を挟んですぐ下にある遊歩道の様子がよく見えました。遊歩道の向こう側には高層マンションがありました。

さて8月半ばのある早朝、二日酔いの頭を覚まそうとベランダへ出たら、遊歩道の植え込みの間にシャムっぽい猫がぼーっと座っているのが見えました。全体がブルーグレーで耳の先が黒っぽい、遠目でしたが、絵に描いたようなきれいな猫だと思いました。

その時は、どこかの飼い猫が涼みに出てきたんだろうと思っただけでしたが、それから1日ほど置いた夕方、その猫が同じ場所でやはりぼんやり座ったままなのを目撃し、奇妙に思いました。近くには寄りませんでしたが、呆然、という顔つきに見えました。

気になりつつも自分の生活に忙しくしていると、その内その猫の姿は見えなくなりました。しかし、それからすぐのある午前中、ベランダに出ると、遊歩道に色んな柄の猫がわらわらいるのが見え、びっくりしました。

仕事があったはずですが、好奇心に勝てず下へ降りて行きました。

私が遊歩道へ入ると、植え込みに逃げ込んで姿を隠したのもいましたが、とりあえず3頭、↓のような感じでおりました。







近くで、このうちの1頭を撫でていた小学校高学年ぐらいの女の子に、「どこのうちの猫か知ってる?」ときいたら、「多分、捨て猫だと思う」と返されました。

よく考えれば、そうとしか思えない状況。写真をとった3頭が何だか無気力なのも、今にして思えば、空腹なのに食糧を得る手段がないものだから既に衰弱していたのかも。

女の子の方は、その後も、猫と一緒にいる姿を時々見ました。
猫を膝に乗せて、遅い時間まで友達と深刻そうに話していることもあり、この子の方が、当時の私よりずっと猫たちのことを真剣に心配していたと思われます。

私はというと、その猫たちが、触ろうとしても逃げないし、可愛いし、きれいだし、というので、何だか舞い上がっており、猫を多数遺棄という事態の深刻さを理解していませんでした。

この時私が目撃しそこなった1頭と、それ以前に姿を消したシャム風を入れて、少なくとも5頭いたことになります。

それから2、3日経って、気づけば3頭いた猫たちが1頭だけなっていました。一番白い部分の多い、人懐こかったやつです。

住まいから目と鼻の先のことで、どうにも気になって、ある晩、フードを持ってそっと行ってみると、待ちかねたように白いのは寄って来ました。

私には意外だったことに、その横になんだかもう1頭います。夜目を透かして見れば三毛猫らしい。

(続く)



今日は出番にゃし。
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縄抜けアゲイン

2010-08-10 16:51:50 | たみぃ
猫ライフ176日目。



お外監督中。


昨晩、アパートの廊下に人どおりがなくなった隙に、久々にたみぃと出てみました。

ここ3日ほど、玄関に座り込んでいるから外へ出たいのかとハーネスリードを付け、さあ参りましょう、と扉を開けても、いんや行かん、とおっしゃることが多かったのですが、昨夜は涼しかったしその気になったようでした。

さて、うちの前の廊下から、別の部屋のベランダに続いている箇所があります。
そっちにとても関心があるらしいたみぃ、今にも柵をすり抜けて行ってしまいそうです。
行かれてしまうと、私は柵を乗り越えてついていくしかなく、その部屋は偶々空き室なのですが、いずれにしてもアパート内で不審な行為はしたくないので、行って欲しくはない、という状況。

犬も猫も、こういう時のために、呼べば必ず手元に戻って来てくれる、「呼び戻し」というトレーニングを行っておく必要があると指導されているんですが、うちではまだそれがきちんとできていません。

たみぃが私のフォローできない場所へあくまでも行こうとする場合、抱き上げて連れ去るという実力行使に及んでいます。昨夜も、緩やかに交渉した後、結局、じゃあもう帰りましょうか、ということで抱き上げました。

自室のすぐ前にいたのですが、なぜかそこでもがき出したたみぃ。あれ?もっと外にいたいの?と思う間もなく、パニック暴れへと移行してこっちも焦りましたが、その時、廊下の端に人がいるのが見えました。

帰宅してきた近所の方です。小さいアパートなので、1階でも2階でも、人の出入りは事前の気配でかなり分かるのですが、多分、女性で足音があまりしなかったためでしょう。その人が階段を上って廊下に現れるまで、うかつにも私は気付きませんでした。

でも、その人はこっちへ来ることもなく、階段からすぐの部屋へ鍵を開けて入りました。だから大丈夫よね?と思ったのですが、たみぃは暴れ続け、私がもたもた自室の玄関を開ける前に、またしてもハーネスを振り切り、肩を蹴って飛び降りました。

2度目なので、こちらもパニックというより、また~?という頭の痛い気分。

でも、飛び降りたところで、パニックの元になった人影が消えている、というのに気付いたようで、今度は、その場から走り去ることはしませんでした。

しばらく座っていると、落ち着いたようです。鼻をひくひくして夜風を楽しむような風情で、何事もなかったかのような顔になってました。

玄関の内側から扉を支えて、さあお家へ帰りましょう、とやっている下僕のことは無視してました。

そろそろ扉を支えるのに疲れてきたころ、そそくさと戻って来たので、どうしたのかと外をのぞくと、この廊下によく出没する外猫さんが見えました。別にシャーっとかは言ってませんでしたが、とりあえず他の猫が現れたので、自分のテリトリーに撤退したという感じでした。

そして、たみぃのお散歩修行は遅々として進まない感じ。




最近のお気に入り。



なぜか別の生き物のよう。
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マイクロチップ

2010-08-03 23:42:23 | たみぃ
猫ライフ169日目。



たのもう。


マイクロチップを装着してきました。

外に出る可能性が低い猫の場合は、それほど必要ないのかもしれませんが、たみぃをお散歩猫にしようという野望があったので、前から考えていました。

万が一の時のための保険のようなものですが、事故は起こるものですし。
実際つい先日、一瞬ですが脱走されてしまったし。


病院に連れていくのがひと苦労なのですが、5キロまで推奨のキャリーバッグの出番です。

これは、ミニチュアダックスなどを想定した細長い作りになっているので、たみぃ2頭分ぐらいのスペースがあり、その前の4キロまで推奨でたみぃにはぴったりサイズだったバッグに比べると、かさばって持ち運びにくい、と思いつつも、近所にタクシーがいることが多いので、それをあてにして出て行きました。

ところがタクシーはいたけど運転手さんが不在だったので、病院方面目指してぽつぽつ歩いてみました。

最初おとなしくしていたたみぃですが、私の歩調でどすどす揺れるのが不愉快なのか、その内抗議の鳴き声を上げ始めました。今日のような日に、日傘も帽子も日焼け止めすら無しで出てきた事をちょっと後悔しながら、そろそろ疲れてきたころ、やっとタクシーゲット。

猫を乗せてもいいですか?と断って乗り込みました。

どっか具合悪いんですか?ときいてくれた運転手さんも、お宅に猫がいるそうで、世の中猫派と犬派で分かれていますよね、というご意見。そして、犬と猫は一緒に暮らせないし、猫好き人間と犬好き人間もどこか相容れないところがある気がする、と。

わたしも昔は、犬と猫って犬猿の仲だと思い込んでいたのですが、この半年ばかりで、犬と猫がハッピーに一緒に暮らしているシーンをいくつか見ることがあり、環境次第なのねーと思うようになりました。

なので、そうでもないみたいですよ、と言っておきました。

さらに運転手さんは、太った猫が好きなので、ご自分のお宅ではたっぷり食べさせている、と。

ちょっと前なら私も、ふーん、そうなんですか、で済ましたでしょうが、日々の変転を経た現在、それは、つまり肥満猫にしてしまっているってこと?と思って、にわかにその猫のことが心配になりました。

しかし、いきなり、太り過ぎはいけない云々と主張するのもためらわれ、そ、そうなんですかあ?と声だけで困惑を示してみました。

続けて、掻きむしって毛がよく抜ける、というお話だったので、それはストレス?と思わないでもなかったのですが、猫を愛しつつ日々の暮らしに奔走しているのであろう運転手さんの立場をおもうと、あまり不用意なことも言えず。

ノミ・ダニの可能性は?ときいてみると、外へは出していないとのことだったので、同じ所をずっと掻いているというのは、もしかしたらどこか具合わるいのかもしれませんよ、と言ってみました。

これを機に病院へ行って、もしそこの獣医が心ある人ならば、医学的に肥満がよろしくないことを指摘してくれるんじゃ、という望みを抱きつつ。

すると運転手さん、うちの猫、クルマが駄目で、乗せると声がかれるまで鳴くんで、病院にも連れていけないんですよ、とのこと。

いや、そこは、鳴こうがわめこうが、病院ってとにかく行くものでは?と思ったのですが、自分を省みると、たみぃがキャリーバッグ(旧)の推奨体重を超えてしまった、というのを理由にしばらく病院行きを諦めていたし。ニンゲンでも、医療機関を使いこなす人と苦手な人がいるし。でも、やっぱり行っとく方がいいと思うけど。

運転手さんは、猫、人懐こかったんで、とおっしゃるので、どうやら外から拾ってきた模様です。

それならば、家の中で食事の心配をせず暮らせることになって、とりあえずその猫はラッキーだっただろう、とは思ったので、ねこちゃん、幸せものですねー、などと言って微妙な車内に別れを告げました。


さて、院内待合室は常になくぎゅうぎゅうでした。そこでも、にゃおんにゃおんと声を張り上げるたみぃでしたが、以前に比べるとちょっとましかな、という鳴き方でした。インターバルがあるので。

これまでに3回ほど、たみぃを病院へ連れて行きましたが、いずれも途上は鳴き通しで、タクシーの中、電車の中、いたたまれないおもいをしたものです。

待合室の皆さまはさすがに寛容で、たみぃの鳴き声に、元気ねー、閉じ込められたらいやよねー、などと好意的でした。

他の猫の患畜たちは、涼しげなラタンのかごに入っておりました。でかくて暑苦しいたみぃのキャリーがちょっとハズカシイ。

順番がきて、マイクロチップをお願い、というのは事前に電話で伝えてあったのですが、この際、便秘も肥満もくしゃみ発作も相談しようと私は意気込んでおりました。

まず、くしゃみ発作ですが、ヘルペスという猫風邪のウイルスは、一度感染すると神経細胞に潜り込んで、猫が弱っている時など、何かの拍子に表に出てくる。そこで、突然くしゃみしたり鼻水出したりする。けれどこれは根絶することのできないウイルスなので、くしゃみと同時に食欲が落ちるとか、他の症状が出ないなら、大丈夫、なんだそうです。

ベンピ:下腹をもにもに触診して、たまってるけど、定期的に出てるんなら、大丈夫、と言われました。2、3日おきでも、これまで毎日出てたのがずっと出なくなったとかじゃなければ、ダイジョーブだそうで。

肥満:体重測定をしました。4.48キロ。

実は、一時期4.6キロにいってしまっていたので、それに比べると、0.1キロ減というのは喜んでいい?でも、それでもオーバーウエイトよね、などと私は内心葛藤していたのですが、先生はやはり、ダイジョーブダイジョーブと、日本語覚えたての外国のヒトみたいになってました。

確かに、動物病院に来るのは、大半が何かしら病気っぽい症状のある動物たちなわけで、そういう患畜と日々接している先生としては、多少ベンピーナだろうがメタボだろうが、とりあえず元気なたみぃみたいなのがダイジョーブなのは分かります。

たみぃがダイジョーブのお墨付きをもらって嬉しい、でも、病院であんまり大丈夫と言われると、なぜか来た甲斐がなかったような気になるニンゲン心理、単なるビンボー症ともいいますが。

しかし、人間でも生活習慣病がまん延しているわけで、それを思うと、予防の意味で、肥満とベンピは解消したいものです。ベンピについては展望が見えない状況ですが、肥満は、カロリー減をがんばっているので、今日の測定は、もしかして、ちょっと成果が出たのかも。

そんなこんなで、やっとマイクロチップ。

ID番号を持つ直径2ミリ、長さ11ミリの物体を首筋に埋め込む、という事は知っていたのですが、どうやって?というのは知らなかった。

注射と同じやり方なのですが、針にあたる部分がかなりぶっといです。それをぐっさりやるので、当然皮膚が破れ血が出ます。

首筋の辺りはあまり痛みを感じない部位らしいとの事で、たみぃも平然としていましたが、血のにじんだ毛を見ると、下僕の方がおろおろしてしまいます。

でも、逃げ腰ではありましたが、病院へ行ってしまうと、先生にそれほど手をかけないよい子モードたみぃでした。

さて帰り道、今度もタクシーつかまらない。
時刻は正午、場所は幹線道路、なんだか無理っぽい、と思いつつ歩いていました。

何度かたみぃのバッグを置いて、立ち止まって車の流れを見ましたが、なかなか。

そうやって何度目か、やっとつかまえると、また行きと同じ運転手さんでした。

(病院から)ここまで歩いて来たんですか?と驚かれましたが、とにかく涼しい車内に救われました。

そして、膝に乗せたたみぃのキャリーバッグの底がかなり熱くなっているのにびっくりし、うっかりアスファルトの路上に置いてしまった過ちを悟りました。

日陰だからと思ったのですが、ヒートアップしたアスファルト、盲点でした。

にゃおんに時折、ぴぃ~と妙な鳴き声を混ぜていたのは、もしかして、暑いと訴えていたのか?と思うと、早くバッグから出さねばと焦ります。

行きと違って寡黙になった運転手さんと共に、家への道のりは一瞬だったのですが。

今度は、料金を払うついでに、病院でもらった猫フードのサンプル「体重管理用」を差し上げて去りました。

家に帰ったたみぃは、ちょっとはあはあしてましたが、熱中症のような症状にはならなかったのにほっとひと安心。

そして下僕の方は、昼食後、睡魔に耐えかね横になってしまったら、驚いたことに夕方まで目覚めることができませんでした。
こっちがプチ熱中症だった模様です。



なぜかみつゆび。

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