たわ言

思いつくまま

寝具・衣片敷

2009-11-06 18:35:11 | 日記
暖かい日だった。  12月初瀬ウォークのレジュメに萬葉歌から引用した
  泊瀬風(はつせかぜ) かく吹く夜は いつまでか 衣片敷(かたし)き わがひとり寝む。〈巻10-2261〉
(初瀬風の吹く夜は、相手がいなくて、ひたすら、衣を敷いて、一人寝するのが何時まで続くのか。)
という歌で、衣片敷の片は、しきりにとか、ひたすらという意味らしい。
 それが、先日来気になって、当時はどのようにして寝ていたのか調べた。しとね、とか、蒲団(布団)とはガマや藺草の敷物で、布の中に真綿の入ったものなどは『寧楽遺文』の「西大寺流記資材帳」(財産目録)に「褥(しとね)二床」とあるように、天皇・上皇クラスのものの使用するもので、平安時代の貴族さえ、御物『春日権現霊現記』の絵に見られるように、畳床の上に寝て衣をかけて寝ている。 一般的には苧くずや藺草、ワラビのほだをなどをいれ、むしろと布の中にいれたりして寝具としていたらしい。庶民的には寝部屋として籾殻や藁を敷き詰め、その上にござや布をしいてその上に寝ていたという。
 笑い話に「藁を布団といえ」と父から教えられた子が、肩についた、わらくずを「ふとんがついている」といった落語のネタは、寝藁から布団への推移を語るものらしい。せんべいぶとんの名のように、寝具が改善されたのは戦後のこと、化繊綿とか羽毛布団、電気毛布を使うようになったのはつい最近のことで、ふわふわの暖かい布団というイメージは昔からあったように思っているが、間違いということ。          まいる

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