落ちこぼれ社会人学生の戯言

当初はMOT取得が目的でしたが、現在は諸事情により中断しています。
本文は趣味の口調です。 ご理解下されば幸いです。

教師という職業

2006-06-21 21:47:18 | 大学
NHKの「クローズアップ現代」で、早期退職に追い込まれる教師達の姿が取り上げられていた。
ストレス等で心身共にボロボロになり、辞める道を選ばざるを得なくなった姿を見て、何ともやるせない気分になった。

一番暗然としたのは、50代の(元)小学校女性教師への、嘆きとも諦めとも取れる「告白」だった。
親からは「躾」を施すよう求められ、一寸でも子供に何かあると、途端に学校に電話が掛かって来る。
そして、親からあれこれ責められるのだそうだ。
(お上からの指導方針がどうの・・なんて話もあったが)

チラッと学校教育法とかを眺めたが、「教師が親の代わりをしなければならない」なんて、どこにも書いてないんだけどなぁ。
この女性教師も、「最近は自己中心的な親が増えた」なんて洩らしていたが・・・・


話変わって・・・・

学校教育法の第十一条に、「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、学生、生徒及び児童に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」
とある。

高校ン時に、「体罰」について強く印象に残っている出来事があった。
簡単に言えば、クラス内での「苛め」と、それに対する教師の「指導」についてなのだが・・・・

ある時(一年の一学期)、体育の教師にクラス全員が呼び出され、体育館で正座させられた。
「何だ?」・・なんて思ってたら、ウチのクラスの生徒数人(ちょっとワル風)が、同じクラス内の(内向的な)生徒を苛めたらしかった。
暴力を振るった訳ではなかったそうだが、皆で取り囲んで散々からかったとのこと。
(あまり大人しすぎるので、あれこれ悪口を言ったようだ。その意味では言葉の暴力と言えるだろう)

そして、一番前に正座させられた悪ガキどもに向かって、この体育教師(A先生と記す)のビンタが炸裂した!
これだけでは済まず、拳は出る!,蹴りも入る! って感じで、まさにボコボコ!なんて表現がピッタリ来る光景が展開された。
そして、A先生は床に這い蹲って呻いている悪ガキどもに向かい、こう言い放った!
「お前らっ! 手向かい出来ない相手に一方的にやられる悔しさが判るかっ!」

A先生、実は日本拳法の有段者で、全国大会でもベスト8に入る実力者だった。
こんな人にボコボコにされたら、軽くても病院送りは確実! だと思うだろう。
(自分達にとっては、目の前で強烈に殴る蹴る! なんて光景を見せられたのだから)
そうではなくて、A先生は実に注意深く力を振るっていたんだ・・・・と気付いたのは、かなり後になってからだった。

全国でもベスト8に入るほどの実力者ならば、確かに一撃で相手を伸ばしてしまう実力を持っているだろう。
だが、どれだけの力なら、痛みはあっても相手の肉体に対するダメージを最小限に出来るか? なんてことも熟知していた筈だ。
(手加減の仕方を心得てるってこと)
武道の達人ならでは・・・・と言えるかもしれない。

この悪ガキ連中も、やられた時は床で呻いていたが、次の日にはちゃんと学校に来ていたし、その後は苛めをすることもなく、留年もせず、皆と同じように卒業した。
(ボコボコ事件から暫くして、この連中と話すようになったが、結構面白くて楽しい連中だったよ)

今でもこのA先生のことをよく覚えているのは、生徒に対する態度が首尾一貫していて、ケジメの付け方が見事! だったからだ。
普段は冗談ばかり言っていて、女子事務員用更衣室の覗き方・・なんてのを皆に伝授してくれるような所があったが(何とも男子校らしいけど)、生徒がうっかりタメ口で話そうものなら、即座にビンタが飛んできた。
「てめぇ!、教師に向かって何タメ口叩いてんじゃ!」
なんて感じで・・・・


「体罰」・・ってのを、一般的にどう定義しているのかはよく知らない。
だが、誰が何と言おうと、A先生のビンタや拳は、「指導」であって「体罰」ではなかったと思っている。
(自分も長髪を咎められて一発食らったけど)
A先生が、生徒に非が無いのに一発食らわせるなんて皆無だったし、その時は猛烈に怒るが、こっちが怒られる原因となったものを改めると、すぐに何事も無かったかのように扱ってくれた。
(後々まで怒ったことを引き摺る・・なんてのも全然無かった)

A先生のやり方は、確かに肉体的な痛みを伴ったかもしれない。
が、殴られた生徒がA先生を恨み、その不満を他にぶつける! ・・なんてことは無かった。
(体に傷は出来ても、心に傷を負うようなことは無かったってことだろう)

そう言えば、A先生の他にも、同じく体育の教師で、剣道の有段者のW先生も同じ姿勢だったな。
自分も少し剣道をやってたので、あれこれ指導して頂いたっけ・・・・
(A先生よりW先生の方がスケベだったが・・ 普段の話の90%は下ネタだったし)

高校時代には悪い思い出はなく、あれやこれやを懐かしく思い出すのも、良き先生に恵まれたからだろうなぁ。


ここまで書いてて思い出したのだが、教師が「体罰」を加えても、学校に怒鳴り込んでくる親はいなかったように思う。
(少なくとも、自分は聞いた事が無い)

何故だろう?
最初に書いた女性教師の話にある通り、「自己中心的な親が増えた」せいだろうか?
何と言えば良いのか、よく判らないや。


最後に・・・・
この女性教師は小学校で、自分の体験は高校なので、「体罰」について同じように扱うことは出来ないとは思う。
それに、教育の諸問題について、自分はこんな経験をしたから、こうするように指導方針を変えろ! ・・・・なんて自惚れるつもりも無い。

ただ、教師の「指導」について、強く印象付けられた出来事があったって書きたかっただけ・・・・


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