落ちこぼれ社会人学生の戯言

当初はMOT取得が目的でしたが、現在は諸事情により中断しています。
本文は趣味の口調です。 ご理解下されば幸いです。

オヤジさん

2006-05-27 00:43:41 | バイク
手元に「定本 本田宗一郎伝」なる本がある。

自分は本田宗一郎さんの大ファンだ。
自分がバイク乗りだから・・・・なんて理由だけじゃなくて、偉大な技術者としても尊敬して
いる。
仕事等でHONDAに関わったことは無いのだが、氏に関する書籍を読み漁るにつれて、
副社長の藤沢武夫氏のことも知りたくなった。

技術の本田,経営の藤沢とよく言われたそうだが、本田さんが経営に関わることは殆ど無
かったそうだ。
「オレは、社長時代に社長の印鑑を見たことが無い!」なんて本田さん自身が公言してた
ぐらいだから、この二人の役割分担は徹底していたのだろう。

この「定本」を読むと、本田さん自身が「経営の才能が無い」なんて自己分析していたのが
良く判る。
終戦後、本田技研として創業間もない頃、「ホンダには技術者はいたが、経営者がいな
かった」
などとも書かれてある。

そう言えば、自分は本田さんをどのように見ているのかな??
言葉にすれば、こんな感じかなぁ・・・・

「天才的な才能を持つ技術者であるが、不手際を見つけると頭に血が上り、ラインから
 重いエンジンを抱え上げて投げつける!」等、突拍子も無い数々のエピソードを持つ
 熱血オヤジ!」 
・・・・ってとこだろうか。

あ、「経営者」としては見てない? う~ん・・・・

無論、本田さんを馬鹿にして言ってる訳じゃないので誤解しないで欲しい。
ただ、この人のスゴい所は、自分の短所を素直に認めて「経営のセンスが無い」なんて
堂々と言ってしまう点にあると思うのだ。
そして、自分に足りないものを持っている人材を求め、信頼し、任せ、コンビで世界有数
の大企業に育て上げたのだから、馬鹿になんて出来るはずが無い!

「名将の影に名参謀有り」などとよく言われる。
本田さんと藤沢さん,東郷平八郎と秋山真之参謀,井深大氏と盛田昭夫氏,etc・・・・
もっと時代を遡って戦国武将を見ると、功成り名を上げた武将の影には、必ずと言って
良いほど有能な参謀役がいる。

逆に、独りよがりに陥って自滅した創業者ってのも沢山いるなぁ。
例えば、「日本のビル・ゲイツ」なんて呼ばれた人物が興したコンピュータ系の企業、今
は見る影も無い。
(「マイコン」に熱中した世代にとって、この人はヒーローだったのになぁ・・・・)
某企業の傘下に入る直前、まるで悪あがきをするかのように、多方面の事業に手を出して
はことごとく失敗!
色々噂を聞いたよ。
周囲の意見に全く耳を傾けなかったそうで、それまでの同志はみな去って行ったって・・・・

これはTVの番組で見たのだが、アメリカのベンチャーキャピタルがベンチャー企業に投資
するかどうか判断する基準の一つに、「リーダーがどれだけの人材を集めているか」
なんてのがあるんだそうだ。
どれだけ素晴らしいアイディアを持っていたとしても、リーダー一人で総てこなせる筈が
無いし、己の役割をきちんと自覚しているのかどうかを見るのだろう。

会社の経営は奇麗事じゃ済まない。
例えば、ホンダが経営難に陥った時、藤沢さんは代理店に対して強引とも言える代金回収
を行ったそうだ。
それはもう代理店苛めと言われても仕方なかったほど、情け容赦ないものだったとか。

もし、こんなやり方を本田さんが行ったとしたらどうなっただろう?
「オヤジさん」と呼ばれ、親しまれた本田さんのイメージは大きく傷つき、離れて行く人間
もいたんじゃないだろうか?
だから、藤沢さんは自ら望んで「汚れ役」を引き受けていたんじゃないか?
本田さんや会社を守るために・・・・
(光と影の関係って言えるだろうか)

ホントにスゴい人達だとつくづく思う。
本田さんは、藤沢さんが副社長から退くことを聞かされた時、自分も社長から退くと言っ
たそうだ。
藤沢さんあっての自分だったことを、氏は誰よりもよく理解されていたのだろう。

藤沢さんは、最後まで「影」に徹して己のことを語ろうとはされなかったと聞く。
本田さんの陰に隠れ、あまりマスコミに取り上げられなかった氏のことを、もっと知りた
くなった。
勿論、こんなスゴイ人物を迎え、盟友として二人三脚で歩むことを決意した本田宗一郎
さんのことも・・・・


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