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高齢者や障がい者「通えない」高台に図書館?

2015年12月14日 | 長与町議会

【堤理志討論】土地開発基金改正条例

文科省も「高齢者、障害者など、特に配慮を必要とする者が図書館施設を円滑に利用できるよう」に(文科省告示:図書館の設置及び運営上の望ましい基準)というなど、公共施設の配置は高齢者、障がい者も平等に利用できるようバリアフリー社会が叫ばれて久しい昨今です。

しかし、長与町では図書館を高台に建設を表明したことを発端に、建設場所をめぐり住民の意見が二分しています。

住民も議会も知らない中で、高台の場所が利用目的も決めないまま、税金で取得する内容の覚え書きが交わされていた事。土地は取得するが建設の見通し(財源)はない事など、町民は知らされない(説明会を開かない)まま、事が進んでいます。

これらを明らかにし、問題を指摘するため、討論をおこないました。


(以下討論文)

「土地開発基金条例の一部改正条例」に反対の討論をおこないます。

 

今回の条例改正は、榎の鼻の公益用地に新図書館を建設するため、基金を積み増し用地を取得する条例であります。住民が納めた税金を投入する以上、慎重に検討しなければならないと思います。

教育と文化の町にふさわしい新しい図書館の建設は、多くの町民と議員の願いであり、もともと新図書館建設問題は政治問題化していませんでした。

この間、現地での建て替えを軸に議論がされてきました。駐車可能台数は60台程度、複層階の構造にならざるをえないなど、決して完璧で理想的な青写真ではないものの、平地でもあり、限られた条件の中で、よりよい施設にしようという事で住民も行政も議会も、みんなが夢をもって考えてきました。

しかし、榎の鼻の区画整理地が新しい図書館の候補地として挙がった瞬間から状況が一変しました。

高齢者や障がい者の方から、「あの場所ならもう通えない」という声が出されましたし、住民も議会も知らない中で、高台の場所が利用目的も決めないまま、税金で取得する内容の覚え書きが交わされていた事、後に図書館候補地となった事から、議会でも複数の議員から「住民不在、議会不在ですすめられている」「手続きがおかしい」と問題になり、政治問題化したのが事の発端です。住民の思いは二つに分断したままであります。

本来、その購入の原資は住民の税金であることから、議会や住民へ十分な説明と議論、理解なしに進めてはならないと思います。

町が実施した図書館についてのアンケートの自由記述欄には10人以上の方が、高台への建設に反対意見を書いています。

また賛成・反対双方の立場の議員から、町が住民説明会を開くように提案していますが、説明会を開く考えはないとしていることは、住民の不信感をますます高めるだけではないでしょうか。

平成24年の文科省告知(第172号)「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」によると、市町村は、住民に対して適切な図書館サービスを行うことができるよう、住民の生活圏、図書館の利用圏等を十分に考慮」することを求めています。さらに「高齢者、障害者など、特に配慮を必要とする者が図書館施設を円滑に利用できるよう」にと記載されています。この文科省の告示の趣旨からみても候補地が望ましい基準に適合しているとはいえません。

もう一つの問題は建設の財源がないという問題です。国の補助金がなければ建設は不可能であると答弁していますが、その補助金の交付も現状では非常に厳しいと町は答弁しています。「土地は取得するが建設の見通しはない」という議案を議会が承認するかどうかでありますが、私はその合理性を住民に説明する事ができません。

議会は平成25年に議会基本条例を制定しました。その第九条では、議会の議決責任を担保するため、提案者に対して、政策実施に要する経費、将来にわたる負担、及びその財源等について明らかにするよう求めるものとする。」としています。

条例に明記している、経費も将来負担も財源も明示できない状態であり、議会として条例で定めた議決責任を果たせる状況ではありません。

図書館は住民の知る権利を保障する施設でありますが、土地選定の不明朗さ、財源の不明確さなどの問題があることを、ほとんどの住民は知りませんし、説明会も開かないとしています。さらには住民の意見は分断したままであります。

このような状態の中で、議会はこの条例改正を承認するべきではなく町政に禍根を残すと考え、本条例改正に反対します。

 


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