長与町議 堤さとしのウェブログ

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議会傍聴席での帽子、コート、マフラー禁止を考える

2012年05月26日 | 日記
全国の地方議会の傍聴規則は、帽子、コート、マフラーを着用してはならないとされています。(※1長与町議会の例)
一般的なマナーとしてみれば、室内で脱帽することは妥当かもしれません。

しかしちょっと待って下さい。では役所の入り口に「帽子、外とう(コート)、襟巻きの類を着用を禁ず」と掲示されていたらどうでしょう?みなさん怒ると思います。

役所や公務員は、主権者が自らの公共の利便のためにお金(税金)を出しあい役所を建設し、公務員は主権者が雇っている人たちです。(主権者は日常忙しいので、その分身として首長と議員を選んで「執行権」と「決定権」を与え代行させているのです)

上記の理由で、役所の入り口に主権者の自由を制限したり規制するような事は、常識的に掲示しません。(本人がマナーとして脱帽するのは自由です)

ならば何故、議会の傍聴だけそのような主権者の自由の制限がまかり通っているのか疑問を感じました。

いろいろ調べてみると、全国の議会の規則は、大日本帝国憲法(欽定憲法:君主により制定された憲法)に由来するそうです。

(※2)引用→ “ 戦前の貴族院など大日本帝国憲法時代の議会の傍聴規則だった。それには「帽子、襟巻き、コート、傘、杖、を禁止し、そして羽織り袴又は洋服を着て正装して傍聴するように」”

つまり、君主制時代の憲法に基づく議会の傍聴=「お上の議会を傍聴させていただきます」という精神が、主権在民の今の全国の地方議会の傍聴規則にも受け継がれてしまっているのです。

ショッピングモールや屋内施設で、帽子やコート、マフラーを着用することが、個人の自由やファッションとして普通に行われているように、議会の傍聴も主権在民を体現する必要があると思います。なお、議会の秩序を維持したり、議会の運営を妨害されることを防止するための規則は今後も一定程度は必要と思います。

※1 長与町議会傍聴規則 第8条(4)帽子、外とう、襟巻きの類を着用しないこと。ただし、病気その他の理由により議長の許可を得た場合は、この限りでない。
http://www.nagayo.jp/profile/reikishu/reiki_int/reiki_honbun/aq31600131.html

※2 引用記事:「傍聴と帽子:もう一度考えよう日本国憲法」
http://janjan.voicejapan.org/government/0605/0605043866/1.php