goo blog サービス終了のお知らせ 

金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

次の繕いはちょっと変わった品物 その1

2021-01-17 13:32:35 | 陶器の繕い例
次の繕いは私のものです。
 
丹波立杭焼の最古の登り窯で使われていた作品台です。
この台の上に作品を置いて焼成されます。
 
何回も使っているうちに、この台が傷んで廃棄処分されてしまいます。
何べんも登り窯の中で焼かれているので、とても素晴らしい窯変が出ていて、これを捨てるのはもったいないと、だいぶ前に頂いてきたものです。
 
二つの品物、最近コロナの関係で自宅にいる時間が増えて、長い間放置していたのですが、ようやく取り組みスタートです。
 
一つ目です。
沢山の大きな亀裂が入っています。
上に置いた作品がうまく焼成できるように、台のところと底の部分が大きく開けられています。

 

もう一品は、少し高さが低めのものですが、割れてしまっています。

 

ちなみに玄関の正月の生け花に使っている花器も同じものです。

窯変がとてもきれいに出ていて、風格がありますね。

今回の2点、この品物と違って、繕いがとても大変なようなので、長く放置していたのでした。

 

さあ、低めの作品から作業のスタートです。
割れた部分をはめ込んで。

 

ピッタリと収まりますね。

 

底の部分などもトラブルは少ないですね。

 

割れた部分を接着です。

 

底の部分も穴をふさいで、水が入っても大丈夫にして。

1点目の接着の第一段階終了です。

続きます。


繕いの最後の処理の粉固め

2020-11-29 14:58:44 | 陶器の繕い例
川西パレットでの金繕い教室「器再楽」から持ち帰った作品の手入れです。
 
銀の丸粉を蒔いた後の粉固めの処理です。
とても簡単な作業ですが、3回ほど実施します。
 
生漆をテレピンでうんと薄めたものを塗ります。
筆を使うと後の手入れが要りますので、綿棒を使って。

 

裏側も。

このあと、すぐにキムワイプで拭き取るだけです。

次回の教室の場では、ご本人に鯛の牙を使って、磨きの処理をしてもらいます。


「器再楽」で依頼された金粉の装飾

2020-11-23 12:41:03 | 陶器の繕い例

前回の川西の「器再楽」で依頼された天目茶碗の口周りの装飾です。

 
ご本人は漆は苦手だと教室の場で依頼されたのですが、これは轆轤がないと難しいと持ち帰ったものです。
 
取り掛かりました。
弁柄漆を使って。
茶碗の口周り、丸いように見えていても、少し歪みがあって、なかなか線引きは難しいですね。

 

本人から金の丸粉(1gの包み)を預かったのですが、丸粉だと足らなくなりそうで、私の消粉を使うことにしました。

後の処理も消粉だと容易ですし。

 

預かった3点、蒔き終えました。

初めての作業、綺麗な線を引くのはとても難しいですね。

消粉、半分ほど残りましたね。

 

そして、二日ほど置いて、真綿できれいに磨いて。

 

そして、余分なところをカッターナイフで取り除いてきれいな線に仕上げて。

 

出来上がりました。

 

1点、アップで。

今度の木曜日にお渡しする予定です。

こんな仕上がりで良かったのかな。


依頼の作品も加わって

2020-11-06 16:25:53 | 陶器の繕い例

松岡さんの沢山の作品の繕い中に、少し近くにお住まいの方から依頼の品物もあって。


欠けがある九州大分県の小鹿田焼(おんたやき)のお茶碗です。
「飛びカンナ」の模様が特徴ですね。
コロナの時期なので、今はうんとお安く繕いを引き受けていますが、少し前に繕いをしてあげた方のご友人とのことです。

 

ついでに、松岡さんからいただいた品物も3点追加して。

 

翌日に手入れをして。

 

そして、本漆を塗って。

 

銀の丸粉(3号)を蒔いて。

これは小鹿田焼の茶碗です。

 

これまでの松岡さんの繕いは、生漆をテレピンでうんと薄めたものを塗る粉固めの作業中です。

追加の品物も、同じ工程になりますね。


次の繕いの依頼 その2

2020-08-25 09:50:38 | 陶器の繕い例

依頼品の繕いの続きです。

 
ベースを整えた上に本漆の黒艶漆を塗って。

 

こちらの茶碗、黄色味を帯びた個所の下側部分に透明の釉薬がなくなっている部分に気が付いて、その部分にも波型に漆を塗って。

 

その次は、銀の丸粉を蒔いて(私が使っているのは少し粒子の大きな3号です)。

丸粉は消粉と違って、しっかりと漆の中に入り込んでいます。

 

こんな風に仕上がりました。

二日ほど置いて、十分に漆を乾かして。

 

丸粉の場合は消粉と違って、この後金属粉を固める「粉固め」という工程があります。

生漆をテレピンで薄めたものを塗ります。

筆では後の処理が面倒で、僅かな部分ですので棉棒で間に合います。

塗った後はさっそくキムワイプでふき取って。

この作業を漆を乾かしてから、1日1回あと2回実施して。

今の時期、気温も湿度も高くて、漆が早く乾いてくれて有難いですね。

 

さあ、最後の仕上げです。

まずは石粉で繕った個所を指でしっかりと磨いて。

 

そして、いよいよ鯛の牙(たいき)の出番です。

きれいな光沢が現れます。

 

仕上がりました。

丸粉は消粉と違って、強固な仕上がりとなります。

波型の部分も面白いですね。