金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

次の繕いの依頼 その3

2021-05-21 11:46:17 | 磁器の繕い例

お皿の繕い依頼の仕上げです。

 
金の丸粉を蒔いた後、漆を乾燥させて、次は粉固めの作業です。
生漆をテレピンで薄めたものを塗って。

 

すぐにふき取ります。

 

裏側も処理して。

漆が乾いてからもう一度この作業を繰り返して。

 

次は、いよいよ最後の磨きの工程です。

 

木綿でしっかりと磨いて。

 

次は石粉でも磨いて。

 

そして、最後に鯛の牙(たいき)での磨きです。

 

綺麗に輝いて、仕上がりましたね。

 

その繕った部分。
金の丸粉を使っていますので、しっかりとした出来具合です。

 

裏側です。


簡単な繕いの依頼

2021-05-17 11:44:21 | 磁器の繕い例

現在、金の丸粉を使った丸皿の繕いの途中ですが、友人から、こんな繕いの依頼もありました。

 
コーヒーカップの取っ手が洗っているときに取れてしまったそうです。
矢の羽の図柄のとても可愛いカップですが、制作時に取っ手の接着が不十分だったのでしょうね。
 
電子レンジを利用するとのことですから、金属粉を蒔かないで繕うことにしました。

 

いつもの接着剤に強力粉を加えて。

 

こんな形で力も加えてしっかりと接着させて、接着剤が固まるまで。

 

こんな風に仕上がりました。

取っ手の接着部分の釉薬と小麦粉を入れた接着剤、違和感がありません。

盛り上がった形ですので、接着剤の手入れもいりませんね。

でも、使っているうちに黄色っぽく変色する可能性もあるので、もうひと手間。

 

「新うるし」の白を上から塗って。

 

完了です。

とても簡単な繕いでしたね。


次の繕いの依頼 その2

2021-05-16 13:51:50 | 陶器の繕い例
皿の繕い作業の続きです。
 
金属粉を蒔く前に、裏側の欠けた部分のベース修復の部分が気になって、少し手を入れました。

 

この後、硬化してからカッターナイフや水ペーパーで手入れして。

 

先ずは裏側から。
今回は新しく入手したガラスなど用の接着力の強い弁柄漆です。

 

裏側は終了。

 

続いて表側です。

 

そして、金の丸粉(3号)を蒔いて。
金粉は高価なのであまり使いたくはないのですが、依頼者の強い意向で。

 

余分な金粉を回収して。

 

続いて裏側も蒔き終えて。

 

こんなビニール袋に、濡れナプキンとともに入れて漆の乾燥です。

少しに日にちがかかりますね。

続きます。


次の繕いの依頼 その1

2021-05-14 14:38:53 | 陶器の繕い例
川西パレットでの金繕い教室の「器再楽」は、コロナ禍での緊急事態宣言下ですが、会場は使用可とのこと。
しかし、念のため5月中は休止としています。
 
そんな折、次の繕いの依頼がありました。
武庫之荘のギャラリーRのオーナーさんからです。
 
今回もフランス製のお皿とのこと。
品物を預かりました。
 
こんな具合に破損していて。

 

早速、取り掛かりました。

本格的な接着法では、砥の粉と生漆を使いますが、私は、下地の作業は接着剤で十分だと判断しています。

 

ズレが生じないように、壊れた個所の接着の手順をよく確認して。

 

壊れた3つの部分の接着が終わりました。

 

そして、本体に接着。

 

裏側の状態です。

少し欠けて無くなっている部分がありますね。

 

そこには、地の子を混ぜたもので補填して。

 

紙テープを使ってきちんと固定して。

砥の粉と生漆を使うやり方では、ここまでで約1か月を要すことでしょう。

 

接着剤が固まった翌日以降に、次の作業です。

 

紙テープをはがして、余分な接着剤を剃刀の刃を使って、きれいに取り除く作業です。

 

裏側も。

 

その仕上げには、水ペーパーを使って。

余分な接着剤が付いている箇所もあったりします。

 

表側はこんな仕上がりで。

ズレもなくとても綺麗に仕上がりました。

 

次のステップに進む前に、今回は一工夫。

生漆をテレピンで薄めたものを補修か所にしみこませる作業です。

これで、接着力はさらに増すと思われます。

この後、すぐに余分な生漆をきれいにふき取って、日数をかけて乾燥ですね。

続きます。


抹茶茶碗の繕い依頼 その3

2021-05-03 16:19:04 | 陶器の繕い例

依頼されている可愛い抹茶茶碗、ちょっと気になる箇所があって。

 
この右側の箇所などです。

 

それで仕上がってからの追加の作業です。

艶黒漆を塗って、銀の丸粉を蒔いて。
そして、テレピンで薄めた生漆での粉固めの処理です。

 

鯛の牙(たいき)で磨いて完了です。

 

こんな風に仕上がって。