金継ぎ、金繕い? いえ、陶磁器の繕いを楽しむ会「器再楽(きさら)」です!

「陶工房たつみ」が主催する「器再楽(きさら)」のブログ。金繕い、金継ぎと呼ばれる手法もオープン。繕いの依頼にも応じます。

繕いの会・「器再楽」 3月27日

2014-03-31 10:38:15 | 繕いの会の様子
3月の2回目の繕いの会・器再楽、参加者はとても少なくて3名のみ。

4月からは、仕事をされている方の利便を図るために第2、4木曜日の午後6時からに変更予定だ。

私は次女から頼まれた小皿の繕い。
すでにアラルダイトと地の粉でベース作りを終えていますが、削りの作業から。
この小皿、次女が作った作品です。


早速、黒の「新うるし」を塗って、金の消し粉を使っての装飾です。


金粉を蒔き終わったら、すぐに真綿で軽く整えます。


完了です。
「新うるし」は、とても作業が早い。


神戸からの浜田さんは、漆碗を「新うるし」を使って甦らせています。
3種類ほどの色を混ぜて。


完了です。
いい艶ですね。


私の妻は、最近割ってしまった鉢を持参して、接着させました。
この場合はアラルダイトのみで。
この日は、参加者が少なくて、情報交換が中心でしたね。


この日の夕食後に、アラルダイトのはみ出た部分を手入れして、きれいになった状態です。
大きく二つに割れていたのですが、どこが割れていたのか分かりませんね。



裏側を見ると、少し欠けた部分も見えます。
もう一度補填作業をして、さてどんな仕上げとなるのでしょうかね。


三味線の棹の繕い その2 塗装

2014-03-26 13:23:03 | その他の繕い例
ベースが出来上がった後の、漆の塗装作業です。

本漆を使いたいのですが、元の色に近づけるのがなかなか難しいですね。
先ずは、赤呂色を塗ってみました。
赤呂色は、乾燥が進むと焦げ茶色になってきます。


充填した部分の色が浅いので、艶黒漆も塗ってみました。
この部分、どんな色に仕上がるかなかなか読めません。


それで2日後に、水ペーパーで再度表面を整えた後、「新うるし」で仕上げることにしました。
「新うるし」の濃茶、ピッタリの色でした。
本漆を使う必要はなかったですね。やはり、本漆は難しい。
半面、食器以外だと、「新うるし」は色さえ合えばとても優れものだ。


色が浅い部分には気を使いますね。
この部分手がかかりましたね。
再度、色を置きいい感じに。


完了です。
いい色になりました。


裏側もOKです。


仕上がった三味線。
分解して使えませんが、蘇りましたよ。
妻の母にお見せしましょう。
びっくりするだろうな。

三味線の棹の繕い その1 ベースの再生

2014-03-26 13:11:50 | その他の繕い例
ひょんなことから、今度は三味線の竿の修理。

妻の母親の三味線だが、修理もされる三味線の先生に「こりゃもうダメだ」と言われて妻が持ち帰ってきた。
実は母と娘二人の三人が三味線を楽しんでいるのだ。


こんな風に、分解できる部分が破損してたしまっている。


組み立ててこんな状態。
「分解しないで使うのであれば修理するよと」私。
妻の母の了解も得ました。
「捨ててしまうつもり」と仰るが、そりゃ、もったいないでしょう。


取り掛かりました。
先ずは、接着剤が固まるまでどんな形でキープするかを決めます。


接着剤はいつものすぐれもののアラルダイト。
今回は、材質が木なので、木の粉を混ぜます。


たっぷりと塗って。


テープで固定して、こんな形で約半日キープします。


そして翌日、少し接着剤が柔らかいうちに、余分な部分をそぎ落とします。


横と裏側も。


そして、まだ足りない部分に接着剤を補てんして、薄いプラスチックをあてがって平らに固めます。


そして、また翌日。
ベースの仕上げは水ペーパーをいろいろと使い分けて。



綺麗に平らになりましたが、まだ補てんが必要な部分が。


仕方がない、もう一度補填だ。


ようやくベースが完成しました。


その2に続く。

強い雨の日の「繕いの会(器再楽)」

2014-03-14 10:57:55 | 繕いの会の様子
昨日の午後は強い雨。
皆さん、所要があってか、午後からの金繕いの会「器再楽」は参加者3人だけ。

ロビーでいろいろ雑談していて、そのままロビーを借りての定例会となった。

茶道の先生の高見さんは、炭手前で使う炭入れを持ってきて、角の部分の竹が劣化して割れているのを何とかできないかと。
で、3人で相談して、先ずはアラルダイトで貼りつけてはと。
出来れば、同じように古びた竹があれば、上から竹を貼りつけてまったくわからなくなるのだがね。
いろいろと勉強になります。


ベテランの浜田さん、アラルダイトで貼り付けた境目に「新うるし」の黒を入れましたが、私の方から「すぐにふき取って、何回か黒漆を浸みこませたら段差が無くなりますよ」とアドバイス。


そして、私は、仕事の関係で来れなくなっている岡本さんが繕っている漆盆の様子を確認して、広い円形の部分が劣化しているので、「透明漆を塗ってみましようか」とトライしてみました。
この盆、縁の部分の欠けたり、割れたりしているのを一応繕ってあります。


なんと、こんな風に綺麗になります。
「新うるし」の本透明を、刷毛ではなく目の細かなスポンジに薄め液を含ませて塗りました。
この変化に、お二人も驚きの声を上げました。
私も初めて体験です。


もう一枚も同様に。
簡単に蘇りますね。
勝手に手を加えましたが、この出来栄え、岡本さんに見てもらわないとね。
あと、周りの縁の部分をどんな手入れをして仕上げるかですね。


やはり、何人かで集まって繕う作業はとても勉強になります。
参加者が、増えないので、4月からは夕方の6時から会の活動を設定しようということになりました。
それなら、毎月第2木曜の午後6時~9時頃までで、遅れての参加もOKということにして、働いている若い方も参加できるな。

マイ酒器の繕い

2014-03-12 12:05:40 | 陶器の繕い例
ついつい吞みすぎて、いつも持参している酒器を帰りがけに落として壊してしまいました。

ほぼ本格的な繕いですので、日時を要しました。

大きく二つに割れて、小さな破片も二つ。


先ずはアラルダイトを薄く塗って、砥の粉を混ぜたものも使って。


貼付け完了です。
このあと、少し欠けている部分も補填して。


接着剤が乾燥した後に「艶黒」漆を塗って。


4日ほどムロで漆を乾燥させて、水ペーパーで整えて。


再度「黒艶」漆を塗って。


すぐに、丸粉3号でたっぷりと蒔きます。


再度ムロの中で数日間乾燥させたあと、生漆をテレピンで薄めたものを塗って粉固めです。


そして、ムロの中で1、2日。
いよいよ最後の仕上げです。
木綿布でしっかりと磨いた後、鯛の牙で磨きます。
細いラインの部分は、鯛の牙のとがった部分で磨いて。


完成です。
これでまた、この酒器で立ち呑み屋さんに行けます。
ビールも日本酒も兼用の、お気に入りの酒器ですので。