12月18日(日)、登り窯作品の繕い講座の2日目です。
前日には気づきませんでしたが、陶芸美術館のエントランスにこんな風に「補修講座」の案内がありました。
美術館が用意してくれたドライヤーなどもありますが、私の持ち込んだ荷物はこんなに。
接着剤のアラルダイトも安く入手したものを持ち込んで、10個入りのほとんどを地の粉を付けてあげて、分けてあげました。
さあ、2日目スタート。
この日は参加できないと聞いていた、美術館の職員の作品を水漏れ箇所を確認して追加作業。
もう水漏れはしません。
ボランティア仲間の作品の前日処理した底の部分。
プラスチック板を外して。
OKですね。
再度、手入れをして。
この後、ドライヤーで乾燥させて、呂色漆を塗って色合わせしてあげました。
昨日はボランティア団体の陶芸文化プロデューサーの定例会が午後からありましたが、この方は出席できましたね。
その午前中、友人で美術館の講座に参加されていて、こちらに参加できない方の作品2点を完全に仕上げることもできました。
その方、様子を見に来られて、いたく喜んでいただきました。
そして、この日新しくご夫婦で来られたご主人の亀の作品。
足の部分の破損とその他にも手入れが必要な箇所が。
奥さんは、家にある繕いの必要な品物を沢山持参して。
この皿は大変ですね。
左端、前日に午後は帰られた女性の大きな作品。
私が引き続いて一応の全体成形をしたものを、この日はご主人と一緒に引き続き手入れをしておられます。
後は、ご自宅での水漏れチェックなどの作業になりますね。
奥には若いご夫婦。
亀の作品、だいぶ作業が進んだ様子ですね。
奥さんの方は、大変ですね。
そして、終了間際、できましたね。
大皿以外にも5点ほど修復されて。
この後、お家での作業についてもアドバイスしてあげて。
この作品、少しだけ亀裂がありましたが、底にまで及んでいなくて水漏れはないでしょう。
美術館のこの講座の責任者である山田さんが、これもよろしくと。
充填は済ませましたが、漆での仕上げを忘れていましたね。
今気が付きました。
そして、これは前日真っ二つに割れていたものを接着したものです。
篠山の東雲高校の生徒さんの作品で、一緒に竹焼成のプロジェクトに取り組んでいるお一人ですので大事にしてあげないとね。
仕上げの作業です。
全体が黒く良く焼けていますので、黒艶漆で接着した部分を仕上げてあげました。
この後、もう1点の茶碗と合わせて、漆の乾燥の見守りは責任者の山田さんにお願いしました。
この高校生の作品の手入れの様子を、陶芸仲間に撮っていただきました。
私の向かいでは、前日から大破した作品の修復に取り組んでおられる方が。
同じ尼崎のJR塚口駅近くにあった森永工場に勤めておられたとか。
その方の作品も無事に修復終了です。
大破していた作品の一つですが、後はご自宅で水漏れのチェックをして、追加の処置をするだけですね。
たぶん水漏れは結構あると思います。
修復部分の色合わせは、スプレー塗料ですると仰っていましたが、ご本人が納得できれば何でもありですね。
そして、陶芸文化プロデューサーの午後からの会議で来られたボランティア仲間がお二人。
なぜか、こんな講座の案内は貰っていないと。
急遽、会議を欠席されて参加、ひび割れの補修です。
この作品もなかなかいいものですが、3か所ひび割れが。
温めた修復部分にアラルダイトを浸みこませる手法を体験してもらいました。
この作品はもうすぐ始まる展示に使われるので、展示が終わってから水漏れチェックと必要な処置をするとのこと。
もうお一人の方は最後まで残られて、同じような作業をされて。
この日もたくさんの修復。
アラルダイトを使ってのひび割れの水漏れに対する処置、地の粉を混ぜたものでの修復、その他にもプラスチック板をうまく使う方法など、金繕いの入り口ですが、いろんなことを多くの方に習得して頂きました。
皆さん大喜びで。
お一人、二日にわたって見学をされた方もおられました。
「私は今回トラブル作品はなかったので、見学だけです」と。
私が金繕いの技術の習得でお世話になった高槻の豊島先生ご夫妻、すでに亡くなられておられますが、奥様が私に「最後の弟子としてその教えを広めるように」と言づてなさったことが少しでも実現できて、私も大満足です。
美術館の担当職員の方も、今回の企画がうまくいって大喜びをされて、この日手伝ってくださった女性職員が、私が帰る間際に2階の窓から大きな声で「有難う! お疲れさま!」と声掛けしてくれたのには、私も感激しましたね。
その後のことですが、昨日の1月22日(日)に兵庫陶芸美術館での登り窯作品の展示を観てきましたが、修復された亀の作品も展示されていました。
それから、これまで陶芸美術館と関係があった有名な陶芸家さんたちの作品も登り窯で焼成されていたことを初めて知りました。
何人かの作品の内、三原 研さんの作品に大きな亀裂が入っているのを見て、繕いたいなとむずむずと。
美術館職員のOBで、今も美術館に残って登り窯の責任者をされている山田さん、今回の繕いの講座に声掛けして下さった方ですが、その方に「繕いはいかがですか。ご本人の意向を聞いてもらえませんか」と申し出てみましようかね。