この本の著者キューブラー・ロスは、終末医療の先駆者とされ、
死にゆく人の心のケアを唱えた有名な人で、私の尊敬する人でもあります。
「死の瞬間」「人生は廻る輪のように」は以前に読んだことがあったのですが、
このところ思うところあって、またロスの本を読んでみたくなり、
「ライフ・レッスン」を読みました。
非常にためになる本でした。ずしーーっときました。
この本は、キューブラー・ロスが69歳で脳梗塞になり、
死を覚悟するも、なかなか死ねず、半ば人生を呪いながらも
自分にはまだやり残したことがあると思い直して書かれた本です。
彼女がやり残したこととは何か。
それは、これまでのように患者のことについて書くのではなく、
残された側、つまり生きている人たちが、死にゆく患者たちから
何を学ぶべきかについて書くことでした。
ロスの唱えた説では、死を前にした患者は、下記のような
5段階の心理をたどるとされていますが、
↓
●死の否認 自分が死ぬということは嘘ではないのかと疑う段階。 ●怒り なぜ自分が死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階。 ●取引 なんとか死なずにすむように取引をしようと試みる段階。 何かにすがろうという心理状態。 ●抑うつ なにもできなくなる段階。 ●受容 最終的に自分が死に行くことを受け入れる段階。 |
見守る側の立場の人間も、全く同じような心理の経過をたどると
今回身をもって実感しました。正確に言うと、今は『受容』というより、
『受容せねば』と言い聞かせている段階ですが。
大切な人が自分の前からいなくなるのは怖い。悲しい。受け入れたくない。
けれど、それは誰もが一度は経験する「喪失のレッスン」なのだと
この本を読んで思いました。
そのレッスンをまさに今、受けている真っ最中なんだ。
それは死にゆく人からの大切な贈り物なのだ。
だからこそ、これをしっかり受け止めなければならないのだと思う。
キューブラー・ロスについて、以前、NHKで特集があったそうなのですが、
私は見ていなくて本当に残念でした。その時の映像では、
死者を最期まで看取り、終末医療に生涯かけて取り組んだロスが、
脳梗塞のせいで(怒り狂い)神をののしっているという、
昔のロスとはかけ離れた内容だったみたいですが、
できればまた再放送してくれないかなと願っています。
・・・と思っていたら!!!!関連動画を見つけました!!!!!
これははもう絶対みなさんに見て欲しい!
騙されたと思って是非(^_^;)
とても貴重な映像だと思います(資料的にも)。
私はロスの写真も見たことがなかったので、
この激しい女性は一体どんな人なんだろうと思っていましたが、
今回こちらの動画で実際の肉声を聞くことができ、
その人の雰囲気を身近に感じることができ、とても良かったです。
ロスはだんだんオカルトの世界にも傾倒していき、
小人を見たとか、妖精が傍にいたとか言うのですが、
私はまぁ、そのへんも含めて憎めないというか・・・
家族や友人の死に直面している人、
病気の人を身近にかかえている人、
「死」について考えている人、
いろんな人に見て欲しい。
50分ありますが、興味があれば見てみてください。
私は見始めたらそのまま最後まで見続けてしまいました・・・
↓
ロスのお墓に蝶の模様が刻んであるのが素敵でした。
生まれ変わって銀河でダンスしていることでしょう。