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ある「常会」の記録より④

2018-12-29 23:07:42 | 地域から学ぶ

ある「常会」の記録より③より

 

 5月3日には臨時常会が開かれる。議題の一つ目は村長選についてである。当時村長が同区出身者が現職だったようだ。そして常会に対して2名の責任者を出してほしいという依頼があったという。ところが同じ区より現職村長の義兄弟が村長選に立候補していることもあって、その依頼に苦慮している様子が記録されている。記録にはないが、結果的にこの村長選では、現職が破れ、新人の義弟が村長になったという。

 議題二つ目は「健康カレンダ」についてである。それまで健康カレンダーを全戸配布していのだろうが、今後希望世帯のみにするという連絡があり、後日希望を取るという連絡である。

 議題三つ目は花見の会計報告である。旅行貯金から流用して地区内にあった二つの商店に代金を支払ったという報告である。四つ目は「倉庫の鍵」についてで、詳細はなく、「常会長に一任して点検して貰ふ」とある。鍵が壊れたということなのだろうか。花見の会計について別紙として詳細が添付されている。「各戸肴折ニケ 老人会員各人一ケ 子供に菓子を中学生以下に配る」とある。花見の参加者は家族も含めてということがわかる。飲酒物について「清酒五升、白ブドウ酒一本、ビール一ダース」とある。肴折について「五七ケ」とあるから57人参加したということになるのだろう。また菓子袋は18、キャラメルとチョコレートが17とあるから、子どもの参加者は17名いたようだ。


 7月5日には農休み慰労会が行われている。もちろん酒宴である。会費「弍百円」とある。この席で農業委員候補者選出の区会会合に出席する2名を選んでいる。

 7月9日には臨時常会が開かれている。ここでの議題に区会解散の報告がある。区会議員総辞職とあるが、なぜこの時期に総辞職なのかは不明だが、この後7月17日の記録に区長、区会議員を各常会より選出し常会長会へ提出するようにとある。記録にこの後このことが登場することはない。7月17日の記録には、ほかに衛生係より一斉消毒の実施について報告があり、7日20日午前8時より作業開始とある。そして7月20日の記録として、「下水一斉消毒」とあり、いわゆるトイレの消毒が行われたようだ。

 8月10には臨時道作りが行われている。こうして見てくると「臨時」という集まりがとても多いことに気がつくだろう。この道作りは台風7号によって道が荒れたためのよう。また、この際に盆野球のことが話し合われており、慰労会について「義務的負担」という言葉が表れている。会費150円とあるが、ここでいう「義務」が出席義務なのか金銭的義務なのかはわからない。

 10月29日にはまた臨時常会が開かれているが、内容記録はない。次は12月19日の臨時常会である。地区内にある橋の工事について、道路委員を選出して対応するとある。そのほか各報告がされており、農業部長より次年度新役員について、会計報告、新年会のこと、などである。このうち新年会について再び「義務負担」という言葉が登場する。1戸150円とあるから金銭的負担を言うのか。さらに「山手入金の割戻金にて充当する」とあり、「出不足者は現金持参とす」とある。ようは1戸150円について割戻金を充てるが、出不足の者は現金持参、ということなのか。

続く


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